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幼馴染との遊園地

 休日の日。今日は珍しく予定があった。それは胡桃くるみと約束した、遊園地に行くという予定だ。


 約束してからすぐに行く事になって驚いたけど、でも当日になると楽しみになってきたな。昨日は遠足の前の子供のように、全然眠れていない。だけど不思議と眠気はないから、早く準備していくか。


 数十分で支度をおえて家を出た。

 集合場所の駅まで歩いて行くと、先に胡桃が待っていた。


「あっごめん、もっと早く来ればよかったかな」

「大丈夫だよ、私が早く来ちゃっただけだもん」

「それよりその服……」

「気が付いた? 似合ってるでしょ!」

「うん大人っぽくて可愛い!」

「あ、ありがとう……」


 顔を赤くして照れている胡桃。


 今日の私服は、この前一緒に買いに行ったとき俺が選んだものだった。試着室で見た時よりも、髪の結び方やアクセサリーを付けて服に合わせているせいか、今日の方が一段と綺麗である。

 いつもより大人っぽいから、何だか緊張するな。


 二人で電車に乗り、遊園地がある駅まで座っていると胡桃が話しかけてくる。


「今日は楽しみだね!」

「うん、最近は遊園地には行ってないから楽しみだよ」

「ふーん行ってないんだ、じゃあ私が乗りたい乗物に付き合ってよ」

「いいよ!」

「言ったね? 覚悟しておいてよ」

「何を企んでるんだよ」

「ひみつー」


 そんな話をしている間に駅に着いた。

 駅から出ると目の前に遊園地が見える。大きな遊園地で、ジェットコースターはもちもんあり、その他にも見たこともないような乗物まであった。


「着いたよ一也かずや、入場券買いに行こう」

「うん」


 入場券をお姉さんから買おうとしたら、こんなことを言ってきた。


「お客様はカップルですか? よかったらカップルだと割引になるのでどうでしょうか」

「えっ……」


 俺が戸惑っていると横から胡桃が顔を出す。


「はい、カップルです」

「それならお安くしておきますね」

「ありがとうございます!」


 カップル割引を使い入園する。俺はカップルだと迷わずに言った胡桃に、困った表情で言う。


「俺達はカップルじゃないだろ?」

「そうだけど……割引になったからよかったでしょ」

「確かに良かったけどさ」

「それよりもまずはあれに乗ろうよ!」


 胡桃が指さしたのはジェットコースターである。入ってすぐにジェットコースターに乗るとは思わなかった。絶叫系は苦手ではないけど、そんなに乗ったことないから大丈夫かな。


 俺の気持ちが胡桃に届くはずもなく、腕を掴まれて連れていかれる。そしてジェットコースターの席に座りシートベルトを着けて、スタッフの掛け声で動き出す。


「おー上がってきたよ一也!」

「う、うん」

「もしかして絶叫系苦手だった?」

「いや苦手じゃないけどっ……」


 その瞬間、落ちるような感覚が襲ってくる。物凄い勢いで進んでいき、気付くと元の位置に戻っていた。


 ジェットコースターから降りた胡桃は笑顔である。それとは対照的に、俺は何とも言えない顔になっていた。その事に気付いたのか、胡桃が近付いてくる。


「楽しかったね……って大丈夫?」

「う、うん大丈夫だよ」

「全然大丈夫じゃないじゃん! ちょっと水買ってくるね」

「うん」


 水を買っている間、俺はベンチに座って待っていた。そこに水を持った胡桃が駆け足で戻ってくる。


「ほら買ってきたよ」

「ありがとう……何とか大丈夫そう」

「良かった。じゃあしばらく休んでから、他の乗物にでも行こっか」

「わかった」


 買ってきてくれた水を飲んだら気分が良くなってきた。これなら大丈夫そうだ。少し休んでから、今度はメリーゴーランドに乗ることにした。


「よし、私はこのお馬さんに乗るね」

「じゃあ俺はこの白馬に乗ろうかな」

「ふふっわかった」


 馬に乗るとメリーゴーランドがゆっくりと回り始める。


「楽しいね」

「うん綺麗で楽しいな」

「ねえ! もしかして白馬を選んだのって、私が小さい頃白馬の王子様と結婚するって言ったから?」

「そんなわけないだろ。たまたまだよ」

「えーそうなの? つまんないなー」


 そしてメリーゴーランドが終わった後も、ティーカップや汽車のような乗物に乗ったりして時間を忘れて楽しんだ。


 夕方過ぎで暗くなってきた頃、そろそろ帰る時間になってきた。

 すると最後に乗りたいものがあると言って手を握られる。連れてこられた場所はライトアップされて七色に輝く観覧車だった。


「ここで最後にしよう」

「わかった、じゃあ乗るか」

「うん」


 二人で向かい合って乗り、少しずつ上がっていく。観覧車からは綺麗な夜景が広がっているのが見える。


「凄い綺麗だね。イルミネーションみたい」

「そうだな、意外と高くて怖い気もするけど」

「えーそうなの、でも綺麗でしょ?」

「うん綺麗だ、今日は来てよかった」

「嬉しい、私も来てよかった」


 話していると観覧車の一番上のところにきた。


「ねえ、ちょっと目瞑って」

「えっいいけど」


 言われた通り目を閉じると、胡桃が抱きついてくる。思わず何かを言おうとするが、胡桃がその前に言った。


「今だけ……今だけは少しこのままでいさせて」

「いいよ」

「ありがとね」


 そのまま時間は過ぎていき、観覧車から降りた。


「いやー今日は本当に楽しかったな! 一也も楽しかったでしょ?」

「うん、こんなに楽しかったのは久々だよ」

「えー本当? じゃあそろそろ帰ろうか」

「おう」


 こうして二人で最後まで一緒に帰るのであった。

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