~第六章のあらすじ~
※あらすじはネタバレも含みます。
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など、ネタバレに寛容な方。または簡単に作品を知りたい方、読み返したい方。に推奨しています。
ルーヨンに誘拐された初汰。自分の身体を取り戻すと決意をした獅子民。そしてその獅子民の護衛役となったクローキンス。三人はついにアヴォクラウズへ赴くことになる。
一足先にアヴォクラウズへ到着したのは初汰であった。気絶していた初汰はルーヨンの声で目覚める。全身を拘束されていた初汰だったが、小型飛空艇が到着したドックから目的地である城までは少し距離があったため、腕だけの拘束となった。
ドックを出ると市場が奥まで伸びていた。市場には大勢の客がおり、それを避けるために脇道を抜け、二人は急勾配の坂道を上がり、今自分たちがいる城下町よりさらに上に浮遊している島を見上げた。そここそが目的地である城を乗せた浮島であった。
浮島と浮島とは離れないように鎖で繋がれていた。そしてその鎖にはロープウェイが付いており、二人はそれに乗ってアヴォクラウズの城へ向かうことになる。
初汰が城へ近づく一方、獅子民とクローキンスはアヴォクラウズの工場地帯に到着していた。
クローキンスの馴染みのドックに着陸すると、それに気が付いたドックの管理人。兼バルグロウ工房の守り人をしているギルが現れる。クローキンスとギルは不器用ながらも仲睦まじいやりとりを見せると、三人は工場地帯にある小高い丘の上にあるギルの家に向かう。
丘の上の家に到着すると、獅子民はここに来た理由をギルに伝えた。その他にも色々と話し込んでいると、いつの間にか辺りは暗くなっていた。その日はギル宅で就寝することになり、獅子民の身体がどこにあるのか調べるための情報収集は翌日となった。
その裏では、初汰とルーヨンの二人がルーヨンの寝室がある城を目指して動き始めていた。
ど真ん中に大きな本城が鎮座しており、少し距離を開けた左右には本城に負けないほど立派な城がそれぞれ建っていた。ルーヨンは本城の手前を右に折れ、林の様に木が茂る道を進んで右の城に向かう。
城の前には大きな鉄柵門が構えており、ルーヨンはそれを見上げてしばらく考え込む。初汰がどうするのかと問いただすと、ルーヨンは城への入り方を知られないために初汰を気絶させた。
翌日、獅子民とクローキンスは工場街で聞き込み調査を始めた。クローキンスの地元という事もあり、情報はとんとん拍子に集まっていった。内紛によって破壊された工場や、持ち主を失いそのまま廃れて行った工場。そんな外観とは相反し、工場街の人々はとても気さくに情報を与えてくれた。
情報を得た二人は一度ギルの家に戻った。ギルは室内のロッキングチェアで居眠りをしており、クローキンスはその寝顔を見て、爺さんに気付かれないようにもう家を出よう。と提案する。獅子民はそれに同意して、二人は得た情報を元に集合場所である工場に向かった。
たどり着いた工場で夕食をご馳走になり、食事を終えるとそこに集まっていた町の人々は、ドックに向かった。そしてドック内にある潜水艦のような形をしている中型の飛空艇に乗ると、一行は無人の浮島を目指して飛び立った。
たどり着いた島は本当に誰も住んでいる気配が無かった。それ以前に人が住めるような家屋が存在していなかった。そんな中、ボロボロになりながらもなんとか家としての形を留めている一軒家に一行は向かい、そこを訪ねた。するとそこには十人ほどの人が集まっており、静かに飲み会のようなことをしていた。
その会の中心人物となっている男、ブランの話によると、今この場に集まっている者は皆、この無人の浮島の出身者だという。かつてはこの島も人が住める島だったが、国家により滅ぼされた。そんな悲劇を忘れないためにも、こうして時たま集まっているのだと語る。
しかし本題はそこでは無かった。クローキンスは城への侵入ルートをさっさと聞き出してこの場を離れようと、本題を切り出す。するとブランはその話を嫌う様にクローキンスを罵り始めるが、獅子民が仲裁に入ることによってブランはその口を閉じた。そして静かに言う。自分が付いて行くという条件付きでなら、城へ案内する。と。
その後飲み会は夜遅くまで続いた。獅子民とクローキンスがじっと情報が出るのを待っていると、大半の人が酔いつぶれ、その場で寝始めてしまう。そして起きているのが獅子民、クローキンス、ブランの三人だけとなった時、ブランは静かに席を立ち、小屋を出て行った。二人もそれに続いて外に出ると、ブランが案内を始めた。
しばらく歩き続けると、浮島の北端にかつて国家軍が奇襲用に使っていたポッドを発見する。三人はそれを利用して静かにかつ一気に、本城がある浮島の右端に着地する。
三人が飲み会から離脱する頃、丁度初汰は目を覚ましていた。ルーヨンに気絶させられ連れて来られた場所は、とても煌びやかな部屋であった。拘束も解かれており、自由になったと思った初汰だったが、そんな簡単に敵の根城で自由になれるはずがなかった。初汰は気絶している間にルーヨンの部屋に連れて来られ、コレクションとして鉄柵の中に閉じ込められてしまったのであった。
ルーヨンはコレクションとなった初汰と早速戯れようとするのだが、初汰はそれを避け、唯一用意されているベッドに寝転んだ。するとベッドの近くに窓を発見する。運よく鉄柵もはめられておらず、チャンスは一度きりだと悟る。
そんな折、外の方で微かに音が鳴り、その直後、城内に警報が鳴り響いた。それによってルーヨンも召集され部屋を出て行った。この機を逃すまいと初汰はすぐさま起き上がり、窓から外を見た。するとそこには見慣れた影がうろついていた。それは獅子民とクローキンスであった。
警報に焦っている獅子民たちは、運よく唯一光が灯っている初汰がいる部屋の窓を発見する。窓は二階ほどの高さで、近くにある木を登れば何とか侵入できそうな距離であった。獅子民が先行して木を上り、そして枝の先端から窓に向かって思い切りジャンプする。すると勢い余って室内にいる初汰と衝突した。思わぬ再会を果たしていると、そこへクローキンスとブランもやってくる。こうして奇妙な合流を果たし、獅子民が手短に事情を説明すると、初汰も加え、四人で獅子民の身体を探すことになる。
かつて国家軍に属していたというブランが城の案内役を申し出て、一行はルーヨンの部屋を抜け出して廊下に出た。警報によって一階のエントランスに集まっているようで、上階は深閑としていた。
城の地下が怪しいというブランの意見に賛同し、一行は地下に向かうため、階段で追っ手をやり過ごす。そして一瞬の隙を突いて一気に地下まで駆け下りる。
三つの城は増援要請をするためや、非常時の避難の為に地下で繋がっているという事をブランに説明される。しかし特別な呪文が無いと地下側からドアを開けられないため、誰かがドア近くに残って抑えている必要がある。と言う説明を受ける。ここで案内役のブランと身体を取り戻しに来た獅子民の二人は地下を探索し、上階へ繋がる階段へのドアを開けておく必要があるため初汰とクローキンスはその場に残ることとなった。
身体を探すために地下道の探索に出た獅子民とブランは、しばらく真っすぐ歩き続けて本城へ続くドアの前まで来た。このまま何の収穫も無しに左端の城へ向かうと思われたが、ブランはドアがあるのとは反対側の壁を見て立ち止まった。そして壁を調べ始めて少しすると、ブランが隠されたボタンを見つけ出し、隠し通路が現れた。
二人が隠し通路を抜けると、そこには魂の抜かれた人間たちが管理されている安置室が待ち構えていた。その真実を知った二人は、恐らくここに獅子民の身体が隠されていると察して部屋の捜索を始める。そして安置室の奥にもう一つ小さな部屋が隠されていることを発見するのだが、そう簡単にその部屋に入れるはずも無く、二人の元へ虎間甚が現れた。
一方待たされている初汰とクローキンスのもとには、新たな敵の影が接近していた。上階から迫る足音。二人は身の危険を感じてドアから離れ、地下道に入る。すると予想通り追っ手がドアを開け、地下道に流れて来た。二人はドアの影に隠れてやり過ごそうとするが、感づかれてしまう。
敵は二人、五賢者の一人、ライレット・リミエルと、そしてもう一人は、ギルであった。
万能の賢者であるライレットは、複数属性の魔法を器用に扱って二人を追い詰める。しかしクローキンスの試作段階である新武装によって何とか互角まで持ち込み戦いは膠着状態へもつれ込む。するとそこへ助けを求めに戻って来たブランがやってきて、ライレットの背後から奇襲をかけ、ライレットを捕縛する。
何とかライレットの猛襲を切り抜けた初汰とクローキンスは、捕縛したライレットも引き連れ、ブランの話を聞きながら安置室へたどり着く。そこでは獅子民と虎間が未だ戦いを続けていた。だがどこからどう見ても虎間が優勢であった。
駆け付けた初汰とクローキンスは獅子民と交代して虎間との戦闘を開始する。その間に獅子民とブランは奥の小部屋へと駆け込み、その部屋で獅子民の身体を発見する。しかしどうやって魂を身体に戻すのか分からず、立ち往生していると、安置棚の奥の方から声が聞こえて来た。二人は空の安置棚を一つ抜き出し、その奥へと進む。するとそこにはギルがおり、辺りを見回すと隠し部屋は研究室となっていた。
ギルはそこですべてを打ち明け、これ以降は二度と裏切らないことを誓う。急場で時間の無い二人は、ひとまずギルを信じることにして、魂を元の身体に戻す方法を探る。
そして研究室にある機械を使えば元の身体に戻れることを知り、イチかバチか、早速獅子民の人間体とライオンである獅子民を双のカプセルに入れ、開始ボタンを押す。
すると忽ち二つのカプセルが光り、そして少し経つとすぐに光は静まった。そして獅子民の本体が入っていた右側のカプセルが開き、なんとそこから元に戻った獅子民が出てきた。
久方振りの人間体は直ぐに馴染まなかった。しかし初汰とクローキンスを助けるため、獅子民は安置室に戻る。不完全ながらも虎間の気を引くことには成功し、その間にギルがアヴォクラウズ城の真下に盗んだ飛空艇をつけ、初汰たちは遺体処理の為に用意されている大きな穴から飛空艇に飛び乗り、アヴォクラウズを脱出した。
そんな奪還作戦の裏では、スフィーはしっかりと役目を終え、ユーミル村に到着していた。村人の助けを得て薬草を塗り薬へと昇華させ、それをユーニに使うと一日で傷は完治した。しかしリーアの方は外傷ではないので、塗り薬で治すことは出来なかった。
すると困っている二人のもとに薬草づくりの手伝いをしてくれた村娘が現れた。彼女は一冊の本を持っていた。『大陸と魔女と王』と言う本で、その本には時を操る魔女についての記述が多く残されていた。その中に気になる情報もいくつかあり、二人は物知りである曜周のもとへ向かう。
リーアを連れてサスバ村へワープした二人は、曜周から様々な情報を聞くことに成功する。しかしその中には悲しい知らせもあった。それは、リーアと命を共有しなくてはリーアの生い先が短いという事であった。スフィーは塗り薬を半分渡す代わりに曜周に頼み込んだ。だがそんなことをするまでも無く、曜周は快く自らの命を少しだけリーアに共有してくれた。
曜周のお陰でリーアは目覚め、三人は休息を取ってからユーミル村に帰還しようとするのだが、就寝してすぐ、ユーミル村が襲われるという予知夢をリーアが見たことによって、三人はすぐさまサスバ村を発った。
ユーミル村はまだ襲われておらず、安心して眠れると思ったその時、沼地の方で落雷が起きた。スフィーとユーニは様子を伺うべく、リーアを村に残してすぐに沼地へ出発した。
沼地に到着すると、ニッグとドールに襲われているランドルたちを発見する。スフィーとユーニは武器を構え、助太刀に入る。
一方ユーミル村には大型の飛空艇が降り立っていた。それは初汰たちが盗んできた飛空艇で、初汰とリーアは数日振りの再会を果たす。しかしスフィーとユーニが沼地へ出掛けたことを知らせると、彼女たちを追って初汰とクローキンスは休む間もなく沼地へ向かって行ってしまう。獅子民とギルはユーミル村に残り彼らを待つこととなった。
遅れて沼地に到着すると、既に戦闘は佳境であった。スフィーたちが優勢に見え、ニッグを尋問しているところであった。ニッグは時魔法を使う魔女が北の大陸にいる。と言う情報と、そしてもう一つ、スフィーが幻獣十指である。と言い残し、隙を見て逃げて行ってしまう。
ギクシャクしながら村へ帰還した四人はとにかく今日は眠ろうと言うことになり、男たちは飛空艇の仮眠室に集まってリーアのこととスフィーのこととで話し合いをし、男同士の約束を交わし、その日は真昼間に就寝したのであった。




