スカウト
「はぁ~良かったよ~」
雹牙の第一声。
私は、あんまり映画に集中できなかった。
だってだって・・・。
すぐ隣に、大好きな人がいるんだよ?!
映画なんか、見てられないよ!
「あの、君達ちょっといいかな?」
突然掛けられた声。
「なんすか?」
声を掛けてきたのは、品の良いオジサン。
「僕は、芸能プロダクションのマネージャーをしているんだけども・・・」
これって・・・。
スカウトだ!
絶対そうだ!!
雹牙・・・遠くなっちゃうな。
「だからなんすか?」
「君達カップルには、可能性を感じる。
良かったら、ウチの事務所に入ってもらえないかな?」
オジサンは、私をガン視し始めた。
「あ、あのぅ・・・」
「すいません、あんまジロジロ見ないでもらえます?」
雹牙、怒ってる??
「それはすまないね。
うん、君は凄く魅力的な容姿だ。
パラダイスなんかのモデルにピッタリだ」
ぱ、パラダイス?!
あの、すっごい有名な?!
「どうだい?
君達2人、読者モデルからでもスタートしてみないか?」
「はぁ・・・」
雹牙もびっくりしてる。
「それじゃ、さっそく1枚撮らせてもらうよ」
「え?」
オジサンは、ビジネスバッグから、高性能っぽいカメラを取り出した。
「はいっ、チーズ」
えぇ?
何か・・・雹牙、私の肩抱いてるし・・・。
恥ずかしいよ・・・。
でも嬉しい。
「うん、よく撮れてる」
満足そうなオジサン。
「僕の名刺を渡しておくね。
君達の連絡先を、できれば知りたいんだけど・・・」
「俺の教えますよ」
あまりの急展開に、私はカッチコチ。
「ありがとう」
そう言うと、オジサンはあっという間にどこかに行ってしまった。
「小夏、何か勝手にごめんな?」
「え?全然!」
「やっぱ小夏可愛いし・・・・」
「え?」




