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閨怨  作者: Ala-Maris
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カレーライス

新しいお話

 親が離婚した。父の浮気だった。そこから母は変わってしまった。帰宅する時間が遅くなったのだ。父の分も稼ごうとしていたのかもしれないが私にはわからない。夕焼けに染まった母の勤務先に、私は立っていた。母を迎えてやろうと思ったからである。何時間でも待てるようにお菓子とジュースを買って近くのベンチに座った。「ちょっと肌寒いな」と思いながら飴玉をコロコロと口の中で遊ばせていたその時、母は出てきた。「いつもより早いな」と思いながら母を驚かそうと考えた。母の後をつけることにしたのだ。母は神社に行き、藁人形を木に打ち、父を呪うわけでもなく、まっすぐ家へと帰っていく。結局ただ家庭のために働いていただけであった。私が起きたときにはもう出勤していて、夜10時くらいに帰って来る。そんな日常なので、ご飯や洗濯などの家事は自分でしている。母は母が、自分でしている。こんな生活だと一緒に生活している家族というよりかは、同じ家を使っているただの仲の良い人たち。というような感じだ。6時間目の授業中、パトカーや消防車のサイレンが鳴っていた。最近火事が多いので多分そんなところであろう。授業が終わり終礼をした後、スーパーに行き食材を買う。そんな事をしたあとに家に着くのだが、今日は違う。母が有給を使っているので、校門を抜けた後、帰路につく。今日の夜ご飯はカレーがいいな、と思いながら帰る道は昼間のように明るかった。家に近づくにつれて人が多くなっていることに気がついた。「何かあったのだろうか」と思いながら家につく。鍵がかかっていたので鍵を開けて中に入ると、メモがあった。「病院へ行ってきます」母の弟が入院しているのでおそらくそのことだろう。家に帰ると母が出迎えてくれる。そんな幻想を抱いていたけれどやはり叶うことはない。せっかくなのでテレビを付けた。ニュース速報が流れていた。「〇〇県立病院で立てこもり事件が発生・・・」嫌な予感がした。母に電話したが繋がらない。〇〇県立病院へ走っているときに気がついた。入院先は〇〇市立病院だということに。ほっと胸をおろし、コンビニでスイーツを買って帰った。家につき、母の帰りを待つがなかなか帰ってこない。電話をかけてみた。寝室から着信音がする。「もう帰ってきていたのか」と思いながら寝室に入るが母の姿はなかった。疲れも溜まっていた。母のいないその部屋で私は眠りについていた。目が覚めたのは深夜2時。まだ母はいなかった。どこに行ったのかわからないまま、母は行方不明となった。どこに行ったのかわからなかったので警察にも相談したが特に変わることはなく、また日常が戻っていた。不思議と悲しいなどといた感情は出てこなかった。もう、母親という存在は、離婚をしたときから行方不明だったのかもしれない。


続く

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