8話 てつだいです。
「・・・という訳で、手伝ってほしいんだけど。」
「え? 何が『という訳で』なんだよ。全然分かんないんだが? せめて前置きぐらいして欲しいぞ。」
私はグリムゾンに肘をつきながら勇者を見下ろす。
あ、名前は『フォルト』らしい。さっき聞いた。
「だから~。 何か『歪み』がヤバイから何とかするの手伝ってって言ってんの~。」
「・・・待て待て。 話が飛びすぎだ! 結構説明要りそうな話なのに一行で終わっちゃっていいのかよ!? てか口調砕けすぎだろ! 一昨日、真剣に戦った相手に緩い過ぎだっ!! もっとこう・・・なぁ!? ピリピリした空気が普通だろ! なんでこんなゆるっゆるなんだ!?」
フォルトが耐え切れないといった様子で叫ぶ。
うるさいな~。 敵だったからいいんじゃないか~、ゆるっゆるは・・・。
『・・・そういう事は口に出して伝えないと伝わらないぞ・・・。』
おお。名言。
『おいおい・・・。』
「分かってるよ。」
「? ・・・何がだ?」
『そっちを口に出してどーする・・・。』
間違った。
「・・・コホン。 まあ・・・ユウ、説明任せた。」
「・・・はい。」
『結局ぶん投げかよ!』
私にしか聞こえないグリムゾンの声が頭の中で響き渡った。
* * *
「・・・理解した。 まさかそんな大変な事になっているとは・・・。」
ユウから今の魔大陸の状況を聞いたフォルトは眉を寄せ、事の深刻さについて考え込む。
「そういうこと。 で、貴方には手伝って欲しいの。」
「・・・まあ、お前にはある事を教えてもらったし、泊まらせてもらってるし・・・。
僕に出来ることなら・・・。」
「・・・口調と一人称が合ってないから、『俺』にしない?」
「・・・うっさい。」
気になってた事を言ってけど、切り捨てられた。
酷いな~。
でも、私は諦めない!
『・・・何で・・・そこまで拘るんだ・・・』
グリムゾンの溜息と吐血の様な音が聞こえた様な気がしたが・・・うん。気のせいだ。
「まぁ、手伝いって言っても簡単な事だよ。ただ、私を守ってくれたらいいの。」
「・・・? 守る?」
フォルトが不思議そうに首を捻る。
何故守るのか、何から守るのかが気になるのだろう。
「んっとね~。 多分、私は動けなくなると思うんだよね。 んで、『歪み』に取り付かれた魔獣達が私を襲いにくると思うんだよね~。」
行き成りそんな事を言われたフォルトが「はぁ!?」みたいな驚愕の表情になる。
ついでに、同じく今知って驚いているユウも。
「フェ、フェノ様? ど、どういう意味ですか?」
「そのまんまだよ~ユウ。 勿論ユウだけじゃなくて、皆にも手伝ってもらうけど。」
「・・・?」
私は静かに息を吐き、囁くようにハッキリ言う。
「これから私は『歪み』を消すから。」




