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ガールズトーク


「あのさ・・・」


「何?」


あたしは大きく息を吸い込む。


「橘さんって、金森君のこと好きだよね?!」


「はぁ?!」


ビンゴ!!

橘さんの頬が赤くなり、焦りを見せる。


「当たった・・・」


「べべべべ別に!そんなんじゃ、」


「手鏡で見てみたら?」


橘さんは、手鏡で自分の顔を見る。

先ほどのあたしのように、ニヤニヤ・デレデレの自分の顔を。


「・・・・はぁ」


大逆転、さよならホームラン、そんな言葉が今のあたしにはピッタリ。


「好きよ」


立場が逆転。


「金森が好き。

 大好き。

 大大大大大好き!!」


氷が溶けていく。

氷の女王の氷が溶けていく。


無表情だった橘さんの表情が、今は恋する乙女の顔。


「よくぞ言った!!」


ドアが思いっきり開かれると同時に、わぁぁぁ・・・とサッカー部が押し寄せてきた。


「あ、アンタ等!!」


「いやー、まさかまさかの展開でしたね、金森君!」


「あー・・・」


金森君が、周りの冷やかしを丸被りしながら橘さんの前に進み出る。


「俺も・・・好き」


おおおおお?!!

まさかの両思い!


「「「「「「「「「「キース!キース!キース!」」」」」」」」」」」


囃し立てる10人+あたし。


「こんなとこでやるわけな、」


否定する橘さんの唇を、無理矢理塞ぐ金森君。


「「「「「おおおおおおお!!!」」」」」


ゆっくりと離れる唇。


「ファーストキスなんですけど」


真っ赤になる橘さん。


「俺もだよ」


「ばか」


感動!!!


「それから・・・」


「ようこそ海東さん!いや、真夏!!サッカー部へ!!」


両手を大きく広げる間宮君。


「聞いてたの?」


てことは・・・。


「あ、これから皆のこと下の名前で呼ぼうぜ♪」


間宮君が急な提案をする。


「いいねいいねー!」


「そういえば真夏さ、好きな奴いるんだよな?

 サッカー部に」


鮎川君!!!


周りが一層盛り上がる。


「声ちっさくてわかんなかった!」


「教えてよ、真夏ぅ!」


可愛らしい小林君があたしに迫る。


「内緒」


あたしは意味ありげに笑う。


言えないもん。


「え~!!!」


がっくし!と言う感じでしょげる松木君。


サッカー部最高!

伊藤君大好き!!


あたしの中では、興奮する天使がそう叫んでいた。




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