タイトル
ボンヤリとクーラーの冷気に辺りながら、ふと、我にかえる。
いけない、どちらにしても、何か、書かなきゃ。
私は、ため息をついてノートに向かう。
あれから、2日がたち、モヤモヤしながらも話を考え続けていた。
結局、私はジローで話を作ることにした。
この間作った『俺はジロー』の詩を膨らませて話を作るのが手っ取り早いと考えたのだ。
私は、再びノートを広げて詩を見た。
『俺はジロー』
♪俺の名前はジローだよ。
歳はゾロ目だ、5(ごー)5(ごー)!
彼女はいないが、気にしない。
キャベツメンチが好物さ。
メンチを買ったその後に、異世界転移、初体験。
そっちの世界じゃモテモテさ。
キャベツメンチは無いけれど、少女エルフと大冒険。
超絶スキルで解決さ。
しらないうちに解決さ。
ふふふん〜るるる〜
俺、最強!!
今日も楽しくスローライフ。
夢は名古屋のモーニング。
ジロー(名古屋のモーニング行けるかな?)
エルフ(なごやって、どんな国ですの?)
楽しい旅の始まりさ。
これはこれで纏まっているから書きやすそうだ。
まずは、あの説明書きのような長い題名をこの小説に合わせて考えてみる。
『キャベツメンチを買いにいったら、異世界にいたので、超絶スキルでスローライフをします。』
(-"-;)こ、こんな感じかね?
私は、調味料を連想して変な違和感を感じる。
題が長いのは、なにもweb小説だけではない。
最近では、スーパーでも似たような商品名を見かけることがある。
・農家の親父がこだわった野菜がギャギュッと詰まったトマトソース
・足のむくみがみるみる解消する快適靴下。
みたいな名前の商品をたまに見かけるのだ。
それを思えば、長い題名も、それなりに意味があるような気がする。
まあ、題を見ればどんな物語か、よくわかる。
web小説の題名が長いのは、より検索で引っ掛かりやすくする為とか、昔、聞いた気がしたけれど、
現在の検索は、細かなあらすじとか、ハッシュタグで検索されやすく出来るから、長くなくても良い気もする。
でも、確かに、同じ棚に四角いソースのパッケージがある場合、説明のような題名の方が分かりやすいし、手に取っていた気がする。
単純に棚に乗っているなら、分かりやすい説明の方でひとめでわかる方が興味をもってもらえる。
『ファンタジー』とか、『異世界』なんて題名では、逆にweb小説の短所の方を思い浮かべてしまう。
それは、『しょうゆ』とか、『中華スープ』みたいな簡素な名前の商品みたいな感じなんだと思う。
なんと言うか…あまり変わらない商品なら、熱意を感じるものを買いたい…みたいな感じなんだろう。
ふと、フリマを思い出す。
鍋の蓋や、お菓子などの不思議なおまけなんかの不用品が、自分のセールストークで売れて行く。
私の説明が、ドレッシングとなって不用品を輝かせる瞬間。
ああ、また、フリマやりたいな。
私は苦笑して、小説に戻る。
そう、題名ははじめのセールストークなのだ。
少しはひねりと情熱は必要だ。けれど、あの、よくわからない長い題名は、やはり、少し抵抗がある。
なんと言うか、この歳で若い娘と張り合ってミニスカートで接客するような抵抗感だ。
(;゜ロ゜)げっ。
そう考えて、ミニスカートの私の足を残念そうに見る客の目をアリアリと思い浮かべた。
哀れみと、サムイ嘲笑……。
そう、どんなに上手く隠したつもりでも、やはり、そう言った服装を着こなしていないと、それは客に伝わってしまうのだ。
題を長くしたからって、その本来の意味を理解していなければ、ただ不愉快なだけだ。
ミニスカートを美しく着こなす同年代だって存在する。
日頃から体を鍛え、テニスをたしなむ奈津子なら、ミニスカートをいきなり履いてもさまになるに違いない。
でも、若い頃から、足を出すのに抵抗があった私が急にミニスカートなんて、着こなせるわけはないのだ。
話を作ってから考えよう。
私は、題名を決めるのを後回しにした。




