大桑城 〜終結〜
「相手は今、油断しているはずだ。この機を逃さず城に奇襲をかけろ!」
城攻めにはいろいろな方法があるが現在の状況であれば奇襲で攻め入るのが得策である。
相手はまさかここまで来るとは思っていなかったであろう。
このような状態になると兵の数はあまり意味がない。
「狙うは土岐頼純と叔父である頼芸の首だ!」
場内に入ることができた。
ここでこの戦は終幕だ!
「明智の軍勢150は城内に入りこちらを目指しているとのこと。我が軍では勢いを止められません……」
「もう潮時だな……頼純よ、儂は逃げるぞ」
「叔父上……左様ですか。私は慕ってくれた兵のためにも逃げるわけにはござらん!」
「そうか、では達者でな」
城を駆け上がるのは予想以上に疲れるものであった。
これなら日頃から体力作りをしておけばよかった……
やっと最上階に辿り着くことができた。
そこには一人佇む男がいた。
「お主が土岐頼純で相違ないか?」
「いかにも私が土岐頼純じゃ。とうとうこの時がきてしまったか……」
土岐頼純と名乗った男にはもう生気の欠片も感じられなかった。
死を覚悟したというものであろうか?
「貴方達に私の首をお渡ししましょう。その代わりに一つお願いを聞いては下さらんか?」
「申してみよ」
「私の兵達を引き取って下さい。彼らにも生活があるのです!兵達は何も悪くないのです……」
この男は自分の死を間際に兵達の心配をしたのである。
人柄には尊敬の念を抱く。
「心得た。では……」
と自分は手に汗を滲ませながら刀に手をかけた。
刀を振り上げた時いつもより重みを感じた。
人の命を断つからだろうか?
だが首を斬り落とすのは一瞬のことであった。
「大将首を討ち取ったぞ!」
この戦は終結した。
自分達は大きな勝鬨をあげたのだった……




