アン砦付近の国境2
「あの程度の人数で、国境を無理に越えて侵攻してくるつもりではないですよね?」
ジェロは帝国の100人規模の人数が微妙に思えてしまう。
「そうですね。普通の戦闘であれば圧倒的に少ない人数ですが、何か会話をしに来たのであれば多すぎます。何かあっても帝国領内に引き返すことができるような人数規模にしたのでしょう。それでこちらの様子を伺うつもりで」
「……武闘派、いえ、皇弟派と連絡をとり、アン砦やモンテリオンに帝国軍が入ることができるのかの確認ですかね」
「おそらく」
「……いったいどのような内通の約束をしたのでしょうね。今まで敵対していた帝国軍が砦や都市に入れる可能性を思うなど」
「皇都と戦うために帝国の軍勢を取り込むつもりならば、そのようなことを気にしてない、ということなのでしょう……」
モリエールが辛そうな顔をする。
「さて、これからどうされますか?ロゾニアの街は、帝国と通じていた騎士団員もおりますが、カステル中佐は代官を含めて皇弟派にはならないと意思表明されていますよ」
「そうですよね。ロゾニアの方はそうですよね。しかし、このアンの砦とモンテリオンは皇弟派の方が圧倒的に強いので」
「ご家族など含めてロゾニアに避難することはできないのですか?」
モリエールが仲間の顔を見渡してから答える。
「もちろんそうしたいところですが、上手く行くかどうか。なので、砦やモンテリオンにおいては、魔術師団員たちも皇弟派に反対していない素振りを続けていたのに……」




