紫体験
遅ればせながら…… 祝!(なのか?) デジタル担当大臣留任!
迷い惑わしの大樹の広場(もう広場でいいか)につきました。さて、ここの広場で魔法の確認をしましょうか。
”お母様、私もいただいた武器の使用方法を確認したいのですが、あれらを取りに戻ってきますね”
あー。ラムを背負ったから両手が塞がってたか。そんじゃ取りに戻りなさいな、すぐに帰って…… 来た! 声を掛けてから瞬く間だった。瞬間移動したのか?
”お待たせしました! ”
いや、全然待っとらんがな! あっという間に行って戻ってきたのな! 息切れもしてないし。手に持った得物、重そうにもしてない。そんなに軽々しい物ではないはずだが?
”そうですね。豊穣収穫の方はともかく、鍛造逸品の方はなかなかの手応えですね”
ふむー、なら二刀流…… 刀じゃないから違う名称がいいか…… でも、鎌と槌だしなぁ、両手流とか双手流? 名前がしっくりこないですね。それはともかく、武器はここの温室に置いておこうか。それと、解体用のナイフも。そう、この場所にはアナの居場所として温室を作って置いたのだ。それと、近くにアナの地下ねぐらがあります。ラムもここに住むようになるのだからラム用ねぐらも作っておきますかね。
我は土魔法で温室内の床に穴を開け、アナ用ねぐらの場所までつなげます。そしてその近くにラム用ねぐらをつくります。これでここで二匹が暮らす準備良し。後はハウス内で料理ができるように台所と、作ったものを食べることができるようにテーブル、椅子、後様々な雑貨を作ります。これで拠点の一つは完成です。賢いウサギは拠点を三つ持っているという…… 神樹さまのところとここと、もう一カ所どこかに作っておきますかね。それはあとだな。
アナはテーブルに鎌と槌、解体ナイフを置いて我の後についてきます。することがなかったラムはアナの後を追いかけます…… ついてきてるよな? アナは後で温室の使い方をラムに教えてあげてね。
ハウスを出て広場に戻ります。今は真夜中ですがウサギ達は夜目が利きますので、我が何かをしているかは見えると思います…… が、星明かりだけだと詳細は見えないかも知れません。どの程度夜目ってみえるものなんかね?
”そうですね、昼間よりも見えなくなるのは確かですね”
なら、ちゃんと見えるように…… 我、発光します!
”光魔法・光纏い!”
月明かり程度で光りますよ。
”す、すごい…… ”
”お母様はそんなこともできるのですね…… ”
二匹ともなんか口があんぐり開いていますな。こんなので驚いちゃいけません。さて、これからラムちゃん用に紫魔法をお見せします。
”先ほどおっしゃられた、カミナリ魔法というやつですか? ”
そそ、まあ紫魔法にはカミナリ魔法が含まれているのだけど。
”ムラサキの中にカミナリが含まれている、と”
”ムラサキ、というのはなんなのでしょう? ”
紫とは、色の名前の一種ですな。青よりも青い色、青のその先にある色です。
”青のその先…… 想像もつきません”
宝玉で見せた方がいいか。
”土魔法・土石変換!
青よりい出し藍より青い紫色の宝玉を、淚滴状に。尖ってる方に穴を開けて”
ころりん。ラムの前に現れたる一粒の宝石、アメシスト。そら、記念に持っときなさい…… そうだな、思念伝達のミサンガをほどいて。その穴に紐を通して、また付けなさいな。
”お母様、紐がほどけません”
ラムちゃんは手がほぼ使えませんからなぁ…… 我の無魔法マギハンドでちょちょっとミサンガを外しまして、アメシストの穴に紐を通して、またミサンガをラムの手に巻きます。
”こ、これが紫色…… ”
ラムちゃん、ミサンガに付いたアメシストを見ています。日中に見たらもっとはっきりわかるから。どうだ、青より青かろう? アナがうらやましそうに見てますな。アナもいるか?
”あ、お母様が無魔法を上手に使っているのを見てうらやましいと思ったのです…… 宝石が欲しいとは…… いただける物ならいただきます”
ああ、アナが見てたのは宝石じゃなくって我の無魔法だったか。それとも手さばきの方かな? まあその辺もよく見て学んでください。それとは別に
”土魔法・土石変換!
堅く、何よりも輝く無色の宝玉を、淚滴状に。尖ってる方に穴を開けて”
ころりん。ラムのアメシストと同じ大きさだけど、表面が曲面ではなく平面が複雑に合わさり合って淚滴状になった物…… ダイヤモンドができあがりました。これもアナの付けてる思念伝達ミサンガに通しましょう、そうしましょう。アナは目の前で起こることをよく見ておいてね。我のマギハンドでミサンガを外し、紐を宝石の穴に通し、再びミサンガをアナに結びます。わかった?
”よくわかりませんでした…… なんですか、あの指…… と言うものがうねうね動いたと思ったら、あっという間に終わってしまってて…… ”
あー、アナの手ではまだまだ指を使うのは難しいようですな。そこはそれ、無魔法の練習と思ってやってみて。指先の感覚が鋭くなれば、武器の取り扱いも上手になると思うよ?
”はい! ”
そしたら次はラムちゃんだな。ラムちゃんに見せるのは
”紫魔法・静電気”
…… …… …… なにも反応がないな? ん? んん? んんん? アナとラムが少し膨らんでいる…… お胸じゃないですよ? 全体的に膨らんでいる?
”…… なんだか毛が…… ”
”お母様の方に引っ張られているような…… ”
あー、静電気のせいで毛が立っていたのか! これが紫魔法・静電気です。
”毛を立たせることの意味はなんでしょう? ”
意味は…… ないかな? 結果として毛は立つけど。それより、ラムちゃん、ちょっとぴりっとするから。我、ラムに近づきますと、ぱちっと音が!
”きゃっ! ”
ふむ、紫魔法のレベル1だとこんなものですか。今ではレベル表示はないけれど。
”お母様、今のが紫魔法ですか? ”
アナが聞いてきます。ラムちゃんはちょっとびっくりしたようで呆然としております。まあレベル1だとこんなものです、ラムは…… どうかな? 紫魔法・静電気の威力は?
”これが紫魔法…… なのですね? ちょっとびっくりしましたが、 一瞬ピリッとしただけなのですが…… 威力が上がるとすごいことになる、のでしょうね”
まあそうですね。それでは威力の上がった紫魔法をご覧あれ。
森の中にぽっかり空いた夜空に向かって
”紫魔法・雷!”
ピカドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!
うお! 光と衝撃が同時にきた!
真黒の空を貫いて~異世界うった雷は~♪(じゃじゃん)
彼女ら幼~いラビットに~♪
目覚めてくれと放たれた~♪
嘘や! 気絶してくれと放たれたようだ! それが何より証拠には、目の前の二匹のウサギは両方とも気絶していたから!
お読みいただきありがとうございます。<(_ _)>
それではまた次回(@^^)/~~~




