表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/41

チームバトル④

もしかしたら次の更新が遅くなるかもしれません、申し訳ないです。

「ハァッッッ!!」


 声を上げ自分を高ぶらせるようにしながらリドリーは目の前のふざけたゴーレムと対峙していた。

迫り来るゴーレムの攻撃をすべてかわし距離を取るようにここから離れている。

術者であるプレイヤーからあまり離れてゴーレムは行動できない。

そのため、ある程度は混戦を防ぐためにもここから離れたかった。

しかし、あまり離れすぎてしまうとゴーレムがアーシェスの方へ向かってしまう可能性もある。

だから、ギリギリを見極めるように、あまり離れすぎないようにしながら少しずつ戦いの場を変えようとしていた。

可能であれば隙を見て術者である召喚師を倒したい所が、さきほどの場所から動いておらず、こちらの様子を伺っているようだ。


 地面に巨大な影が落ちる。2体目のゴーレムが背後から飛び掛るように落ちてきていた。

リドリーは地面に手を付き、スキルを発動する。


「アースシールド」


1m程の分厚い岩盤が地面より出現し、背後のゴーレムの下からまるで打ち上げるようにゴーレムの身体を浮かせた。

その僅かな一瞬でリドリーはトップスピードまで一気に加速し、土煙に乗じて前方から突進してくるゴーレムの前から離脱した。

 急に目標を失ったゴーレムはその勢いを止める事が出来ず、アースシールドによって身動きを止められていたゴーレムと激突する形となった。

そしてその隙を見逃すほどリドリーも甘くは無い。


 そのまま接近し、ゴーレムの首を斬り付けた。

振るった剣の軌跡に合わせ深い傷がゴーレムに与えられる。

あと数回、攻撃すれば1体目は倒せると確信した所でゴーレムの身体が膨張した。


「チィッ! ダークネスマテリアルッ!」


 突然のゴーレムの自爆により数メートルほど吹き飛ばされるリドリー。

辛うじて防御スキルを使ったため大きなダメージは追わなかったが、

行き成り爆発した事にリドリーは混乱を隠せなかった。


(まさか自爆タイプのゴーレム? ゴーレム使いって普段ソロバトルに来ないから情報が少ないのよね)


 どのスキルにどの程度のスキル領域を取られているかが予想できれば対策も立てやすいのだが、

今回のように情報が少ないと判断できる材料があまりなく、バトルが一気に不利になる事が多いのだ。

すぐに防御したことも幸いしダメージは少ない。すぐにアーシェスの方へ援護に向かわないといけないと考え前方を見るとリドリーの表情が凍った。


「鳥、そっちの状況教えてくれない?」

『鳥っていうんじゃねぇ。白衣野郎を2回落としたところだ、だがアーシェスがちっとやばいな』


 この通信用スキルはアーシェスの知り合いが作った遠距離通話用のスキルだ。ファンタジーのように頭の中で話すのではなく、リドリーやアーシェスの装備からトリエスティの声が出ているという状態だ。とにかくスキル領域を1に落とすために最低限の仕様にしているので聞き耳を立てられると相手にも聞こえるデメリットがあるが、これのお陰でトリエスティが完全に遠距離攻撃に徹していてもこちらと連携を取る事が出来る。


「そ、でもアーシェスなら何とかするでしょ。それよりその白衣野郎について何か情報ない?」

『あ? そりゃどういう……。なんだありゃっ!』


 私の方へ向かってきている3体目のゴーレム。しかしこのゴーレムは先ほどまで戦っていたゴーレムと明らかに違っていた。

フォルムは同じ謎の動物。しかし、走るたびにゴーレムの身体の曲線が太陽の光を反射し鈍く光っている。

反射する光は独特な綺麗な青色で光っており、一見水晶のようにも見える()()()()で出来ていた。

そしてその上に先ほどまで白衣を着たプレイヤーが座っている。


「――()()()()()()()()()()なんて始めてみたわ」


 恐らくこれはゴーレム使いのスキルだけではない、間違いなくあの白衣の女の仕業だ。

先ほどまで土の塊でしかなかったゴーレムを行き成りミスリルに変えたなんていったいどんなスキルなのか。


『……そうか! 分かったぞリドリーッ! あの白衣野郎は一点特化型だっ!』

「ちょっと、どういうことなの? 分かるように説明して!」

『いいか、あいつはアーシェスの鎧を拳で粉々に砕いているんだ』

「はあ? そんなに強いの!?」

『いや違う! その前に何かスキルを使っているのを確認している、恐らくだが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「――うそでしょ?」

『そう考えると辻褄があうんだ、俺が知る限りミスリルのゴーレムなんてみた事が一度もない。

そして材質を変化させるなんてスキルは強すぎて普通は申請が通らない。

俺はスキルも自分で作ってるからわかるんだ。あの女のスキルは間違いなく一点特化型だ。

スキル領域20を振るに使いつつ他にも代償があると思う、そこまでしないとあそこまで強力なスキルは作れない!』

「考察は後ね……鳥っ! 援護ッ!」


 そうリドリーの言葉を消すようにもう目の前まで迫ったミスリルのゴーレムは攻撃を行ってきた。

すぐにそれを交わし、目の前にある足に斬り付ける。

堅い金属と金属がぶつかる音を奏で火花が散った。

(これは堅過ぎる、ダメージを与えられないっ!)

 

 すぐに距離を取るリドリーを追うようにゴーレムは接近したが、それを邪魔するように雨のような炎の攻撃をゴーレムに襲い掛かった。


「うおっと危ない、危ない! あんまり死ぬと怒られちまうからな!」


 そう笑いながら叫ぶ白衣の女はゴーレムから飛び降り後退していった。

それをトリエスティの矢が追撃を行っているが、あの白衣の近くに矢が接近すると青い膜のような物が展開し攻撃を阻んでいる。


『くそ、あの防御はスキルを使わないと突破出来ないかっ!』

「鳥はあの女とこっちに近づけさせないでっ! 私はゴーレムをやるわ」

『大丈夫かっ?』

「奥の手を使ってみるから任せなさいっ!」




「堕罪」


 スキルを発動するとリドリーの漆黒の剣に赤い血液のような液体が流れ始めた。





お読み頂きありがとう御座います。

評価、コメント等頂けるとモチベが上がりますので、

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ