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桔梗紋  作者: 翠泉
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茶道の心得

 久し振りに帰ってきた気がする長山城。

 やっぱりここは良いな……

 月日が立つのは本当に早く、もうこの生活に馴染んでいた。

 「戻ったか、十兵衛」

 叔父である光安は笑顔で出迎えてくれた。

 「ただいま戻りました」

 疲れが一気に襲ってきた。

 「今日はよく休め」

と叔父上は優しい言葉をかけてくれた。


 気づいたら既に朝が過ぎていた。

 やっぱり疲れていたからかな?

 部屋から出るとそこには左馬助が待っていた。

 「今日は何かあったかな?」

 全く分からない……もしかして重要な事を忘れているのか?

 「光安様が今日は茶会でもするかと言っておられますよ!」

 えぇ……疲れてるのに何でそんなに堅苦しいことをしなければならないんだよ!

 仕方なく左馬助についていった。


 「失礼します」

と言いながら部屋に入ると、そこには叔父上と広忠殿が座っていた。

 「遅かったな、十兵衛よ。やはり疲れていたか?」

 叔父上が言う通り疲れてはいるが……

 「そこまでですよ」

と見栄を張った。

 「今日はお前に茶道を勉強してもらいたくてな」


 茶道とは一体何なのか?

 先ず根本的には、自然体のままで季節感を大切にし、もてなしとしつらえを基本にした生活様式だといえる。

 茶道とは、こうした精神を基本にして、客を招き心を込めておもてなしする二幕の物語だと考えられる。

 侘び寂びを理念とし、形式ではなく心を重視するそうだ。

 なるほど分からん、これだけ聞いてもさっぱりだ……


 「取り敢えず儂と広忠殿で手本を見せよう。後で十兵衛と左馬助でやってもらうぞ」

 確かに礼儀を学ぶのは大切なことだし交流の場にもなるから必須だと思った。


 先ずは叔父上が菓子を持ってきた。羊羹のようだ。

 「お菓子をどうぞ」

 まるで別人のようである。

 お先にと言いながら広忠殿は菓子の器を両手で持ち上げた。

 そして添えられたようじで切りながら食べ始めた。

 聞くところによると抹茶が出てくる前に食べきらなければならないらしい。

 

 食べ終わるのを見計らい叔父上はお茶を点て始めた。

 これを見ただけで茶道に精通しているのが分かる。

 これはかっこいいと感じた。

 「お点前(てまえ)頂戴いたします」

と広忠殿は叔父上に言ってから抹茶を飲んだ。

 飲むときには茶碗を左手に軽くのせ、右手を添える。

 さらにお茶碗の正面から飲んではいけないそうだ。

 全くもって面倒だが、これを続ければ人間的に成長できそうな気がする。


 「他にも茶道具の説明などもしたいがこの辺でいいだろう」

 もうすでに自分は疲れていた。

 決してこの空気のせいではない!昨日までの疲れのはずだ……

 「ではお前達にもやってもらおう!」 

 そこから今日一日は叔父上の厳しい指導が続いた……

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