表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我はツチノコ  作者: あいうわをん
第8章 忘却の最果てにて
767/786

夢と書いて惨劇、と読む

秋の夜長に書いてみた…… 夜が長すぎるな。



敵対してくる魔物には容赦しません! でも魔物は喋れる可能性があるからなぁ、人語を解する者をものすのはちょっと気が引ける。フクロウと言えば、森の賢者、喋れたかも知れないし、いろいろ物を知っていたかも知れません…… 


とりあえず血がダクダク切ったところから出てるのですぐに高いところに吊しましょう! 夜目が利くとはいえ、やはり暗いと昼間のようにはいきません。我、光魔法・光纏いを使って辺りを明るく照らします。どうだ、明るくなっただろう? 毎回この台詞言ってる希ガスw。手頃にある木の枝に狩ったばかりの獲物を吊しましょう。その前に頭部は土魔法で埋葬です、フクロウよ、安らかに眠れ。お前の体は我の身になるのじゃ(我以外の身になるのかも知れませんが)。



 我、銀魔法・銀糸を出してフクロウの両足を一緒に縛り、手頃な木の枝に吊します…… 我より重く大きいものをどうやってつるし上げたかと言われたら、それは無魔法・マギハンドでと答えます。


 もうそろそろアナから貰った無魔法が使えなくなるかな、そんなこと考えながら吊し作業を終え、一段落。コーヒーでも飲んで一服、と。グラニーラムゼースミスの里でコーヒー豆を作ったときに、我用にとっておいたのだ。ウサギとか鳥とかはコーヒー飲まんだろうしな。


我の体内でコーヒー豆をすり潰す。つーか、我の体の中っておかしいよな、我ながら思います。体内で何でも蓄えていて、しかも体内で魔法使い放題(無論、我が体外で使うのを制限されている魔法は体内でも使えません)。コーヒー豆は土魔法で作ったミルで引いて、粉になったコーヒー豆を銀魔法・銀布に包んで、体内に蓄えてある水を火魔法でアッチッチになるまで加熱し(現状、水魔法は使えないので)、これまた土魔法で作ったコーヒーカップに布に包んだ豆と熱湯を入れて待つことしばし。お湯の温度と待ち時間、豆の挽き具合をどのくらいにすればいいのか、よくわかりません。まあ大体でいいだろ。こういうのはトライアンドエラーでいいのです。そろそろいいかな? コーヒーカップ(コーヒー入り)のみをオエッと吐き出します。


さて、夜中に蛇の身で飲むコーヒーの味はいかに……とか思ってたら、上でなんだかバタバタ音がしますな。何事かいなと思い見上げると、巨大な蝶! いや、腹がでかいから蛾か? でかい! そして羽が気色悪い! この世界の虫は、なんでこんなにでかいのだ? 一匹だけではない! 何匹もいますな! もしかして、我の獲物を奪いに来たのか? と思ったけど、それにしては吊したフクロウのところには来てませんな…… 何してるんだ? ただただ我の頭上…… 吊したフクロウよりもっと上の辺りをバサバサ羽ばたいている…… 何しに来たんだ? 頭をひねる我。もしかして、光に集まってきたの? 我、光魔法を止めてみます。光が徐々に弱くなっていき、周囲の闇と一体になりました。まあ闇と言っても星明かりはありますんで、それくらいあれば夜目で十分に見えますな。さて、肝心の蛾さん達は寄るべき光がなくなったので徐々に散開していきます…… そして誰もいなくなった。光に集まっただけか。それでは火にしたらどうなるのかな? 我、火魔法を夜空に向かって吹き出します。森に向けて火を噴いたら山火事(森林火災?)になりますからな。



火魔法・火炎放射!


ブフォーーーーーーーー!



日頃使うきっかけのない魔法を使ってみました。火柱が我の口から立ち上がります。その周囲は赤黄色に照らされていますな。さて、蛾達は……っと、やっぱり集まってきました。飛んで火に入る夏の虫ですな。何やら気持ちの悪い蛾の羽を見てみる…… ぐるぐる、ぐーるぐる…… ぐるぐーるぐるぐーーーーる…… なんだか世界が回ってきた…… いや、回っているのは我の頭か? それとも目が回っているのか? これって、もしかして魔法の一種? わからないときは、とりあえずアタックしてみる! ほれ、火魔法・火炎放射のデンプシーロール! もしかして森も焼いてしまうかも? でも我の体が大事なんじゃ!夜空に向かって火ぃ噴いていたが、ランダムに動く蛾達に的を絞ります。目が回っているからなのか,なかなか蛾に当たりません。当たりませんが、我の火魔法は高温なので当たらなくてもいいのです! 空気を温め蛾達のひらひらと舞っている動きをおかしくさせてやります。


あ! ついに一匹仕留めた! 


特に変な音は聞こえない…… あれ? ということは、こいつら普通の虫なのか?今までこの世界であった虫は100パー魔物だった気がするのだが?魔物でない虫も生息しているんだ。目を回しながらも考察は進めます。考えているうちにどんどん火炎放射に当たってしまった蛾が落ちていきます。



 気が付けば上空に飛ぶものはいなくなっていた。代わりに地上に焼け焦げた蛾の成れの果てがいくつも転がっていた。かなりの数を殺虫してしまったのだが、この辺の生態系に悪影響を及ぼさないのだろうか。先ほど淹れたコーヒーを忘れていたことに気が付いて、今度こそ本当に一服。ペロペロとコーヒーカップの縁を舐めてみたら温くなっていた。そんなに時間が経ったのか。なんだか山際の一部が明るくなってきてた。





お読みいただきありがとうございます。

それではまた次回。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ