why?
ずっと見たいと思っていた恋愛ものの映画がもう中盤に差し掛かった。
けど、内容なんて頭には入ってない。
あたしはひたすら、彼方があたしの仮の彼氏になってくれている理由を探した。
あたしが可愛いから?
それなら他の子選ぶでしょ。
遊び?
・・・
あたしは大きな勘違いをしていたみたい。
そうだよ。
彼方ぐらいのイケメンが、女の子に不自由しないでしょ。
むしろ、よりどりみどりじゃん。
何て馬鹿なの、あたし。
改めて自分のイタさを感じる。
本気にして、服もメイクも・・・ってあれ?
本気って・・・。
あたし・・・
「おい」
「ふぇ?!」
気づけば、彼方の綺麗な顔が、真正面にあった。
映画はもう終わったらしく、人も少なくなっていた。
「帰んないの?」
「あ、行きます行きます」
あたしは彼方の隣を早足で歩いた。
「何急いでんだよ」
ぼーっとしてたら彼方越しちゃったみたい。
後ろに手を引かれたせいで、そのまま後ろに倒れ
なかった。
あたしの身体は、彼方の薄い胸板に収まっていた。
ん・・・身体?
そっか!
あたし、胸結構でかいから!!
前彼方に見られたときは、Dだったけど、今はEになったんだ!!
ま、忌まわしい肩凝りの原因のひとつでしかないけど。
「聞いてる?」
「わぁ!」
いつの間にかあたしは、背の高い彼方に抱かれたまま、上から覗き込まれていた。
「へ・・・?」
「だーかーら、またでかくなったの?」
「何が?
あ、身長ね、158cmから160cmになったんだ!」
気づいてくれたんだ。
あたしはすごく嬉しかった。
身体目当てなら、そんなこと言わないでしょ。
「違うし」
え?
「むーね。
Eってとこかな?」
前言撤回。
やっぱり遊ばれてる。




