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箱庭の調停者ー神様の気まぐれを添えて  作者: はりまる
龍の里編
9/13

7話ー眷属の配下と吉報

よし、2割程度で2mくらいそして果実を食う。

それを続けて休む。

果実も林檎くらいの大きさから苺みたいな大きさまでそれぞれ。

大きさによって気力が回復する量が変わる。

大きければ大きいほど回復する。というわけではない。

むしろ、小さい方が甘みも凝縮され気力も回復する。

しかし今食べているのは林檎のようなものだ。

種類も甘酸っぱいものから、甘い物まである。シャキシャキから蜜たっぷりと。

結果的に甘い蜜たっぷりが一番回復する。

そもそも苺大のものを食べればいいと思うのだが、採れないのだ。

宴から今まで食べてしまった。

かなり希少なものらしくて、なかなか手に入らないらしい。

マズイと思っていたが、最終的に疲れていればとても美味だった。

こればかりは仕方ない。

残りは味が多種多様の林檎のような果実しかない。

これを食べると腹が膨れる。

これは致し方ない。

2−3個も食べれば1食分になる。

そう、腹がいっぱいになる。

家もクリートの力を使えば作れるみたいだが、邪魔なものがなければの話みたいだった。

木を伐採するのも問題で、林檎みたいな果実が成る。

だから切ろうにも切れない。

ここに住む、全ての生き物の食事にもなる。

魚が取れるのもあり、伐採しても構わないと言われるが後で生やすことも難しそうだから、そのままにしておいた。

代わりにロッキングチェアを作った。

何故かハクエが座っていたのでクリートに複製してもらったらみんな使い始めた。

…。自分のチェアはどこに行ったのだろうか。

作るのにも多少なりの気力を使う。

微々たるものだが、休憩モードに入った時はゆっくりしたいものだ。

素直に地面の上に眠る。

退いてほしいと思っても難しいだろう。

ゆらゆら揺れる彼女らを退けとも言えない。

…。

こういう時だけ無視するんだよなぁ。

凄いなぁ。テュポンも声がかけられないでいた。

トンネルも4分の1くらいまでは進んだだろうか。

土を集め、置いておく。

何を作るか。威力のある攻撃を受けても霧散するような感じ。反射というべきか吸収というか発散というか…よくわからない。

古代龍種の中でもレイク以外の能力を受けつけない。

物理攻撃も痛いだけで凹みもしない。

フレアの能力も自分が使えば溶けはする。

溶かして何かを作れないだろうか…。

「武器は作れないでしょうか」

テュポンは最近近くで世話を焼いてくれている。

一度倒れたからか、一人は近くに付けろとのことだった。

そんなテュポンから武器と…。

「何のために使うんだ?」

「おそらく、神代様はこの後魔族の世界に行かれると思われますが、丸腰で行くのもどうかと思いまして」

そうか…。でも武装して行ってもそれはそれで好戦的に受け取られそうなんだけど…。

「あくまでですね。そこまで凄い武器ではなくても刃を潰した剣くらいであれば大丈夫かと」

棒とかでも良い感じか…。でも武器とかって作ったことないんだよなぁ…。

「溶かして貰えれば我々で制作致します」

「作れるのか?」

「ドラゴン族は外に出、光り物を拾ってくることが稀にあります。その中に剣のようなものがあったのでそれを見れば大体はわかるかと」

すごい。スペック高いなぁ。

「我らヒュドラ族では記憶を読む能力なども持っているものがおります。その能力であれば問題ないかと」

「人だけでなく、物まで有用か?」

「人に使った事がなく、物限定ですが、可能です」

なら、記憶を読んでもらって記憶にあるものを再現することも可能かなぁ。

そうすれば意外と簡単そうだけど。

「よろしければ次の名付けの候補にしていただきましょう」

「いや、順番があるならそれに任せる。どうせすぐには開くわけではないだろうし」

「問題ありません。次はその者を名付け致します」

いつの間にか後にオロチが立っていた。

問題ないならその方向で。自分たちの生活を優先してほしいし。

「人化した方が食べる量も減るので早めにしておきたいと思います」軽く笑って出ていた。

比較的安定してくるようになった。

何がっていうとトンネルを掘るのが。

名付きが増え、消費も減った。

リヴァイアサン族のレビィ。紺色の髪の女性だった。ネーブと双子のような感じだった。

モーセの代わりにリヴァイアサンの指揮を取っている。

と言っても種族毎に別の回路で念話が通っているみたいで現地指揮のようなものらしい。

名付きをしてもらったら顔合わせをするというのが慣習になっていた。

と言ってもリヴァイアサン族自体の数が少ない。現在は10体らしい。そもそもの力が強く、個体自体そこまで必要としないらしい。しかし、人化できるとなれば別の話らしく、夜のお供が増えた。嬉しくないんだけど…。

ナーガ族のヨルムとオルムは珍しく男性だった。

ナーガ族は基本男性のような感覚はないらしい。

男性を作った理由としては門番で舐められないため、らしい。

トンネルを作った際の門番を二人に任せるらしい。

助かった。何がとは言えないが、マジで夜が眠れなくなる。

ヨルムは男性にしては少し小柄だろうか150cm強くらいか。しかし、筋骨が隆々だった。

おそらくパワー系特化に見える。

オルムは逆に細身だが、190弱あり、筋肉はある。二人とも緑と白の混ざった髪をしていた。双子ではないらしい。

ドラゴン族のオック。男性。男性が増えて最近はマジでいい。でも他の古代種たちが動かなくなっていた。それもそれでどうかとは思うが。

同じくらいの175で筋骨隆々。やっとドラゴンらしいと思ったが、実はレブレの前にいたドラゴン族。その時とは全くの別人で驚いたのだが、どうやら反対側でトンネルを掘ろうと頑張っていたらこうなっていたらしい。しかし穴は10cmくらいだとか。

穴掘りブートキャンプはかなりの運動らしい。

ドラゴン族で一番の力量を持つのに10cm。他のドラゴンでは攻撃も通らないとか。

レブレは同じことをしても1mmも掘れていない。それに筋力が増えているわけではない。

よくわからん。オックが異常なだけだとバハムートが言っていた。

そして念願のヒュドラ族、記憶を読み取ることのできる者が人化できた。

「ヒュドラ族のハーカでーす。よろしくー」

…。何かこう…おじいさんみたいな人が来るかなって勝手に期待していたんだけど、めちゃ若めの子が出てきた。

割と言葉は渋めだった龍種だけど、この子が少し違うのかな。

「神代様の記憶読んだらこんな感じかなーって?違ったー?」

「良いけど、後で怒られるかもしれないから」

後には怖い笑顔のテュポンとオロチが居た。その後ろに古代種がいた。

「ずびばぜんでじだ…」

何をされたのかは聞かないでおこう。

基本的には触れないとわからないらしいが、念話で繋がっている為、記憶をいつでも見放題だったのだと。プライバシーのカケラもない。

生前好きだった女子の言葉遣いを真似したらしい。そんな子いたことを忘れていたが、あまり言葉遣いには気にしないので可哀想とだけ言っておこう。

「申し訳ございませんでした」

「大丈夫だ」

これが凄いことに過去を全て一から倍速再生のような形でも見られるらしい。

それによって自分の名前を知ることになったが、今は生まれ変わってみんなから貰った名前がある。これだけでいい。

そして、過去暴露会を古代種によって執り行われたことは言うまでも無い。

その女子会に珍しく一人だけヨルムが参加していた。

ヨルムは色恋に興味があるわけではなく、記憶にある珍しいものを聞いていた。電話やテレビなど。再現できるものをしたいという欲求が人一倍高かった。人って言って良いのかな…。

夜は女子会(仮)、昼は武器などの記憶を見ている。

発露される内容は聞いてないが、より夜は積極的になった気がする。おっかしいなぁ…。何を教えたんだろうか。

あんなことまでされるとは思わなかった。

しかし、武器の作り方がわかったとて、作る者がいない。ミスった…。

と思ったが、意外とハーカが作ると言い出した。

そして溶かしたものをハーカが打つことになったのだが…。

「打つものがありません」

…。そうだよね。まずは打てるものの作成からだよね…。

ハンマー状に穴を掘る。

図式をハーカが書いてその通りに掘る。

そしてそこに破片を入れていく。

そして5割程度で熱を加える。

果実を食べながら回復する。

そしてモーセが持ってきた龍脈水をかける。

「なくなった」

消えた。目の前から湯気が無くなったと思ったら何故か無くなった。

「いえ、無くなったのではありません」

そういい、落ちているカケラを上に乗せる。

かなりの透明度の者ができたようだ。

一回り小さなものにはなったが、透明なハンマーができた。

そして驚くことに壁を破壊できた。

大きくはないが、凹む。

木の皮を剥き、柄に巻く。こうしないと本当にわからなくなる。

フレアの能力も強くなってきたのか少量であれば溶かせるようになってきた。

ほんの少しだけど。

それを薄く成形し、普通の水をかけると色はやはり普通だった。

透明になるにはどうやら龍脈水が必要なようだ。それでも相当の強度を持つが、凹ませることはできなかった。

同じ工程で龍脈水を使い、ナイフ形状のものを作る。

すると驚いた。壁がビックリするくらいキレる。ナイフの形状なのでできることも少ないが、かなりの進展である。

オルムがトンネルを作るのに一役買って出た。

ナイフを使い、切っている。

オックは素手で頑張るらしい。初志貫徹を目指すらしい。

それ以上筋力を上げるとこっちも能力が異様に上がる。

それでなくても異様に能力が高くなっているのだ。使ってほしいと言っても頑張ります。の一点張り。これは少し意外だった。

魔族の世界へ穴を掘り、人間の世界へとオルムが掘り、動物の世界へとオックが掘っている。

あと3か所あるが、門番がいないため待ちになっている。

2か所は1割程度まで残したら次の場所をやってもらう予定だ。

決して先に開けられるのが嫌だとか、寂しいとかではなく、一度にそんなに開けても管理ができないと言うことだ。

と言ってもすぐには開かないだろうが。

現状一番進んでいるトンネルでも3分の1位だろう。10kmの話を信じるならば…だが。

疲れ辛くもなり、1日で掘れる量も増えたが無茶はしない。

いつも通り2割使ったら回復、を3回くらいしたら休憩。

そしてまた2回3回繰り返したら休む。

1日で累計10割使ったら仕事を終了。

そして風呂に入って本番が始まる。

女子会(仮)に飽きたら何故かハーカも増えていた。おかしい。

「本当に一日3−4人にしてくれ。疲れない身体でもあるけど、寝たいから。それ守らなかったらもうしないから」

その一言が聞いたのか、一日中ジャンケンで久しぶりにゆっくり眠れた。

結局決まらなかったのか、疲労し切って寝ついたようだ。

毎日こうなってくれると嬉しい限りだ。

と思ったら吉報が入った。


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