11 移動する
~【ディアデム】 エリア:コマ~
コマの港町。
コマは良質な宝石が多く産出されるためディアデムは宝石の加工工房が多く立ち並ぶ。
配達をしながら、次の拠点とし目星をつけていた島へ。
この町のギルドは配達の依頼が多い。
そして、運ぶ物も宝石、装飾品の類が多くその分、報酬も高い。
稼ぐには持って来いな訳だ。
今夜はここを中心に稼いで、夜が明ける前に隣の島へ。
◆
~【レグルス】 エリア:レオ~
世界一の空挺部隊を有すると言われる軍事大国の首都。
街中は、力を求めるもの、それを相手にするもので活気に満ちている。
軍事大国の首都と言う事だけあって、城下町も活気がある。
夜明け前だと言うのに、嬌声が上がっている酒場が何軒も有る。
武器屋などの商店も店を開けている。
まぁ、これは他の町でも同様だが。
俺は、溜めた金で武器、防具を買い揃え、そしてスキルを幾つか手に入れその町を後にした。
◆
~【コル・カロリ】 エリア:カネスヴィナティキ~
入植が進む港町。
カネスヴィナティキは開拓が進められている島で、南北二つの島を吊り橋がつなぐ。
通常の航路であれば、レグルスからディアデムを経て訪れる事になる島。
昨日まで居た、プラエキプアがあるレオミノル島と似たような感じであるが、ここの方が、ゴブリン、オーガ、ワーウルフとモンスターの種類が多い。
その分、レオミノル島より敵のレベルが高いようだがそれを何とかするだけの装備をスキルを揃えたつもりだ。
それでも歯が立たないようならレオミノル島に戻ろう。
そういう計画を立て、ひとまずコル・カロリで宿を取る。
三角屋根の木の家が並ぶ町並み。
その中の一軒。
露天風呂は無いが、広い浴場からガラス越しに見える緑一色の風景は、それは、それで美しい。
そして、メシが美味い。そんな宿だ。
◆
「さて、新しい得物の具合はどうかな」
などと、ゴブリンに相対し悦に入った台詞を言ってみる。
自分を鼓舞するために。
手にしているのは、『ダマスカスランス』。
そして、身にまとう鎧は『ワイバーンスケイル』。
どちらも、レグルスの店売りで最高ランクの代物。それなりの値段。
もちろんそれに見合う性能は有るはずだが。
ゴブリンが、棍棒を構えながら突っ込んでくる。
レオミノル島で戦った奴より早い!
しかし、大丈夫、反応できる。
これは、取得した『超反応』のスキルのお陰だろう。
そして、レグルスの教会で、袖の下を渡して『神聖魔法』を手に入れた。その額、百万G!
これ、店売りのスキルランクと比べるとランク6に相当する。
ちなみに、その上のランク7は三百万もする。
流石にこの辺はもう少し様子を見てから手を出そうと思っている。
そうそう、ハゲ頭に勧められた『防御』と、ついでに『魔法防御』も手に入れている。
迫りくるゴブリン。
その動きに合わせ、思いっきり突きを繰り出す。
その穂先が、簡素な鎧を身に纏ったゴブリンの胸部をあっさりと貫く。
断末魔の叫びを上げること無く、ゴブリンは空へ消えて行った。
「……行けるな」
喜びを抑え込むように、静かに言う。
ここで絶叫を上げてモンスターを呼び寄せたらマズイからな。
◆
大した傷では無かったが神聖魔法の治癒を使う。
こうしないと、熟練度が上がらないらしいから。
その分、MPの消費も大きいが、いざとなったら『離脱』で帰れる。
この辺りの敵は、今の俺には一対一なら何とか狩っていける、それぐらいの強さで有るようだ。
そうやって、幾度か戦闘を重ね、レベルが一つ上がった所で町に戻る事にした。
◆
ふう。
木で作られた浴槽の縁にもたれ掛かりながら、現状を整理する。
この辺まで足を伸ばしているプレイヤーはまだ居ないだろう。
そう言った意味で、俺はトップを走っている訳だ。
それに何の意味が有るのか? と言われればそれまでなのだが、せっかく手に入れた優越感だ。暫く浸ることにしたい。
昼はこの島でレベルを上げ、夜は隣のコマ島から配達の仕事をする。
そうやって、力と金を溜めつつ、じっくりと次の目標を定めよう。
んー。
浴槽の中で両手を上げ、大きく伸びをする。
この細い体もなんとなく慣れてきたな。
触り慣れた自分の胸を揉みながらそんな風に思う。
ハルシュ Lv.6
筋力値:8
魔力値:8
敏捷値:8
装備:
【ダマスカスランス】
【ワイバーンスケイル】
セットスキル:
├[1]【飛行】Lv.1
├[2]【槍】Lv.1
│└─【防御】Lv.1
├[3]【神聖魔法】Lv.1
├[4]【観察眼】Lv.1
│└─【夜目】Lv.1
├[5]【超反応】Lv.1
└[6]【離脱】
所有スキル:
【回復】Lv.1
【魔法防御】Lv.1




