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自由の鍋 VS 永遠の玉手箱

 ドォォン!


 天空竜宮城の石畳に立っているウチの全身から、濃密な光がオーラとなって噴き出していた。


 鍋――いや、神威の器を満たした四種の感情が、今、確かな法則としてウチの血肉になっとる。


「これが『自由の法則』の味や。やっと、わかったで」


 ドクロスマホが、甲高い電子音から一転、心地よい安堵あんどのトーンで応える。


『マスターは後悔・憤怒・孤独を否定せず、ありのままの自分を肯定した。まさに、自由の法則を手に入れたと言えましょう』


 ウチは中華菜刀を肩に担ぎ、高揚した笑みを浮かべた。


「せやろ? 最高のダシってのは、逃げずに過去の全部を煮詰めること。そして最高のスパイスってのは、純粋な『アイデンティティ』ってことやな」


 ウチが充足感に浸った、その一瞬――周囲の法則が、その"無秩序"を許すまいと、悲鳴を上げた。


 ゴオオオオオオオオッ!!


 城の奥から、先ほどとは比べ物にならんほどの轟音ごうおんが響き渡った。


 天空竜宮城の広大な空間全体が、突如として赤と青の「格子状の光」におおわれる。

 それは、ウチが獲得した「自由の法則」とは対極にある、絶対的な拘束のルールを思わせる光景やった。


『マスターから神威の完全覚醒かんぜんかくせいを感知! 竜宮城の最終防衛機構――『不滅イモータル玉手箱・タマテバコ』が起動しました!』


「なんやて? ケンカを売っとんやな!」


 そして、城の奥、玉座があったと思われる場所の床石が隆起し、巨大な光の渦を形成する。

 その中心から、老獪ろうかいな声が広がった。


「我が領域で、勝手に法則を完成させるとは――。貴様、『自由』という名の、最も不愉快な『無秩序』を体現した者か」


 渦が弾け、玉座に座る影が姿を現す。

 それは、悠久ゆうきゅうの時を生きるがゆえに全てを達観し、「安定」こそが究極の法則だと信じる、竜宮城の真の主――。


「ならば試させてもらおう。我が『永遠エターナル安定・スタビリティ』こそが、貴様の浅はかな『自由』を喰らう、真の法則であることを」

 最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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