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赤い流星 ―――ガチャを回したら最強の服が出た。でも永久にコスプレ生活って、地獄か!!  作者: ほむらさん


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60 行き倒れ


 ―――――三河の国・清光視点―――――



「で、尾張の情勢はどうだった?」


「二つ目の街を奪取したにゃ!あと鉱山も落としたらしいにゃ」

「ほう。いい調子じゃないか」

「あと、ミスフィート軍の兵士が全員、あの赤い流星が持ってた武器を使ってたにゃ」

「全員が刀をだと?なるほど・・・、もう尾張は手にしたも同然だな」

「あの武器って、そんにゃに凄いにゃ?」

「普通の刀ならばそこまでじゃないが、小烏丸が打った刀ならば話は別だ。まあ、小烏丸が味方についた時点でミスフィート軍の勝利は確定したようなもんだ」

「ほえ~~~」


 しかし兵士全員が強化武器を所持かよ。

 付与魔法使いって、1番ヤバイ存在なんじゃねえのか?


「全員が刀を持っているとなると、下手に手を出したら恐ろしい反撃をくらうことになるだろうな。例えばの話だが、今の三河とミスフィート軍が戦争になった場合、負けはしないと思うが戦力をズタズタにされるのは確実だ。下手すりゃ俺かコテツのどちらかが死ぬ。まあそんな事にならんようにはするが」

「早く同盟を組むにゃ!」

「ハハッ!まあそれは、ミスフィートが尾張を掌握してからだな」



 小烏丸が聡明で話の分かる奴なのが安心材料か。


 もっとも、性格が気にくわん奴だったら、ダンジョンに連れて行ってないがな。

 あの一途で真っ直ぐな男が、俺達を裏切るなんてことはあるまい。

 初っ端にデカい貸しを作っといたのは、間違いなく今後に生きるだろう。






 ************************************************************




 ―――――鉱山を手中に収め、街へ帰還中の小烏丸―――――




 鉱山に溜め込んであった鉱石や、精錬された鉄などは全て回収した。

 それ以外にも使える物は回収しようと思ったが、鉱山は手放すワケじゃないので、食料以外はそのまま放置して街へ帰還することにした。あと証拠隠滅の為、死体は全て鉱山の隅っこに埋めた。

 鉱石を全て回収した以上、鉱山に人員を残す必要も無いので全員で帰還だ。



「ルーサイアの街はミスフィート軍が完全に掌握したから、今は平和だぞ」

「あの恐ろしい武器に敵は驚愕したじゃろな!ワシも参加したかったわい!」

「ハハハッ!じゃあ次の戦にでも大暴れしてくれ!」


「コガラスマルさん!前方に女の人が倒れています!」


「なにッ!?」



 ダッシュで駆け付けると、金髪の女がうつ伏せに倒れていた。



「おい!大丈夫か!?」


 女を抱き起すと、体温を感じたので死んではいないようだ。

 見た所、斬られたとかそういう感じではない。


「う、うう・・・」


 目を覚ましたようだ。


「え!?ヒ、ヒィィィーーー!いや、た、助けて!」

「待て、落ち着け!君がここに倒れていたから、助け起こしただけだ」

「え?ボクが倒れて?・・・はっ!ララを迎えに行かなきゃ!」


 女は立ち上がったが、ふらりとよろめいてしゃがみ込んだ。


「カハッ、ハアッハアッ」


「どこか悪いのか?」

「ハアッ、いえ、もうずっと何も食べていないので、力が・・・」


 リュックを開けて、中から箱を取り出す。


「ほら、これでも食え」


 さっきみんなで食ったドラゴンステーキだ。俺は重大な弁舌があったので食事どころじゃなく、後でこっそり食おうと取っといたのだ。まさかこんな所で役に立つとはな・・・。


 それと、コップに聖水を注いで彼女に渡す。


「で、でも!」

「遠慮するな。人の好意は素直に受け取っておくもんだ」

「あ、ありがとう」


 彼女は慌てて肉を食べ出した。

 それにしても綺麗な人だな。金髪で透き通るような白い肌、・・・あれ?耳が尖ってないか?彼女はひょっとして、エルフなのでは!?


「ふあああ~、すごく美味しい!こんな美味しいお肉を食べたのは初めて!」

「そいつは良かった。まあドラゴンの肉だからな。そりゃ美味かろう」

「ド、ドラゴン!?え?これ、ドラゴンなの!?」

「そう簡単に食えるような肉じゃないからな。よく味わって食うといい」


 それを聞いた彼女はゆっくりと味わいながら肉を食べ終えた。

 そして一息ついてからコップの水を飲み干す。



「・・・え?」



 彼女は立ち上がり、歩いたりジャンプしたりしている。



「痛くない・・・。さっきまですごく足が痛かったのに!え?なんで!?」


「それは今飲んだ水が聖水だからだよ。貴重な聖水だけど、見ていて辛そうだったからサービスだ」

「聖水??いや、そんな、見ず知らずのボクなんかのために・・・。本当にありがとうございました!」


「ところでさっき、ララを迎えに行くとかなんとか言っていたよな?」

「そうだ!ララを迎えに行かなきゃ!」


「ちょっと待った!あー、ココで少しだけ待っていてくれ」

「え?あ、はい」


 鉱山組をぞろぞろ引き連れて行くワケにもいかんから、少しの間この場所で待っててもらおう。


「おーい!ドワンゴさん!野暮用が出来てしまったんで、少しだけココで待っててくれないか?」

「しょうがないのう。行って来るといい」

「ありがとう。出来るだけ早く戻る!」


「さあ、急いでララの元へ行こう。俺が護衛してやる」

「え、あ、いいのですか?」

「さあ急いで!」

「は、はい!!」



 焦る彼女を追いかけて行くと、10分ほど走った先の木の上に、小さなエルフの幼女がいた。



「いた!ララーーーー!」


「うわーーーーん!!おねえちゃーーーーーん!!」

「ララ、放っといてごめんね」


 良かった。なんとか無事だったようだ。


「ララ、といったな?お腹は空いてないか?」

「すいたー」


 リュックを開けて、中から箱を取り出す。


「ほら、こいつを食べるといい」


 さっきみんなで食ったカニの足だ。俺は重大な弁舌があったので(以下略)


 ナイフで食べやすいように切ってから、ララに手渡した。



「うわぁ~~~~!おいしい!!」

「良かったね!ララ」


 うんうん。カニを美味しそうに食べる幼女は、見ていてほっこりしますなあ。

 喉も乾いてるだろうと、コップに聖水を注いでララに渡した。


 ちょっと聖水の無駄遣いが過ぎるような気がしないでもないが、この場合しょうがないやん?可愛らしいエルフの幼女を放ってなどおけん!


 幼女が食べ終わるのを見計らって、女性に話しかけた。



「で、一体何があった?」


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