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魔王と我

本日二話投稿しているので閲覧には気を付けてください。



「アーシェナ、アーシェナ!!」

 ハネムーンから帰宅してから、より一層ヴァーリスは我の事をいとおしそうに見るようになった。うむ、こそばゆい気持ちになるが、我としてみれば嬉しいのでよしとする。

 ハネムーンから帰宅してから沢山の仕事が山積みになっていたようだが、「ふははは、アーシェナと結ばれた俺にはこれくらい余裕」とか変な高笑いしながらやっていた。

 ヴァーリスの側近たちは、我がヴァーリスへの愛を自覚した事を本当に喜んでいた。もし仮に我がヴァーリスへの愛を自覚せずに他の雄への愛を自覚して離婚騒動とかになったらと心配していたらしい……。まぁ、でも確かに我、ヴァーリスの事を愛しているなんて気持ちではなく、他の雄を愛しているなどという気持ちを自覚した場合はヴァーリスにははっきり告げてこの城を去ったと思うのだ。

 というより、そうするのがヴァーリスのためでもあると思うし。

 そのことをはっきり言ったら、「アーシェナ様が魔王様を愛してくれてよかった」となんか安堵していた。ヴァーリス我の前では常ににこにこしていて穏やかだけど、流石魔王というだけあって怒るとすごく怖いらしい。

 我が去ったら多分、過去最大に荒れただろうと心配されていたそうな。

 我は魔族たちと、ハネムーンからかえってからより一層親しくするように心掛けていた。というか、我のヴァーリスを慕っている魔族たちとは仲良くしたいし、我はヴァーリスの奥さんとして頑張る事を決めたのだから。

「アーシェナ様、最近頑張ってますね」

「うむ、それは当然である」

 正直、竜族の中では番のために頑張るのは当然の行為である。我はヴァーリスへの愛を自覚した。自覚したからには、ヴァーリスのために一心に頑張るのは当然だ。

 魔王城に努める魔族たちは、我とヴァーリスが結ばれたのを本当に嬉しそうに見ている。ヴァーリスの事を慕っていて、ヴァーリスが幸せな事を自分の事のように嬉しそうにしている。うむ、我のヴァーリスは慕われていて流石である。

 そんなこんな考えていたら、ヴァーリスがやってきた。

「アーシェナ!」

 いつも、ヴァーリスは我の事を呼ぶ時、本当に嬉しそうな顔をする。我にだけ向けられる笑み。我の事をいとおしいと告げている笑み。その笑みを見るのが好きだと思う。

「ヴァーリス」

 我が名を呼べば、また笑みを深くする。我の言動で、ヴァーリスはこれだけ幸せそうな笑みを浮かべるのだ。

「あのね、アーシェナ、今度さ、何処デートしたい?」

「うーむ、我はいったことのない街の方が多いからの。どこでもきっと楽しい」

 我は人形で街を見に行った事はヴァーリスと出会うまで全然なかった。そんな我をヴァーリスは色々な所に連れて行ってくれようとしてくれている。

「……それに、ヴァーリスと共にならきっと我は何処でももっと楽しい」

「あああ、可愛い!」

 何処でもきっと楽しくて、それに加えてヴァーリスと共に行けるのならばより一層楽しい。その気持ちを口にしたらヴァーリスはまた我を抱きしめた。

「あと、あの作ったお揃いの武器、もっと使いこなせるように我はなりたいからそれも付き合ってほしい」

「もちろんだよ!!」

 ヴァーリスと思いがきちんと結ばれてから、お揃いの武器を取りに行った。我とヴァーリスのお揃いと思うと、本当にその記念の品が嬉しかった。

 お揃いの武器で、共に何かをするのも楽しいし、何だかもっと我とヴァーリスのお揃いを増やしていければきっと我はもっと心が幸せな気持ちになる気がする。

「のぉ、ヴァーリス」

 我を抱きしめてにこにこしているヴァーリスに我はいう。

「我を、番に選んでくれて感謝する。おかげで我は幸せだ」

 改めて思った幸福を口にする。我を番にヴァーリスが選んだからこそ、幸せな気持ちに我は包まれている。

 我の言葉にヴァーリスはまた我の好きな笑みで笑った。



 我は、アーシェナ。竜族最強と謳われている竜族。

 我は番である魔王の側にこれからもずっと居続ける。

 ―――我は、魔王を愛しているから。




 



 

というわけでこれで終わりです。

人外同士の恋愛とか結構好きなので、元々書いた短編の続きを書いてみましたがどうでしたでしょうか?

個人的にドラゴンって好きなんですよね。そんなわけで短編で番にはなったものの割と流されていて気持ちの自覚とかしていなかったアーシェナが自覚して、幸せを感じるまででした。

読んでくださっている読者様が何かしら感じていただければ幸いです。



2018年10月24日 池中 織奈



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