第一章 第五話 私の宇宙
追記なんですが
執筆アプリでは章ごとに分けていて話数では分けてないので話名適当かもですm(._.)m
彼も試験管を片付けるよう言われていたのだから謝ることないのに。
「別にいいよ」
私はそう答えた。そして私は手を今度は一番右の試験管に伸ばし、その隣の試験管も一緒に持った。
「残りの試験管お願いね」
私はそう言った。不器用だけれど、少しだけ微笑みながら。
私は表情を変えるのが苦手だ。いつも顔がこわばってしまう。先ほどのこともあって、私が無表情だったら、彼は私が怒っていると勘違いしてしまうかもしれない。だから、自分でも珍しいと思うけど、微笑んだ。
「…ぁ……」
彼は顔を紅色に染めて、口を半開きにして、声にならない声を出してポカンとしていた。でも、そのあとすぐに正気に戻ったようで、試験管をいそいそと片付けていた。
なぜだろう?花撫くんは他の男子とは違う気がする。いや、もちろん見た目から違うんだけど、雰囲気とか、よく分からないけど、他も他の男子とは違う。まあ、考えるのは後でいいや。そう思って、私は蓋を閉じた。
二限目が終わり、私たちは教室へ戻った。三限目は音楽だった。
短い休み時間が終わり、音楽室で号令をした。先生の言う通りだと今日は合唱の練習をする。まずは一度みんなで歌うらしい。歌う歌は「羽ばたいて」。「羽ばたいて」は毎週歌っていたから、みんな歌詞はわかる。
みんなが続々と並んで立って、先生のピアノの伴奏が流れ出して、合唱が始まった私の前には、花撫くんが歌っていた。
私は、歌いながらみんなの歌声を聞くために耳を澄ませていた。すると、みんなの歌声という名の雑音の中でも、透き通るようなほど綺麗な歌声が耳に入り込んできた。その歌声のする方は、すぐ前からだった。
花撫くんだった。優しいけれど、芯は強くて聞く人の耳にスッと入り込んでくるような不思議な歌声だった。そうか、花撫くんは歌が得意なんだな。特技がないと言っていたけれど、あるじゃん、と私はそう思った。
合唱が終わり、ふと私は空を見た。空には美しい水色とそれを飾るように浮いている雲があった。
―神はどこにおられるのだろう。
私は、その考えが一つだけ浮かんだ。
天国は、私たちの生きているこの世界には無いと思う。私にも難しいことは分からないし、まだ死後の世界は解明されていないけれど、この世界の別の次元にあると思う。別に次元だから私たちには見えないけれど、死者はいつでも次元を行き来して私たちを見ることができる、的な。それか、実はこの世界に天国はあって、私たちには見えないし空の高いところってだけで存在するのかもしれない。その可能性も十二分にある。
天国も地獄もないという考えの人もこの世にはいる。でも、天国がないと、短い生涯で意味のあることをして、死んだ私たちが無に還るなんて、言っちゃ悪いが生きている意味がまるで分からない。それに、善人と悪人の行き着く先が同じならば、不平等だ。だけれど、それは天国がある確証にはならない。私もそう思っていた。でも、宇宙の太陽系の奇跡的な釣り合いは全て偶然といえるだろうか?物事には原因がないと何も起こらないという。宇宙ではそれが「ビッグバン」だが、「ビッグバン」という名の「原因」は、誰が起こしたのか。「宇宙」は、もともとそこにあったのか。そもそも、「ある」とはなんなのか。などの疑問が生まれる。それが天国がある理由になる。神は自らの愛を分かち合う存在をつくるために、私たち人間をつくった。
ああ、考えることが壮大すぎる。落ち着け、今は音楽の授業の最中だ。このことは家でも考えられる。授業中に考えるようなことでは―
キーン、コーン、カーン、コーン。
「えっ?」
そう声に出しそうになったが、なんとか心の中に留めた。ずっと天国や神のことを考えていて、時間の流れが一瞬のように感じた。
ありがとうございました!




