第27話
……壁|-°)チラッ
……壁|-°)じっ〜
……壁|-°)=⊃◯スッ
……壁|=〻ササッ
「セレナ、心配させて悪かったな。それにアカハも治療ありがとう」
あの後、すぐにアカハに上半身の包帯を外され、開いた傷口を診てもらい、治療してもらった後、ヒスイは改めて3人に謝罪とお礼を言う。
ヒスイの言葉に、それまで静かに治療の手伝いをしていたセレナは、三度その瞳に薄く涙を浮かべ、そっと、ヒスイの手を握る。
ヒスイも、その手を握り返す。
「……とても、怖かった」
「……はい」
「……ヒスイが、また、死んじゃうんじゃないかって………怖かった」
「……あの、死んだことは一度もないんですけど」
死んだら扱いにされたことはあるが。
「揶揄わない」
ペチッと頭を叩かれる。
「……お願いだから、死なないでね」
「俺も、死ぬ気はありませんよ」
「……でも、死にかけた」
「まぁ、はい。……その、すみません」
「……うん。生きていてくれたから、いい」
少しの間。
「怪我をするのは、いいの。……ううん、本当はして欲しくないけど、でも、それは無理なの。ヒスイは強いけど、でも、絶対じゃない」
それは、まるで自分に言い聞かせるように。
「私は心のどこかで、ヒスイならきっと大丈夫。そう思ってた。ううん、確信してた。でも、ヒスイだって、絶対じゃないんだ。いつか……。ヒスイが死んじゃったら、私耐えられない。想像するだけで、こんなに怖い。だから、せめて、死なないで。それだけで、私は頑張れる。きっと、どこまでも。……うん、うん」
いつの間にか下げていた頭を持ち上げ、ヒスイの目をしっかりと見て。
「私も、一緒に頑張るから。だから、ヒスイは、死んじゃダメ」
私と一緒にいるの。
そう、締め括られたその強い瞳に、ヒスイは強く引き込まれるような感覚を覚える。
セレナの中で、何を考え、何を覚悟し、どのような思いでその言葉を口にしたのか、ヒスイには推し量ることなどできないが。
それでも、自分が唯一仕えたいと、支えたいと、護りたいと願ったその少女の覚悟を、見て見ぬ振りなど、出来はしない。
ヒスイはそっと、握ったセレナの手を持ち上げ、自身の額に押し当てる。
「仰せのままに」
この人は、やはりとても強い人だと、そう思った。
◇
2人の暗殺者は、その2人のかくあるべし、とでも言えるような、どこか神聖味さえ帯びたその空間を、ただ眺めることしかできなかった。
絶対の信頼。絶対の忠誠。言葉にできない、強い絆。まるで一つの物語のワンシーンのような、完成されたその光景は、しかし、ヒスイの次の言葉で終わりを迎えた。
「さて、それではお三方」
さっきまでの空気など、まるでなかったかのような声音に、体の力が抜けていくのを感じる。
「これからのことについて、話し合おうか」
しかし、気の抜けた声から一変。鋭い声音とその瞳に、再び体に緊張が走った。
空気を切り替えたところで、ヒスイはアカハとミズナの目をしっかりと見て、口を開く。
「アカハとミズナは、これから俺たちについてくる……ってことでいいのか?」
「はい、許されるのであれば、お供します」
「……分かった。ただ、わかってると思うが、裏切ったら殺す。いいな?」
「「もちろんです」」
視線を一切晒さずに言い切る2人。
重苦しい空気が流れる中、不意に、その空気が緩む。ヒスイからのプレッシャーが消えた。
知らず知らずに息を止めていたのか、3人が小さく息を吐く。
「なら、2人を歓迎するよ。でも、信用はしない」
その言葉に、2人は顔を伏せ、表情を曇らせる。
「今はまだ」
2人は下げていた顔を上げ、ヒスイの顔を見る。
そこには、とても穏やかな笑顔があった。
「今はまだ、君たちを信用できないけど、信頼してるよ」
だから、これからよろしくね。
そう優しく微笑むヒスイを見て、2人は。
「「はい!」」
花の咲くような笑顔を浮かべ、力強く頷いた。
どうも、お久しぶりです。
……うん、本当に、3年? もうね、かなり間隔空いてますよね。
ぶっちゃけますとな、もう、更新しないと、自分でも思ってましたよ、うん。
私も社会人なりまして、時間も中々取れなかったし、なろうの読者様の……民度? も、随分悪くなったじゃないですか。
だから何と言うか、もう、いいかなって。勝手に思ってました。どうせ書いても叩かれて終わるだろうな〜……みたいな。書く時間もないし。
そんなことを、言い訳にして。
で、ある日、ふとこの小説を思い出したんです。
そういえば、あの小説、今どうなってるのかな〜って。
ブクマも100人いないやろw とか、軽い気持ちで見たんですけどね。
評価:4.4
ブクマ:257
そして、まさかの今年の6月ごろに感想も貰ってたと。
……ファッ!!?(マジでこの反応をしたんですけど……)
嘘やん
いや、本当にマジで。
もうね、ずっとブクマしてくださってる方、評価していただいた方への、罪悪感がね、こう……ぶわっと。
で、まぁ、書いちゃいました。
今でもこんな身に余る評価を頂いているなら、もうちょっと頑張ろうって。
最悪、叩かれたら感想書けなくすりゃいいやw
とか、そんな軽い気持ちでまた始めたんですけど……。
今コロナの影響で、社員の負担バカ高くて、本当に時間取れないんですけど……。
久しぶり過ぎて、本当に駄文なんですけど……。
それでも、まぁ、また書いていこうと、思います。
少しでも、待っててくれた人に応えられるように。
(感想くれた方。本当にありがとう。あなたの感想がなければ、多分書いてなかった。頑張ろうって思わなかった。だから、ありがとうございます。覆せるか分からないけど、自分なりに、頑張ってみます)
m(_ _)m。
そして、後書きを振り返ったあとの私の一言。
「なぁにこれぇ……シリアル?」




