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桔梗紋  作者: 翠泉
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揖斐城攻め

 続いて揖斐城へ向けて行軍しているのだがやはり山は厳しい。

 さらに兵は先の戦いではほとんど減っていないので一万はいるのである。

 こんなに大軍だと目立って奇襲とかかけられたら嫌だな……




 「殿、このまま待っていてはなす術なく全滅ですぞ!」

 予想以上に斎藤勢の行軍が速い。

 想定外だったのは相羽城がすぐに落とされてしまったことだ。

 まぁいくらあそこで時間を稼いでも自分にできることはないのだが……

 「このまま城に篭って隙をうかがいましょう!」

 「何を言っておるか!どうせ負けるのだ。ならば迎え撃ち一矢報いましょうぞ!」

 「死にたくはない!降伏しましょう」

 

 この通り意見は様々で纏まりがない。

 ただ自分には自覚がある。

 物事を決定するのが苦手である。

 「はぁ……」

 一体どうすればいいんだ……誰か早く話を纏めてくれ!




 「城まで辿り着いたか」

 ついに相手は奇襲をかけてくることはなかった。

 勝ち目でもあるのか、はたまた決断を下せなかったか。

 どちらにせよ城を取り囲んだ。早々に決着をつける。

 「城門をこじ開けろ!」


 相手も抵抗はしてきたが全て明智の鉄砲隊が討ち取った。

 訓練を積んできた甲斐があるというものだ。

 「光親を探せ!抵抗しないものは絶対に殺すな!」

 甘いと言われるかもしれないが無駄な殺生はしたくない……

 「城内に居りませぬぞ」

 逃げられたのか?蟻一匹を逃しはしないほどの包囲をしていたのにか?

 「探せば必ずいるはずだ!もっとよく見るのだ!」


 数分後

 

 「見つかりました……」

 そこには井戸の中で溺死している光親だった。

 自殺を選んだか……

 「戦は終わった!」

 とうとう美濃を平定することができた。


 「勝鬨を上げよ!」

 斎藤勢は皆、勝鬨を上げた。

 「十兵衛、今回もお主の鉄砲隊には助けられた」

 素直に褒めてくれるのは嬉しいが自分達がいなくても普通に勝てただろう。

 できるなら参加したくはなかった。

 美濃同士の戦いは集結し、自分の胸中には虚しさだけが残った……

 

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