死神少女の『孤独』と誰にも理解されない『最高のダシ』
ウチ、アイル。
後悔と憤怒を食らい、鍋に新たな熱を滾らせた究極の狩人や。
「よっしゃ……お前らも、まとめて調理したる!」
残る敵は二体。
セーラー服の死神少女と、冷徹に青龍偃月刀を構える偽りの関羽。
バーサーカーを食らったせいで、ウチの麻辣オーラは沸騰し、闇を焦がすように輝いた。
炎の照り返しが、二体の姿を鮮明に浮かび上がらせる。
「マスター! 死神少女は『誰も自分を理解しないという孤独』の具現化です!」
ドクロスマホが興奮で爆発しそうなほどの音を立てて叫んだ。
死神少女が、その大きな鎌を振り上げた。
「うるさいな……どうせ誰も私なんか見えてないくせに!」
鎌が夜空を切り裂く。
その軌跡は、まさに『存在の虚無』。
触れたものを世界から切り離す、絶望の刃やった。
「フン! 孤独は――最高のスパイスや!」
ウチは、その鎌の軌跡をあえて追わず、死神少女の懐へ飛び込んだ。
中華菜刀の側面で、セーラー服の背中を軽く叩きつける。
カツン!
「えっ……」
一瞬、少女の動きが止まった。
その刹那、全身の装甲――セーラー服と大鎌が霧散し、中から、青く透き通った光が溢れ出した。
『マスター! 触れて存在が確定したことで、孤独の法則は霧散しました! これが究極のダシです!』
「食らうたる!」
ウチはその光を菜刀で掻き集め、一気に吸い込んだ。
ゴオオオオッ!
後悔、憤怒、そして孤独。
三つの感情が、ウチの“空っぽの鍋”の中で激しく混ざり合う。
ウチの体内で、“自由の出汁”がついに完成へと近づいた。
「ちくしょう……うめぇ。誰にも理解されへん、最高の苦いダシや!」
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