幼馴染と学校の屋上で
今日のお昼は、胡桃が学校の屋上で食べると言った。屋上には行った事がないから、どんな感じなのかわからないけど景色がいいのかな。
「じゃあ行くよ一也」
「うん」
階段を上がっていくと、屋上の扉が見えた。扉を開いた途端、雲一つない青空が目に飛び込んでくる。凄いな学校にこんな場所があったなんて。
でも景色がいいのに、他に来ている生徒は誰もいない。もしかして入っちゃ駄目なところなんじゃないのか。と思い隣にいた、胡桃に聞く。
「ここ本当に入っていいのか?」
「いいらしいよ、先生に聞いたら入っていいよって言われたもん」
「そうなんだ」
何もない屋上の中で、座れそうなところを見つけて腰を下ろす。
座るとすぐに胡桃は弁当を広げて、俺の分の弁当も作ってきていた。この前作らなくてもいいって言ったのに、でもせっかく作ってくれたなら美味しく食べるか。箸を手に取り、食べようとしたら止められる。
「いただきます」
「あっ待って!」
「えっ」
「私が食べさせてあげる!」
「でもここは学校だぞ」
そう言うと胡桃が周りを見てから言った。
「ここなら誰もいないでしょ」
「そうだけど……」
「じゃあいいでしょ……はい、あーん」
たこさんウィンナーを取り、俺の口に運ぶ。
「あむっ美味しいな」
「ふふっじゃあこれも、あーん」
「これも美味しい!」
「でしょ? じゃあ今度はこれ」
「えっ待って大丈夫だよ。あとは自分で食べるから」
「えーわかった」
拗ねたような感じで言われてしまう。これじゃあ付き合いたてのカップルみたいじゃないか。こんな状況が続いたら、どういうふうに接したらいいかわからなくなりそうだ。
話題を変えようと俺は口を開いた。
「あっそうだ、胡桃は何処か行きたいところとかないの?」
「行きたいところ……うーん、遊園地とかかな」
「そうなんだ、友達と行ったりしないのか」
「行った事もあるけど、いつも同じグループだと飽きちゃってさ」
「ふーんそういうもんなんだ」
友達の少ない俺は、何人かのグループで遊園地に遊びに行く事なんて滅多にない。それなのに胡桃は飽きるほど行ってるのか、やっぱり学校でも人気者で美少女だと出掛ける事も多いのかな。
感心していると、胡桃が話しかけてくる。
「ねえ今度さ、私と一緒に遊園地行かない?」
「えっ、俺でいいの」
「一也がいいの! ダメかな?」
「いいよ、あんまり行ったことないし」
「本当にいいんだ、やったね!」
照れたように胡桃は笑い、嬉しそうだった。
遊園地か家族以外とは行く機会があまりなかったし楽しみだな。
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