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007 デザート

 俺の雄々しい宣言を聞いたペットな白黒奴隷メイドから冷たい視線が突き刺さる!

 

 気持ちいぃー!

 

 おっと、いかんいかん。

 俺は紳士。

 紳士らしく振舞わなければ。


 「まぁ真面目な話、身分証明書だよ。俺は身分証明書持って無いの。宿に泊まる場合5日未満なら金だけで良いけど、5日以上滞在する場合は身分証明書が必要でしょ。身分証明書が無いと面倒な事になる可能性が少なからずあるし、容易く手に入れられる冒険者ギルドの身分証は都合が良いの」

 

 冒険者になる者には多種多様な複雑で面倒な事情を持つ者も少なからず居るもので、痛い腹を探られたくない者は冒険者になる事が多い。

 そのため冒険者の素性は探らないのが暗黙の了解となっていると言う点も都合は良い。


 「なるほど。確かに必要ですね」


 黒狐は納得してくれた様子だけど、白猫は無言で止まった手を動かし食べるのを再開した。

 疑っている気がする。


 「もっとも、見た目の良い女性の奴隷を大量購入する予定なのも本当だけどね」

 「ハーレムですか?」

 「真面目な話?」

 「真面目な方でお願いします」

 「理由その1、商会を立ち上げる予定だけど、機密保持の都合上従業員は奴隷が望ましい。理由その2、主に接客業になるので見た目の良い女性は男性に対し撒き餌として効果的。理由その3、取り扱う予定の品には女性用の美容品も含まれる。実際に使ってる者が店員をしていた方が説得力があるし、そのためには見栄えが良い方が効果的。理由その4、潜在的な市場の開拓のためのお金蒔き。種蒔きと言うよりは荒れ地を耕して肥料を蒔く作業かな?見た目の良い女性の奴隷は極端にお値段が張るからね」


 俺の資金力があってこそやろうと思える事だけど。


 「後は単純に俺がどれだけ買った奴隷の面倒を真面目に見れるかだね。何故ヤローの面倒など見ねばならぬ。やっとれん。アホか。自力で何とかしろ」


 常識であろう。


 「要するに愛人沢山ハーレムですね」

 

 白猫から鋭い引っかきが入った!

 言ってやった見たいな顔しよって。


 「ハハッこやつ。一言でまとめよったわ」

 「真面目な話、俺のやろうかなと思っている事は自分の利益と欲望に忠実なだけだけど、結果論的には世の為人の為になって不遇な底辺層の救済になったりする感じの事だよ」

 「そうなのですか?」

 「間違いない。俺にも限度はあるし、モチベーションをどれだけ維持できるかと言う問題があるから最初は女性からになるけどね」

 「大儀があった方が都合が良いですね」


 またもや白虎の鋭い引っかきが入った!

 

 「ハハッこやつ。ぶっちゃけよったわ」

 「宜しいのではないでしょうか?英雄色を好むと言いますし」


 黒狐は基本的に肯定的だね。

 早くも盲目的になってきてる?


 「俺は英雄なんかになる気は無いけどね」

 「ところで、ご主人様。経営の心得などはお有りでしょうか?」


 黒狐は俺の経営能力に不安が在るのか?

 いや、タダの確認か。


 「知識はあるけどやった事は無い。それ以前に自分で経営する気は無い。銅貨と晶貨の区別がつかない俺が経営なんてしたらちょっと桁の多い丼勘定になってしまいそうだし。経営専門の奴隷を買う予定だよ」

 「左様でございましたか。安心しました」


 不安だったんかい!


 「俺がやったって主軸で売るのは俺が拾ったり作ったりする物だから原価とかほぼ無いし、コケたりはしないだろうけど面倒だからね。ご主人様が面倒でやりたくない事をする為に奴隷が居るし俺には要るんだよ。それに、それ以外の事にも色々と手を出したいしね。俺産の品を売る以外にも金融はしたいし」

 「お金を蒔くためですか?」

 「そう言う事」

 「ご主人様がどの様な品を御作りになられるのかお聞きしても?」

 「地中産は宝石と、魔石」


 この世界で言う所の魔石とは水晶の事だ。

 魔力伝導率が極めて良く、ほぼ100%通り魔道具の製造に必須の素材とされる。

 

 「アイアン、スチール、アダマン、ミスリル、オリハルコンのインゴット」


 この世界の魔法的な金属は単純だ。

 鉄に魔力量の含有率次第で変わる。

 鉄に一定の魔力が籠り黒くなった物が魔黒鉄アダマン

 魔力含有率が増え蒼くなった物が魔深蒼鉄ミスリル

 更に増え紅くなった物が魔深紅鉄オリハルコンとなる。


 「銅、銀、金、白金なんかもあるよ」

 

 地中には幾らでも転がってる。

 晶貨の作り方もインゴット作りの過程で分かってしまったし、晶貨も作れたりする。

 分かってしまえば単純でオリハルコンより更に魔力を超圧縮すれば良い。

 ただ、晶貨にはかなり致命的な欠点がある。

 強度はオリハルコンと同程度なのに必要魔力量がオリハルコンの300倍近く、魔力密度は140倍は要る。

 金属としての性能はオリハルコンとほぼ変わらないのにコストが信じられない程高くなる。

 現在の技術では作り方も分からないらしいが、作り方が分かったとしても恐らく作られることは無いだろう。

  

 「鍛冶や彫金もできるね」


 作るのは先生だが。


 「海中産は真珠とか、高級海産物なんかだね」


 この世界にもマグロもどきが居て200㎏程の大物で10万リルとかする。


 「薬草とかの類もどこからでも幾らでも取れるね」


 基本的な薬草はその辺に雑草の如く生えているのだが、効果の高い物に限って植物系モンスターの一部だったり、魔力密度の高いモンスターがうじゃうじゃ居る危険地帯に生えていたりする。


 「薬品はポーション、マナポーション、スタミナポーションに解毒薬、媚薬、精力薬、香水、化粧水、風邪薬と色々作れるよ」


 先生の体液と猛毒のコンボでなんでもござれ。


 「1番楽でお金になるのはフルポーションかな」


 完全回復薬フルポーション、通称フルポは死人以外なら人体の欠損に至るまで完全に再生と言うより復元に近い形で回復させ、ついでとばかりに魔力まで完全回復させる現存する回復薬の中で最高の品だ。


 少量で安くても500万リルとかだったっけ。


 「真水にちょっと桁の多い量と密度の魔力をぶち込めばお手軽に量産できるからねー」


 実際には先生の体液の原液がフルポーションなだけだが。


 一般的にはフルポーションは高ランクの魔物がうじゃうじゃ居る危険極まりない高密度の魔力地帯に多少取れる以外では、人工的に作るとなると小瓶に1つ作るのに一流の魔法使い数万人分の魔力をねじ込んでようやくらしいのだが、俺の基準では水とフルポの差が殆ど無い。

 

 白黒ペットは呆れた顔をしているね。


 「後は、絹に魔力を投入して魔法布が絹があるだけ量産できるよ」


 魔法布とはやはりと言うべきか絹に魔力が一定以上浸透した最高の布素材と言われている品だ。

 打撃に対してはほぼ無力なものの最高の手触りと高い耐刃、耐刺、耐魔の性能があり、防具としても高品質であるために多岐に渡る利用用途がある。


 鉄とは違い一定以上で魔力が浸透しなくなるので最大まで魔力が浸透した物だけを魔力布と言う。

 絹以外の布だって当然あるのだが魔力を依存させる布は絹しかなく、絹以外の布に魔力を通しても霧散してしまう。


 「裁縫もやればできるね。と言うか、職人と呼ばれる分野の事ならなんでもできるね」

 

 先生が万能過ぎる。


 「理解できました。ご主人様は金銭感覚がおかしいのではなく、無いのですね」

 「かもね。俺ってお金持ちではなく、働かなくてもお金とお金になる物が貯まり続けるエリートニートだから。だからこそ俺のそう言うふわっとし過ぎた所をフォローするしっかり者の奴隷に需要がある訳だね。で、出来れば俺を尻に敷いてガッチリホールドできれば尚良しなんだけど、気に入らない尻が俺の上に座るのを我慢はできない。と言うよりする気が無いから俺に気に入られるのも奴隷の仕事になるって訳だよ」

 「承知致しました。ご主人様に御気に召して頂ける様精進いたします」


 うむうむ。

 黒狐は素直よな。

 黒い女狐なのに悪女っぽくないね。


 「承知致しました。意訳致しますと、美女の美尻に敷かれるのは正義と言う事ですね」


 ぶっちゃけよったわ。


 「私も積極的にご主人様に跨り腰を振ってご奉仕致します」


 食われる。

 肉と同じく俺も食われる。

 捕食されてしまう。

 

 「セリア……はしたないです」

 「……そう。クロカは奴隷としての教育は受けていないのね。それもそうね。そんな状態ではなかったわね」


 メス奴隷としての教育を受けた者と受けて無い者の差か。


 「えっと……私がおかしいのでしょうか?」

 「それはそれで良いよ」

 「いえ、ご主人様。ご主人様が奴隷に対してその対応はお勧めできません」

 「そうなの?」

 「はい。奴隷にとってご主人様のご意向が総てに勝るのは確かではあります。ですが、ご主人様に使われない奴隷は不安を感じ情緒不安定になります。獣人の場合は尚更です」

 「そうなの?」

 「はい。確認して置くけど、クロカは性的な経験はあるかしら?」

 「いえ、そちらの方は機会が無く……」

 

 黒狐は俯き恥ずかしそうにしている。

 別におかしくは無いのでは?

 いや、この世界の結婚に対する適正年齢は低かったか。

 って白猫の方が年上じゃん?


 「そう、それは良いわ。私もないし。でもね。メス奴隷の基本的な役割はご主人様の肉便器なのよ?何時でも何処でも、ご主人様がお求めならお応えするのは当たり前だけれど、求められてから応じているだけではダメよ。ご主人様に飽きられてしまったらどうなるか分かっているの?役に立たない道具の末路は悲惨よ。世の中には少なからず最初から壊す積りで買う者も居る中で、可愛がって頂けるご主人様に買って頂いた幸運を手放す事になりかねないわ。その可能性を少しでも減らす為には出来る時にできる限りのご奉仕をして悦んで頂くしかないの」

 「そうですね。私が間違っていました」

 

 え?分かりあったの?

 食われるの?


 「売る予定は無いよ?」

 「私もだけど、クロカもご主人様に返しきれない程の御恩があるわね?」

 「はい」


 完全にスルーされた。

 もはや二人の世界だ。


 「気持ちだけではダメよ。行動も伴わないと。私の身体で楽しんで下さい。それがメス奴隷の基本だけれど、奴隷がご主人様のお手を煩わせてどうするの。自ら積極的にご奉仕するのは当たり前の事よ」

 「はい。分かりました。私も積極的にご奉仕致します。ご主人様。申し訳ありません。奴隷としての心構えが足りませんでした」

 「え?いや、別にそんなことは無いと思うけど」

 

 なんか極端すぎる様な?


 「そうね。幸いな事に個室だし、ご主人様のお食事中、もしくはお食事の後に行うメス奴隷の基本的なご奉仕からね。クロカは知らないみたいだから私が教えてあげるわ。実戦で」

 

 え?


 「はい。お願いします!」


 え?食われる?

 デザートか?

 デザート扱いなのか!?


 アー!


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