アンの砦の様子2
「見張りもたくさんは居ない感じだったし、牢屋に居る理由を本人たちに確認してくる?」
ヴァルが相談をしてくる。
「私たちの存在を変に知られない方が良いかも、と思って何もしてこなかったわ。ジェロたちと相談しようと思って」
「そうか。そうだな。下手に知られるよりは、命の危険がなさそうならば、そのままにしておこうか」
「でも、どうして牢屋に居るのか気にはなりますよね」
「リスチーヌの言うとおりだけど、やっぱりこのタイミング。武闘派の騎士団員が、皇都と戦うときに、後ろから攻撃されることを回避するという名目かな」
「そんな仲間同士で……この間にムスターデ帝国が侵攻してきたらどうするつもりなんですか」
「その帝国とは裏で手を組んでいるつもりだから、皇国の領地内に普通に帝国軍を引き入れるのかも……」
「ちょっと不安になったから、国境の方も見に行こうか」
「そうですね」
そのまま≪飛翔≫で国境に向かうと、すぐに人の集団が見えてくる。
「あれは」
さらに近づくと、国境付近で、帝国側からと皇国側それぞれに人がいるのがわかる。
遠くに離れたまま≪集音≫魔法を使って会話を確認する。
「だから、許可の証がないまま、帝国兵が国境を通るのを認めるわけにいかない」
「おかしなことを。そちらからこちらに来るように連絡をしてきたのに」
皇国側はローブ姿で騎乗している魔術師団員と思われるのが30人ほど。しかも、いま代表して発言しているのはモリエール少佐のようである。
一方、帝国側は100人ほど。ローブ姿も数人みえるがほとんどは騎士団員のようである。
モリエールと会話しているのも、騎士団の役職者と思われる。




