第13わん 凛姉、襲来!
リリーさんのターンとかいいながら凛姉のターンでした。
「正解じゃ」
眼前に立つ美少女が、楽しそうに言い放つと同時に、その頭部からは毛先が白い犬耳が、お尻の部分からは黒いスレンダーな見慣れた尻尾が「ポンッ」という軽い音ともに出現した。
腰まで届く艶のある黒髪。瞳はサファイアの様な美しい青。顔の造りは外国の女優が裸足で逃げ出す程の美貌。身長は150cm程と小柄だが胸がとても大きい。白浜姉妹の次女の麗奈も大きいのだが、それを凌駕する迫力の魅惑の果実っぷりで、白い清楚なワンピースを下からはち切れんばかりに押し上げて自己主張している。すらりとした肢体はこんがりと日に焼けておりエキゾチックな雰囲気を醸し出している。
僕と精霊二人組がそれぞれに、美少女の正体が愛犬だった事実と上位神が目の前にいるという衝撃を受けて固まってしている中。
そんな場の空気は関係いと、我慢の限界を超えた凛姉が光の速さで動いていた。
「リッリィーさーん!こんなに可愛いなんていけない子ね!いけない子ね!もうお姉さんに全てを委ねなさい。揉ませなさい。頬ずりさせなさい。モフらせなさーい」
「なっ!ちょっ!待つのじゃ姉様。少し落ち着く・・・降ろすのじゃ!既に揉んで・・・ってあぁ〜〜〜・・・・・」
一瞬で間合いを詰めて、その細腕のどこにそんな力が的に、軽々とリリーさんを肩に担いで全速力でリビングの方へと消えていった凛姉とリリーさんを僕達は見送った。
リリーさんの叫びがフェードアウトした頃にようやく思考が追いつくと、
「あの〜・・・主様」
「なんだい宥月?」
「先程主様のおっしゃっていた警告の意味がよくわかったのですが・・・」
「ですが?」
「僕たちは人より五感の能力が高いの。だからリビングから言葉にするのに躊躇いを覚える類いの悲鳴が耳に聞こえてくるの。助けに行かないとまずいんじゃないかと進言しますなの」
「そっかぁ。耳がいいんだねぇ・・・ってあかんやん!リリーさんがいろんな意味で危険ですたい!」
なるほどとか思ってる場合ではありませんでした。僕達は慌ててリビングへと戻り、ドアを開け放つ。
そこで見た光景は・・・
「はぁ・・・はぁ・・・あうぅ〜」
ソファで肩紐がズレた状態で犬耳をペタンと頭に伏せて尻尾だけでなく身体ごと丸まって小さくなり、涙目で震えているリリーさんと、
「ふぅ〜。ごちそうさまでした」
すごいスッキリした顔で、ツヤピカーとしている凛姉の姿があった。
・・・・・・事後だな。
「リリーさん大丈夫・・・ではないな」
僕はソファの前まで移動すると、服装が乱れ、軽く目のやり場に困るリリーさんに赤面しつつしゃがんで声をかけた。
ガバッと顔を上げたリリーさんは、無言で僕の肩を掴むと僕をくるっと一回転させて背中にひしっとしがみついた。そのまま僕の肩越しから凛姉へと顔を向けて一言。
「うぅ・・・旦那にもあんなに激しくされた事ないのに。姉様は鬼なのじゃ」
凛姉・・・神様相手に一体何したんですかあーた。と、遠い目になる僕。
ちなみにアトラスは今は亡きリリーさんの旦那さんのシベリアン・ハスキーの事である。
しかし、そう考えるとリリーさん子供も産んでるけどあの子達も神様になったりするのか?というかリリーさんは神様で未亡人?なんだこのとんでもカテゴリ。
いろいろと聞く事が増えた気がするが、とりあえず一旦落ち着くまでそのままの体勢で我慢する僕であった。
話しが短いですが今までのも含めて繋いだりとボチボチ編集する予定です。
リリーさんの人型の見た目を美女から美少女へ変更。前話と違ってますがそちらも修正予定です。
次回は週末あげ予定です。お読みいただきありがとうございます。