旅へ③
旅へ③
「カインさん逃げて! ドドさんに狙われてる!」
ドドさんはカインさんを拾った刀で刺す気だ!
でも彼ならギリギリ避けられるか?
いや、盾で受け止める?
けどそうしたらガラ空きの背中からステダリーにやられるかもしれない!
「っち! やっぱもうドドさんじゃないのかよ!」
「言ったでしょう?あれはもう私のドミーなんですよ」
普段のカインさんなら何かしら回避行動が出来た。
だけどショックで動けなかったんだと思う。
あろうことか彼は、自分に刀を向けて迫るドドさんを待っていた。
僕はカインさんまで見殺しに──いや、ドドさんはカインさんを通過した。
彼が手に持っていた刀はマダー・ステダリーへ向けられていた。
「は、は、は?なぜだドド。お前はドミーなのになぜ命令に従わないっ!」
ドドさんは刀の先を向けたまま突っ込んだ。
果実が踏み潰される音と共に、マダー・ステダリーは口から血を噴いた。
「よう、ハカセ。ジゴクにいったらよ、また一緒に、旅をしようぜ」
「フハハっ、はぁ、まったく君は──人を見る目がありませんねえ」
マダー・ステダリーはドドさんに押されたまま背中から倒れた。
奴は倒れた後も血を口から噴き続けていた。
赤い噴水はすぐに止まり2人は動かなくなった。
「ドドさんのポルムアイが消えた?」
ドドさんの額に出ていた紫色の瞳のような模様は消えて、気持ちが良さそうな顔をしていた。
「きっとマダー・ステダリーが死んだからポルムが消えたんだ」
「じゃあ世界中のドミーは元に戻るんですかね!?」
その時、ニアースさんの「そっち行ったわよ!」の声で、倒すべきもう1人を思い出した。
ニアースさんなんてひどい声だ。ガラガラじゃないか。
「マダー・ステダリー マケテシマッタカ」
パンは真っ赤に染まった男の頭を鷲掴みにして持ち上げた。
パンが奴をどうするのかを見ていたが、ニアースさんは全身を震わせていた。
「・・・ドドさん」
ドドさんの死体から彼女は全てを理解したようだった。
パンと戦っていた2人の服には土がつきところどころ破れていた。ボロボロだ。
アースはまだ発動されているが僕らよりも体が人間に近づいている。
「あの博士も死んじまったのかよ」
コペルトさんも残念そうにそう言ったが、自分が止めを刺せなかったことへの悔しさをその顔から感じた。
「ニアースさん」
「まだ、何も言わないで。まだ、終わっていないから」
泣きたいはずの彼女はまだ銃を握っている。
早くこの戦いを終わらせなければいけない。僕は心が熱くなった。
特にコペルトさんはやる気に満ちていた。
「おいパン。置いていかれたお前はどうする?なんなら俺が地獄についたばかりのあいつに会わせてやっても良いぜ」
「ソレハ オマエタチダ ニンゲン」
「コペルトさん。あいつがいると第二のマダー・ステダリーが出るかもしれません。だから」
「もちろんだ。限界まで戦うぞ」
「ウケテタトウ ダガ セカイヲ カエルノガ サキダ」
パンはその場にあった2人を中に浮かせた。
何かに捧げるようなそんな感じがした。
「や! やめろ!」
「パン・リニヌ」
パンはそれを消した。
浮いていたはずの2人の体を消してしまった。
すると空がインクが広がるように真っ赤になり、誰かの能力じゃないかと疑うほどの強風が吹き始めた。




