強すぎる力
どうしたらよくなるんだろう?
私が此処に来てから、おそらく一週間が経ち、生活していく上での決まり事などを教わった。
…と、言ってもそんなに厳しい物ではないし、むしろ楽な方だった。
妖夢さんと一緒に朝、昼、晩の食事を忘れず作ること。
これさえ守れば問題ないそうで、私はそれらをこなし、今では一人で調理場に立つことが多くなっていた。
「貴女もようやく慣れてきたみたいね~
私が嬉しいんだから、きっと妖夢も嬉しいはずね…
ありがとう。」
「いえ、私は好きでやってるだけですし、妖夢さんのように料理が作れるようになれるなら、一石二鳥です。」
「…文子。
貴女、今日から妖夢に剣の指導をしてもらいなさい。」
「…え?剣…ですか?」
「そう、別に剣じゃなくてもいいけど、とりあえず鍛えてみなさい。」
「は、はい。わかりました。」
突然の案に驚きつつも、その日から妖夢さんに稽古をしてもらうこととなった。
「と、言うわけでお願いします。」
「はぁ、幽々子様の思いつきですかね…。
まぁそう言うことなら、わかりました。
では早速、文子さんは刀を持ったことはありますか?」
「ありません。」
当然のことながら、私が手にしたことのある刃物はハサミ、包丁、カッター、彫刻刀、程度である。
「そうですか。
では、刀をどういった理由で持ちますか?」
理由…なんだろう?
幽々子様の御指示だから?
いや違うな
戦う為?
…これは違う、かな
…それなら
「護る為、では駄目ですか?」
「50点、半分正解です。
何を護るのか、それがわかれば満点です。
まぁ、半分わかっていれば大丈夫でしょう。」
「あの、妖夢さんは何の為に?」
私の解で半分ならば、もう半分は?
率直な疑問を私は投げ掛けていた。
「決まっています。幽々子様を御護りする為です。
貴女は貴女なりの理由を見つけて下さい。」
「わかりました。」
「では、基礎である刀の持ち方から教えます。」
そう言って、柄のついた刀を取り出し、見本となる持ち方を教え始めた。
「刀は、両手であれ片手であれ握るときは、必ず柄から少し下を握って下さい。
柄は、小さいながらも使い手を守る為にあります。
そして次に、もう一方の手で握ります。
この時、上の手に下の手が当たらないようにしてください。」
……
こうして、刀の握りかた、斬る時の姿勢など様々なことをたった1日で私に教授した。
私が、刀を持つ理由…か。
「1日でほとんど覚えてしまうとは、文子さんはすごいですね!
明日からは、私と試合稽古をしましょう!!」
「はい!お願いします。」
…
「ねぇ、幽々子。
何故あの子に剣術を?
あの子は、剣術より…」
「わかってるわ。
けれど、今のあの子にはあれが一番合っているのよ。」
そう言って幽々子は、目線をあの子の方へと向けた。
彼女は、こちらの視線に気付くことなく、妖夢と嬉しそうに刀を交えていた。
「それより紫は、閻魔様との約束守らなくて大丈夫なの?」
「えぇ、少しの様子見程度なら許可が降りたわ。」
「ふーん、相変わらず紫には甘いのね。
閻魔様…」
「常に私は平等ですよ?」
「ね?」
「なるほど。」
あの子は、確実に格闘よりも術に特化できるタイプの子、合っているはずがない。
いったい何故…?
やはり、幽々子の考えはよめない。
幽々子を見ると、彼女達を見て微笑んでいた。
ただ愛し子を見つめるかのような、柔らかな瞳で…
「ふぅ、私達は帰るわ。
もう十分確認もしたことだし…
あまり長い間いると、怒られそうだし。」
「そう。
あまり閻魔様を怒らせないでね?」
「わかったわ。」
●川を越えた先の裁判所
「いい加減、あの子の能力を教えていただけないかしら?」
私は、白玉楼から戻った後そのまま閻魔様に問い詰めていた。
しかし、当然のことながら質問に対する答えが返ってくることはなく、苛立ちがつのり始めていたそんな時、ようやく閻魔様が口を開いた。
「八雲 紫。妖怪賢者…
貴女がもし吸血鬼のような力を得たとき、どうしますか?」
「ようやく口を開けたと思ったら、そんなこと?
それに吸血鬼の力ってのは、多数あるわよ?」
「…そうでしたね。
では、体を自在に変化できる力を得たらどうしますか?」
「さぁ?
誰かになって遊ぶかも。
で、それが彼女になにか関係があるの?」
「彼女の能力は、望んだ力を得る程度の能力。
理解できましたか?」
一気に顔が青ざめた。
実は、ひもQでみつあみをして暇潰しをしている暇人の変人です。




