告げられる真実
――――――
ウォーカーは夢を見ていた。
家族みんなで夕食を食べている風景だ。
キリクお兄ちゃんのお肉が大きい。とカレンに駄々をこねて困らせていた。
クナメお姉ちゃんがお肉を切り分けてお皿に乗せる。
嬉しそうにお姉ちゃん、ありがとう!と、口いっぱいにお肉を頬張っていた。
ただただ、幸せだった。
ゴンと頭に衝撃が走る。
突然の衝撃に驚いて目を覚ますウォーカー。
一体何が起こっているのか分かっておらず、薄暗い辺りを見渡す。
どうやら、体は縛られているらしい。それにすぐ視線の先には靴が見える。
さっきの痛みは靴に蹴られたからなのかと半ば寝ぼけた頭でウォーカーは納得した。
――いや、ぼくは何でこんなところに?! みんなは?!
そんな頭で状況を考えていたウォーカーの意識は突然覚醒した。
よく見ると少し離れたところにキリクが鎖か何かで固定されているのが見える。
それにうなだれていて全く動いていない。
「お兄ちゃん?! キリクお兄ちゃん?!」
混乱に拍車がかかったウォーカーは動かないキリクを呼ぶ。
しかし帰ってきた返答はキリクでは無く、どうやら頭の後ろに立っているらしい靴の持ち主からであった。
「心配するなぁ、少し立場を分からせてやっただけだ」
その声は先程、村に一緒にやって来た憲兵のものだった。
しかし、先程よりもより加虐性に富んで、寒気がするような声だった。
なぜこんな状況に成っているのか全く状況が掴めていないウォーカー。
ひとまず目の前のキリクお兄ちゃんが生きているということにホッとしていた。
「ねえ、憲兵のおじさん?! 皆は?!」
「うるせえ! ガキ!」
いきなり吹き飛ぶ視界と背中への衝撃にウォーカーは自分が蹴られたのだと認識する。
何で蹴られたのかも分からず、ごほごほとせき込むウォーカにコツコツと近寄る足音。
髪の毛を掴まれ、頭をぐいと上に向けられたウォーカーに憲兵は楽しそうに真実を告げた。
「教えてやろうか! てめえらの村の住人は全員、殺されたァ!」
殺された? 皆が? グルグルと回る頭の中でその言葉が反芻される。
あの優しかった村長も、いつも笑っていた馬小屋のおじちゃんも、隣のおばさんもみんな?
無言のウォーカーに憲兵は唾と共に言葉を投げつけた。
「そもそも、俺ら憲兵を頼ろうとするのが間違ってんだよォ! お前ら劣等種を助けるとでも思ってんのか! この薄汚いクズがァ!」
その言葉の意味を理解し、呆然とする。
再び蹴られ、石床を転がりながらウォーカー。
つまり、最初から憲兵たちもグルだったのだ。
元々ぼくたちを助ける気なんか、ちっとも無かったんだ。
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