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黄泉がえりの東條英機  作者: 広田昭和
21/81

第21夜 決起大会

「今晩は、東條閣下、ご機嫌はいかがでしょうか。」


「頗る良い。」


「それは結構です。4月も半ばになると大分暖かい日も増えてきました。今夜も少し蒸しませんか。」


「そう、大丈夫ですか。それでは、お話をお聞かせ下さい。」


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

11月3日 日比谷公会堂である決起大会が開かれた。


 『大東亜独立運動決起大会』の横断幕があります。大アジア主義者、右翼団体の関係者が1、300人程集まりました。ところが、この大会の話を聞きつけた民衆が2000人ほど押しかけ、会場に入りきれず、外に溢れていた。


 司会者は、児玉誉士夫だった。

「ただ今より、大東亜独立運動決起大会を開催します。私は司会の児玉誉士夫と申します。式次第に従い、まず、決起趣意書の朗読と決定を行います。」


「決起趣意書、我々は、全ての民族は、その民族の運命を自ら決する権利、民族独立権を有することを宣言する。そして、亜州各民族は、その定住圏において独立のための武装非武装の運動を行うことは当然であることを認める。そこで、我々は、天皇陛下の御稜威を大東亜に及ぼすため、大日本帝国政府に対し、英・米・仏・蘭・葡が全ての政治犯を解放し、独立の準備交渉に応じない場合には、亜州解放のため採り得べき全ての手段を行使することを求める。さらに支那における聖戦を終結させ、大東亜諸国連合を創設するためにここに決起する。」


「賛成の方は、拍手でもってご承認ください。」


「異議なし。拍手拍手」


「賛成多数により決起趣意書は承認されました。続きまして、会長の選出に移ります。僭越ながら会長は、元玄洋社の総裁頭山満先生をご提案いたしますが、よろしいでしょうか。よろしければ拍手でもってご承認ください。」


「異議なし。拍手拍手」


「頭山満先生、万歳。」


「賛成多数により頭山満先生を会長といたします。頭山満会長、御挨拶をお願いいたします。」


「頭山満でございます。私は、中国国民党の蒋介石とは、孫文先生の縁故で、自宅の隣に住まわせたことがございます。当時の蒋介石は、北伐を開始する前で、中国を統一し、列強の頸木から解放することを夢見ていました。私は、蒋介石が夢見たように、大アジアが列強の植民地から独立することを支援し、経済連携を結ぶよう提起する存念でございます。本日は、決起趣意にご賛同いただきありがとうございました。これをもってご挨拶といたします。」


「頭山満会長ありがとうございました。続きまして、ご来賓の挨拶を賜ります。まず、土肥原賢二陸軍大将閣下お願いいたします。」


参加者からウオッーという歓声が上がった。


「土肥原でございます。本日はご招待いただきありがとうございます。日本国はアジアのなかで唯一列強の諸国に肩をならべる大国でございます。我が国の力は、皆さんが宣言されたようにアジア諸国の独立のために使うべきであります。それが天皇陛下の御稜威を広めることにもなります。ここに決起された皆様がそのための支援をするとの決意を聞き誠に歓喜に堪えません。本日は誠におめでとうございます。」


「続きまして、前衆議院議員で大政翼賛会総務の久原房之助様お願いいたします。」


「ご紹介に預かりました久原でございます。大東亜諸国の独立は喫緊の課題であり、○○○・・・・御清聴ありがとうございます。」


「続きまして、ラス・ビハリ・ボース様でございます。」


ラス・ビハリ・ボースは、アナンド・サハイ、AMナイルと一緒に登壇しました。

「印度のラス・ビハリ・ボースです。我が印度は、18世紀からイギリスの植民地にされ、長い間搾取されてきました。私は、ここにいる頭山先生のご支援のおかげでイギリスからの国外退去に屈することなく独立運動にまい進できました。本日、大東亜独立運動決起大会に参加することができ、大変うれしく思います。印度万歳!そして大日本帝国万歳!」


「これより参加者を代表いたしまして、頭山満会長、土肥原賢二大将閣下、そして不肖児玉誉士夫が決起趣意書を外務省、内閣官房に提出に参ります。これにて散会といたします。」


翌日の新聞各紙にはこの大東亜独立運動決起大会が大々的に報道された。

 

 私は、百鬼会の土肥原賢二大将に決起大会を開くようお願いしたが、これも反英米派を取り込み、日中講和に反対するであろう勢力を潰すものです。


私:「頭山満氏は、すごい人ですね。よくそれだけの人数に根回しできたものです。」

先生:「彼は、アジア主義を最初に提唱した右翼の大物だ。彼が、声を掛ければ、国内の右翼は、応えるだろう。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

もうじき就寝の時間ですから今日はここまでとしましょう。続きはまた、明日、お話します。おやすみなさい。


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