表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻獣チルドレン  作者: 葵尉
最終章 世界の真実編
165/171

旅へ②

旅へ②



 「ドドさん。聞こえていますよね。ドドさん」


 「###、###?」


 (言った! 今、僕の名前を、エイドってドドさんが言った!)


 「ドドさんごめんなさい。僕はドドさんのことを見殺しにしました」


 ────エイドの声がする。

 ここはどこだ? 俺はどうなった?

 

 意識はある。でも何も見えねえ。真っ暗だ。俺は死んだ?


 だが、エイドの声が聞こえるってことは──。


 〝この世界について教えて下さい!〟


 これは昔のエイドか。懐かしいな。


 あの時のお前はまだ純粋な、その辺の公園にいるような普通の子供だった。


 なのにお前は血を見過ぎた。

 アースに適合した時にお前は、子供から兵士に変わってしまった。


 いや、変えられてしまった。


 すまなかったエイド。

 俺は最初からお前が創られた人間だと知っていたんだ。

 

 そん時はただ荷物を受け取る気持ちで、お前が創られる予定の場所へ向かった。


 異常気象の正体も知っていたんだ。

 あれはパンが力を使った証拠。


 ダクとの無線の会話から何から何まで全てウソだ。


 もしも誰かに見られてた場合の演技だったんだ。


 だってお前がこんなにも──普通の子供だと思わないだろう。


 お前を見つけた時に、見つからなかったって組織にウソを言えば良かったな。


 でも隠すこともできね。だから仕方なかったんだ。


 本当にごめんなエイド。エイド・レリフ。


 ──そういえば、そう名付けたのは俺だったな。


 結局言えなかったが名前の意味はなんだったかな。

 

 ・・・スマン。本当に忘れた。でも確か──


 「優しい」「守る」「勇気」「救世主」とか、その辺の言葉の意味を込めた気がする。


 最初は期待していなかったけどよお前、本当にその通りになりそうだな。


 後は世界を救うだけだ。


 でもお前は〝だけって、そんな簡単に言わないでくださいよ!〟って怒りそうだな。


 まあまあ、俺が手伝ってやるから、後は頼んだぞ──エイド・レリフ。


 (──ダメだ。ドドさんは僕の名前は呼んでくれたけれどちっとも反応がない。もっと僕が飴を舐めないとドドさんとは会話が出来ないのか?)


 「ドドさん。お願いです。聞こえていたら返事をしてください!」


 「エイド愛してる(####)


 「えっ?今なんて言ったんですか」


 ドドさんはさっきよりもハッキリと僕の名を呼んだ。


 でもその後は口を動かしていただけ。

 何を言ったのか、言おうとしたのか分からない。


 彼はいきなりマダー・ステダリーの方へと方向転換。


 僕でも追いつけないほどの速さで走り出した。


 走るというより空中を滑っているみたい。


 「ドドさん!」


 最初は何をするつもりか分からなかった。

 だから慌てて止めようとはしなかった。


 だけど、途中で僕が捨てた刀を拾っていた時に全てを察した。


 「カインさん逃げて! ドドさんに狙われてる!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ