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幻獣チルドレン  作者: 葵尉
第3章 楽園の終わり編
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ニューポルム④

ニューポルム④



 「聞いてくださいウインさん」


 「聞くよ」


 ウインはあぐらをかき腕を組んだ。


 彼ならこの岩の個室を壊し、外に出ることも出来たであろう。


 それでもニアースの話を聞くということは、彼は意外と冷静でいたのかもしれない。


 「今は一度撤退すべきです」


 「でもバモンはどうする!」


 「バモン教官は狙われていません! 人質のようなものです!」


 「じゃあバモンはあのライオンに殺されないのか?」


 「それは、相手がドミーなので分かりません」


 「なら撤退はしない!」


 「ウインさんはバモン教官が、ライオンのドミー5体程度に負けると思いますか?」


 「……まさか。怪我をしていてもありえないよ」


 「だから私たちは出来るだけあの人型の生物を引きつけながら草原に行きます。その後は──」


 外で何かが破裂するような音がした直後、岩の壁を突き破り2人の少年が突っ込んできた。


 ウインはカインを、ニアースはエイドを受け止めた。


 「悪いニアース……1分持たなかった」


 派手に吹っ飛ばされてきた2人だったが出血はなく擦り傷程度。


 だがもしも彼らが幻獣の力(アース)を使っていなかったらこれだけで済まなかっただろう。


 案外軽傷だったことを知った彼女は「帰ったら覚えておきなさいよ2人とも!」と言って少年たちを優しく起こした。


 「今だ! 奴を翠鳥の巣(ケツアルルーム)で拘束した。草原に行くぞ!」


 見ると人型の手足に計4本の竜巻が発生していた。


 しかし今度は手の平サイズではなくその人型と同じくらいの規模。


 これが重しとなり人型はその場から動くことが出来なかった。


 手足を切断しようと体を左右に動かす様子を見せていたが、手足の4箇所が拘束さている体は自分の力では動かせない。


 「全員飴を1つ舐めて!」


 飴を口に含んだ後、ウインが反対側の岩の壁を殴って簡単に穴を開ける。


 少年たちはバモンを残し草原へと向かった。


 (飴は2つ目を使った。残りは1つ。バモン教官が来るまでアースが持ってくれるかどうか……)

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