961 ウチの北海道嫁に今日の出来事を話す
ブラックナイト隊の選定審査が終わったわけだけど、プロトファスマとの死闘、死者の弔い、選定審査と色々ありすぎて皆疲れていたので、気持ちは高ぶっていたけど今日のところは解散することになった。
明日は作戦会議だけして、すぐにでもプロトファスマ討伐を開始するそうだ。
もう街の近くにワラワラいる状態だから、訓練してる余裕など無いのだ。
俺もヴォルフもブラックナイト隊がどう戦うか気になってしょうがないので、もちろん明日も此処に来るつもりだ。
盾をも斬り裂く凶悪すぎる魔物が相手だから、颯爽と現れたSランク冒険者に縋っただけで、タルトの街の冒険者達だって本当は自分達の力で倒したいんだよ。
すなわちここから先は彼らの戦いなので手出しせず見守るつもりだけど、思った以上に街が危険だったら手伝うことになるかな?
とにかく必要以上に目立たず、俺達はサポートに徹しよう。
そしてお持ち帰り予定の美少女三姉妹だが、彼女らもブラックナイト隊が気になってしょうがない状態だからとりあえず今日のところは退散し、タルトの冒険者達の勝ちが見えたらゴマちゃん達に会わせようと思う。
今の状況で街を出るのは薄情だから、安心させてからじゃないとお持ち帰り作戦は失敗するのだ。
というわけで、『また明日来る』と言って俺達は流星城に帰還した。
いつもようにダンジョン班を回収し、食堂に移動してからパメラに声を掛け、ゴマちゃん達のテーブルに連れていく。
「今日ヴォルフと二人でタルトの街に行ってきた」
それを聞いて、北海道組は『タルト?』って首を捻った。
「どこだそれ?」
「ん~、聞いたことあるような」
「しらにゃいにゃ」
「それってプリンパのずっと西にある街の名前じゃない?」
「お、流石はギルドの受付嬢だっただけのことはあるな」
「あ~~~!北海道の話だったのか」
「そうだ!プリンパを出て旅してる時に寄った街だよ!」
「覚えてにゃいにゃ」
パメラとシャイナは気付いたようだけど、ゴマちゃんとニャルルはプリンパ以外興味なかった感じだな。
「でな、俺達も運が悪かったのか、プロトファスマの大群が飛んで来たとこに遊びに行ってしまったようで、そりゃーもう大変な事態でさ」
「プロト?」
「あーーーー!それって危険な魔物じゃないの!」
「知ってるのか。流石はギルドの受付嬢だっただけのことはあるな」
「そんなに危険な魔物なの?」
「鎌みたいな手で盾を真っ二つに斬り裂く凶悪な魔物だ」
「にゃんですとーーーーー!?」
「余裕で死ねるじゃん」
知らないってことはプリンパまでは飛んで来ないのかもな。
黒龍が飛んで来る街だけど。
「んでそのプロトファスマの大群が道を塞いでたから、ヴォルフと二人で撃破しながらタルトに向かったんだが、街の近くで20を超える戦死者が出るほどの激戦になっててさ、とりあえず魔物は蹴散らしてやったが、何とかしてやらんとアレはさすがに可哀そうだと思ってな」
「「エエエエエーーーーーーーーーーーーーーー!?」」
「大変!助けてあげなきゃ!」
「いや、魔物を倒すのに協力してほしくて話したわけじゃない」
「じゃあどういうことなんだ?」
「フルフェイスまで装着するタイプのフルアーマーを10セット強化してギルドに贈与してきたから、魔物の方はたぶん何とかなる」
「おおおおお!最強フルアーマーにゃ!」
「じゃあもう解決したってこと?」
男性陣のテーブルを見ると、ヴォルフに左腕が生えたことでヒューリックやボヤッキー達と大騒ぎしているとこだった。
ヴォルフも笑顔で左手を動かしてみせたりしてるから、こっちの会話が聞かれることは無いだろう。
「えーとな、冒険者達が大苦戦してるとこに俺とヴォルフが颯爽と現れてプロトファスマの大群を蹴散らし、部位欠損した冒険者達を何人も救ったんで、言わばヒーローなわけよ」
「「ほほう!」」
「そしてここが重要なんだが、獣人三姉妹の末っ子をヴォルフが助けたことで、どうやら三人ともヴォルフに惚れてしまったみたいなんだ」
「「おおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!」」
「わかるかも!」
「そんなの惚れるに決まってんじゃん!」
「面白くにゃってきたにゃ!」
「その登場は格好良すぎるわね。獣人女性ならみんな惚れちゃうわよ!」
「だろ!?しかもヴォルフは独身だ。こんなんもう三人とも嫁にするしかないと思わんか?」
「「うん!!」」
ウチの嫁達はこういう恋愛話が大好きなのだ。
絶対ノリノリになると思ってた。
「俺から見てもその三姉妹は美女揃いだった。しかしヴォルフがその気にならなきゃ話が進まんから、上司パワーで強引にヴォルフ直属の部下として流星城に連れて来ようと思ってるわけですよ」
「あーっはっはっはっはっはっは!」
「ちなみにプリンパの冒険者三人と受付嬢を俺の部下として京の都に連れて来たことも話したし、嫁になったことも話してある」
「へ~、そこまで話したんだ」
「でだな、その四人と会ってみたくないか聞いたら会いたいって言ってたから、近いうちに一度連れて来るつもりだ。それでこうして集まってもらったんだ」
「にゃるほど!」
「理解したわ。すなわち私達は今の幸せと生活の楽しさを伝えて、三姉妹にこの城で暮らしたいって思わせればいいのね?」
「俺の作戦が分かったか。流石はギルドの受付嬢だっただけのことはあるな」
「受付嬢関係ないから!!」
「アハハハハハ!さっきからそればっかり言ってるし!」
まあそういうわけで、北海道組の幸せ嫁パワーで美少女三姉妹を勧誘してもらうことになった。
ヴォルフよ、お前の独身生活はもう死んでいる!




