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80 宝を探しに行く

「そういやさ、猛毒の薬って作れるの?」


 乙女座に戻り、食事をしながらウミに問う。


「猛毒? 作れない事も無いけど……いや、無理だな」

「ん?」


 途中で否定に切り替えた。

 何でだ?


「いや、材料にさ、蜘蛛が必要なのよ。ちょっと調達したく無いかなー」


 成る程。

 一瞬、少女が手に持つフォークを止める。

 この話は、今は止そう。


「いや、別に欲しいわけじゃ無いから。

 効能とかが知りたかったんだ。

 ま、メシの時の話じゃ無いな」

「そうね。

 で、この後どうするの?」

「うーん、アイテム探しに行こうかと思ってる」

「へー」


 リーザとジルヴァラは同席していない。

 と言うか、ログインのタイミングが合わなかっただけだが。


 で、代わりに新顔が居る。

 ピンクのふわふわした髪で、上品に食事をしている、名前は確か、ピエラ。

 ヒーラーらしい。


「おお! 宝探しでぇすか! 燃えますねぇ!」


 と、そのピエラが食い付く。

 となると、当然。


「よし! 食べたら行こう!」


 と、ウミ。まあこうなるよな。


 ◆


「ひゃー! すげぇーーーー!」


 少女に抱えられたピエラが叫ぶ。


「あいつ、元気だな」


 抱き抱えたウミに感想を洩らす。


「うん。仲良くして上げてね」

「仲良くってもなー」

「あの子には早めに正体バラした方が良いよ」

「は?」

「ああ見えてジルやリーザよりまともだと思うから」

「へー。そうなの」


 つまり、あの元気っ子キャラは計算、という事か?


 ◆


 〜【ペルシアン】 エリア:インドゥス〜

 北天の町とは趣が異なる、

 異伝の神の伝承が残る街


「アリアちゃん、ありがとぉ! 重くなかった?」

「はい、大丈夫です」


 見つめ合う二人。


「花、咲かないな」

「彼女はマトモ。私の味方」


 それを温かい目で見守る二人。

 ま、それは良い。

 それよりも、だ。


「カレー」

「うん。カレー」


 町中からカレーの匂いがする。

 街並みも、アジアチック。

 と言う事は、米!

 いや、メシはさっき食った。


「取り敢えず、どっか入ろうか?」

「さっき食っただろ!」

「「え!?」」


 何でそんな悲しそうな顔をするんだ!

 お前ら二人は!?


 ◆


「本当、どうなってんですかぁ? あの二人の食欲」

「どっか壊れてんだろ」


 結局二人はカレーの誘惑に打ち勝てず「一口だけ!」と言いながらナン食べ放題と看板が出た店に入っていった。

 俺はピエラと二人、取り敢えず街中の店を回る事に。


「ところでハルさんは、どこで修行したんですか?」

「修行? 何の?」

「神聖魔法のでぇす。

 私も取りたいんです。でも乙女座の教会に聞いたら半年修行が必要だって言われました」

「あー、あれ、百万渡せばすぐだぞ」

「えぇ!? 何ですか? それ」

「袖の下だ」

「そんな抜け道がぁ! でも、百万ですか」


 まあ、安い額では無いかな。

 そうだ。

 良いバイトがある! 俺の三助なんかどうだ?


「ヒーラーって、ソロで動けないんで稼ぎ辛いですよね……って、ハルさんはそんな事ないか」

「何か武器を持ったら良い」

「えー。他人に戦って貰う為のヒーラーじゃ無いですか。

 てか、リーザさんもウミさんもハルさんも戦闘民族すぎでぇす」

「まあ、あの二人はな」

「いや、ハルさんもでぇす」

「俺はだって、男だからおかしく無いだろ?」

「え、やっぱそうなんでぇすか?」

「そうでぇす」

「複雑な事情があるんでぇすか?」

「いや、アバターチョイスミスっただけ。

 出来るなら男のアバターに変えたい」

「どうやったらそんな設定ミスるんですか?」

「不思議」

「いや、誤魔化すの下手ですよ?

 みんな知ってるんでぇすか?」

「おう。バレてる」

「それでも普通に接するとか、みんな、感覚狂ってますねぇ」

「私は、ネカマじゃ無い!」

「……何ですかぁ? いきなり」

「いや、心の叫び」

「口から出てまぁす!」


 取り敢えず、武器屋を見に行く。


「そう言えば、何か目的のアイテムとかあるんでぇすか?」


 杖を手に取り軽くて振りながら問うピエラ。


「状態異常防御のアイテムがこの辺にあるらしい」

「へぇ。そんな情報どこで手に入れたんでぇすか?」


 杖の値札を見て、険しい顔になる。


「情報って言うか、アイテムだな。

『空白の地図』ってアイテム。

 欲しい物を入力すると、その在り処が浮かび上がる。

 指し示したのが、この辺って訳」

「ふーん。移動が自由って随分大きなアドバンテージでぇすね」

「まぁな」


 杖を棚に戻すピエラ。


「その地図って、簡単に手に入るんでぇすか?」

「いや、イベントの景品だったから、まあまあレアだと思うよ」

「でぇすか」

「何で?」

「いや、それでアバターの性別変更するアイテムとか探さないのは、やっぱり女子のアバターに未練があるか、そのアバターを使って良からぬ事を……えぇ、何ですかぁ!? その顔! 何でそんな絶望したような顔にしてるんでぇすか!?

 あ! その使い道に気付いていなかったんでぇすか?」


 そう!

 全力で首を縦に振る。

 そうだよ!

 状態異常とかどうでも良いよ!

 性転換のアイテム!

 それを探せば良かったんだ!!

 次、地図を手に入れたらそうしよう!!

 ピエラの両手を握り締め、この感動を分かち合う。


「え、あ、ははは」


 引き攣った笑みを浮かべるピエラ。

 しかし、出口の見えたこの喜びは止まらない。

 そのまま、妙案をくれた目の前の聡いピンクを両腕で抱きしめ、背中ポンポンする。


「いや、ちょ! やめろ、ネカマ! 離れろでぇす!!」


 お前、最高でぇす!!

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サモナーJK 黄金を目指し飛ぶ!
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