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5/5

NO, 5 熱血先輩の苦悩

やっぱり、感想書かれるとやる気出ちゃいますよね

 「たのもー」


バシーン!


 演劇部の部活動体験では、実際に演技を体験させているらしい。

 場所は、体育館で一番小さいらしい第5体育館。という訳で、裏口からババーンと入った。


「うっせぇー」


すると、背後にいた雨坂に思いっきり頭をぶっ叩かれた。

 かなり痛くて、若干涙目になりながらキッ! と雨坂を睨んだ。

 こういう時は、派手に登場するのがいいのに。まぁ、確かに、思ったより大きい音がなっちゃったけど!


「静かに入れよ」


「良いじゃないか、派手で」 


 しばらく裏口の玄関辺りでガミガミ言い合ってたら、演劇部の皆さんと体験中の生徒さん達があっけらかんとこっちを見ていることに気付いた。

 あはは。……あるぇ~?


「「………」」


「「「「……………」」」」


…………


しばらくの間、沈黙が続いた。

どうやら、滑ったらしい。変な目立ち方をしてしまった。


「えーと、こんにちは?」


「「……どもっす」」


 沈黙を破り口を開いたのは、演劇部の方だった。

 

「入部希望者かな? それとも、体験希望者かな?」


「……えっとすね、知り合いに会いにき

「おぉーー!! 空音じゃあないか!」


 私の言葉を遮った人物が、猪のように突進してきた。

 すると、私の手を握り、ブンブンと上下に振り回す。目が回る。


「ちょっ、梨火先輩、痛っ、いっ!」


「ん? ああ、すまん」


 私は真っ赤になった手をさする。

 ったく、私の綺麗なおててが赤く腫れてしまうではないか。


「いってー……。まったく、相変わらずですね。お久しぶりです、先輩」


「おーおー! 久しぶりだな、空音。積もる話もある。外のベンチにでも行くか。……部長、ちょっと外へ行ってきます」


「………あぁ、すぐ戻れ」


 あっ、さっきの部長さんだったたんだな。


 ………それよりも気になることがあるんだが。

 隣にいる雨坂が、どこぞにいるアイドルを見るような目で、梨火先輩を見ているんだけど……。

 キラキラしてるよ、雨坂の目が。キラキラビームだよ、もう。









「おー、いい場所っすねぇ」


 体育館の裏にある、ベンチのところは、とてもいいところだった。

 綺麗な緑たちが生い茂っていて、その間から漏れる光はとても美しかった。

 それに、木々の風に揺れる音と小鳥のさえずり以外の音、雑音はなく、とても落ち着く。


「あぁ、いい場所だろ、此処。役作りとかする時は、よく此処を使うんだ。静かだから、集中できるんだ」


「ほぉ~~」


 私も使ってみようかなー。確かに集中できそう。


 あと、さっきから雨坂の目から出てるキラキラビームが、そろそろ痛くなってきた。


(早く行けよ!)


 私は、はんば先輩に押し付けるように、雨坂の背を押した。



「……………………すんません、炎崎先輩。サイン下さい」



 長い沈黙の後、雨坂は無表情で、しかし瞳はキラキラさせながらサイン色紙を梨火先輩にそっと渡す。

 そうなのだ。実は雨坂、梨火先輩に憧れているらしい。あっ、勿論演技方面だよ。

 えっ、まさか雨坂、実はそっちの気が………! と聞いたら、無言で頭を殴られた。そして、結局どうして憧れているのか教えてくれなかった。


「あっ、おお」


 うんうん、分かるよ先輩。

 さすがにさ、端正な顔でおっきい狼みたいな不良っぽい奴にサイン色紙をそっと渡されたら、誰だって驚くし、戸惑う。

 驚かなかったらあれだよ、鋼の精神の持ち主だな。


「ほい」


「……あざっす」


 雨坂はさっと頭を下げた、腰を90度つまり直角に。

 ………よく考えると、何なんだろうか、この状況。この場合の私の立場って?

 …ま、いっか。

 雨坂は、サインをもらえて嬉しいのか、ずっとサインとにらめっこしている。


「いやー、まさかサインを求められているとは思わなかったなー。空音の友達は面白いな」


 先輩は、ふと寂しげに微笑んで、こちらに向き直った。そしてその表情は、先輩が滅多に見せない真面目な表情(かお)へと変わった。


「……空音、此処に来たってことは、まさか、入部希望、か?」


 何故かその瞳が、不安そうに揺れた。


「え? いや、先輩に会いに来ただけスけど。でもあれ?先輩、中学ん時は私のこと、すっごく勧誘してきたじゃないですか」


中学の時は見かけられる度に、「演劇部に入ってくれ!」て追いかけられて、学校の名物になるくらいだった。まぁ、私には仕事があるので断ってたけど。


「……いやー、誘いたいのは山々なんだがなぁ。ここの演劇部はなぁ、ちょっとおすすめできないんだよな」

「え、なんでですか」

「……ああ。中学は楽しかったんだがな。みんな仲もよくて、辛いこともあったけど楽しくて、チームワークもあってそれに技術力も高かった」


そう呟くと、彼は後ろを振り返った。


「だが、どうだ今は。女子はヒロインの座を巡りあって争い、男は役をもらった男をいじめる。そのくせ技術力は低い」

「えっ、じゃあ先輩は」

「まぁ、好かれてはないな」


何だ、そのドロドロしたものは!


「何ですか、それ!そんな部活すぐやめた方がいいじゃないですか!」

「そうっすよ」


雨坂も混ざってきた。

ファンとしては見過ごせなかったんだろう。


「そうも言ってられないんだよなぁ色んなところからのスカウトは部活を理由に断ってるし、もし部活やめてスカウト受け入れたら、学校にあまり来られなくなってしまうだろう?それは嫌なんだ、俺は高校でしかできないこと、今しかできないことをここでこの学校でやりたいんだ」


スカウトされた後に売れないっていう可能性を考えてないのか、先輩らしいな。

あっ、うちの事務所を紹介しようかな。うちの事務所、今んとこは声優専門だけど声優も演劇の一環だし、卒業までは家で修行してもらって、卒業したら俳優の道へっていうのでもいいし。

学生だから仕事は休日と平日の夜だけだし、学校来れるし。

……ってだめだろ。私の正体が完全にバレるじゃん。それは契約に反してしまうぞ。

じゃあ、私が先輩に言えることってなんだろう


「私は部活には入りませんが、役作りや読み合わせならいつでも付き合いますよ、ね」


まあ、これぐらいかな。


「おっ、おう」

「ですので、無理しない程度に頑張ってください!」

「ああ、ありがとう」


先輩は目をつぶったかと思うと、かっと目を見開き叫んだ。


「先輩?」

「これこそが青い春と書いて青春というものなんだな!」


目頭を押さえながら、おおげさに振る舞う。


「……やっと先輩らしくなってきましたね。静かで暗い先輩なんてらしくないですよ、やっぱり」


背中を思いっきり叩いた。私の全力で。


「ああ」


先輩はニカッと、中学の時の太陽のような笑顔で、思いっきり背中を叩き返してきた。






見てくれてありがとう、ほんとに、こんな駄文を

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