日常なのか……?
「っ、その顔、ずるいわよっ。分かった、でも今回だけだからね。」
「さすが、セリナ。」
「その代わり、あとで私に何か良い新しい魔法を教えなさいよ?」
「分かった分かった〜、私のやる気が起きたらね〜。」
するとセリナは杖を持って私に向けてきた。
「昨日レイヤに教わった破壊魔法で殺してほしいの?」
「あの魔法って一応、物の解体に使うはずなんだけどなぁ……。いつの間にあれで人殺しができるレベルまで育ってたのか……。」
「当たり前でしょ、私は覚えが早いんだから。」
「まぁ、とりあえず教えてはあげるから早くこの階段直して〜?」
「もう……、仕方ないわね。」
そう言ってセリナは杖を振った。すると近くに落ちてた破片がどんどん修復して、やがて元に戻った。最初からこれを使えと言いたいところだった。
「最初からこれ使えよ……。」
つい、言葉にしてしまった。
「そもそも階段壊す方が悪いのよ。」
ど正論だった。
「ほら、そんなことより、早く新しい魔法を教えなさいよ。」
「もう、せっかちな弟子だなぁ……。でもまぁ、久しぶりにやるか。」
「決まりね、ほら行くわよ。」
そして私たちは森の中に入った。
「今日は何の魔法教えようかな〜。光も闇もいいし、代償魔法や治癒魔法も、あるいはそっち系の魔法も……、ぐへへっ……。」
その瞬間セリナの蹴りが飛んできた。
「ぐはっ!? 師匠を蹴るなんてどう言うことだ〜! そんな子に育てた覚えはありませんっ!」
「あら、足が勝手に滑っちゃった。最近の病気は怖いわね。さて、続き続きっと。」
「無視するな〜! まったく、どこの誰に似たんだこのバカ弟子は。」
「すぐに階段をぶっ壊す師匠に言われたくないわよ。」
「……てへっ。」
「やっぱり躾が必要なのかしら?」
「そ、そんな事より、ほら、今日は治癒魔法だよ。こうやって右手でも左手でもどっちでもいいけど傷がついてる部分にそっと手を当てるの、それで魔力を流し込む感じに近いよ。やってみよ。」
そして私は自分の右手首ごと切り落とした。
「ほい。カモーン。」
セリナの顔が真っ青だった。手首を切り落としたくらいで真っ青なのかと思ってしまった。
「ちょっ、何してるの!? 包帯、いや、止血から……、あ、でも……。」
「治癒魔法使えば一瞬だよ?」
「でも使った事ないしっ……。」
「まぁ、やってみて。」
「分かったわよ。」
セリナは私の右手首にそっと手を当てた、私の血の感触がセリナの顔を歪ませた。
「気持ち悪いっ……、だめっ、おぇっ……。」
セリナは吐いた、いや吐いてしまった。
「セリナっ。」
そっと私は背中を摩ってあげた。
「っ、レイヤ私の背中摩ってるつもりだと思うけど右手だから摩れてないわよ!」
「あ、本当だ。まぁ、このくらいなら。」
私は自分の右手首に左手を当てた血がベットリと付いたが気にせず治癒魔法を使った。すると不思議な事に私の右手首から先が復活した。
「は……? やっぱりいつ見ても気持ち悪いわね。だめ、また吐きそう。」
セリナはその日何回も吐いてしまった。もう胃の中には何も残っていないけど。
「ごめん、やり過ぎた。次はもう少し考えるね。」
「頼むわよ、本当にバカな師匠なんだから……。」




