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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第8章 忘却の最果てにて
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待ち時間に料理をします

うおおおおお!

(深夜、謎の雄叫び( ゜Д゜)дДD)


 アナがいつ現れるか、よくわからないですな。大体何処にいるのかもわからないのに、いつ帰るかなどわかるわけもない。なので、アナが帰ってきたときのために料理をすることにした。神樹さまの近くに我が建てた簡易ハウスがありますので、そこに入って待つことにしましょう…… 


そう言えばここには家具が一切ありませんな。あるのは先代神樹さまの像だけです。ハウスの中央にテーブルと椅子を4脚、あと、神樹さまの像と反対の位置にかまどを造ります。便利な登録魔法、


”物品作成! テーブルと椅子を大理石で、竈はレンガでオナシャス!”



あとは竈のサイズに合う鍋を…… 


ここで我、気づく…… 鉄だって元は石じゃね? だったら鉄製品も土魔法で造れるんじゃねー? そういや、金魔法でレベルあったときにLv.4ぐらいで”鍛錬成”というのがなかったか? 土魔法の土石変換って単に土を固めて石にしてるだけの魔法かな? 鉄…… 鉄鉱石とかにはならんか?



”金属指定すると時間がかかります”


できるんかい! はよ言うてくれ! だったら鉄で土鍋を…… 鉄鍋ですな! それと鉄製フライパンオナシャス!



 いつも物品作成で皿やコップを作るときはするーんと地面から物がでてきますが、今回は時間がかかりますな…… その間に、料理の素材を出しまして、テーブルでカットして、ウサギ達の口に合うような大きさに揃えて。何を作っているかというとスープです。味付けは塩味…… だけだと物足りないかなぁ。ちょっぴり残っているゾヤゾーゼ(異世界醤油)を加えて…… あとは油分は…… スーススクローファ(異世界豚)の脂身使いますか。こうなったら醤油豚骨ラーメンを作りたいですが、小麦粉は昨日えびせん作って使っちゃった。デンプン質の物はジャガぐらいか…… 待てよ? ジャガからデンプンとってカタクリのようなもの作ったよな? デンプンあれば麺ができると聞いたことがあるような…… とりあえずやってみましょう! とりあえず、ジャガをたくさん吐き出します。おぇええええ! そして


“金魔法・抽出!”

“ン デデデデーン”

“なにからなにを抽出されますか?”


えーと、このジャガイモからからデンプンを抽出してちょ! あ、抽出したものはこのボールに入れといて下さいね。


“テ・テ・テ・テーン”



目の前のボールには白くてさらさらな魔法の粉が><。後はマギハンド……あ、今使えないんだっけ、しょぼーん。



”今使えますよ? ”


え? なんで?



”ホーンラビットから無魔法の魔力を吸い取りましたので、この調理時間分くらいはマギハンドが使えます、なので豚骨醤油ラーメンを所望します”


魔法屋~、お主それが目的か~、さすがに稀代の悪よのう…… あ、ところで試作品だから”地母神”さまにお供えする必要はないですよね。



”私が味を見てから判断します”



そうですか、ニコちゃんがお毒味係でしたか。わかりました、ご期待に添えるようにがんばるぞ! ”物品作成”でラーメンどんぶりを作りまして、割り箸として竹を箸状にカットしておきます。後は具材がいろいろないですが、とりあえず麺とスープだけでいいか。カタクリジャガイモデンプンねる用の大皿に乗せ、そこにお水を混ぜます、おえっ! 全然足りない…… おえーっ! 


ここで出ませい!無魔法・マギハンド! 懐かしのお手々が出てきました! これでかき混ぜ…… られないので、指部分を泡たて器のように変形させます。マギハンド、とか言っているが、我の魔力なので自由に形を変えられるのです!かき混ぜると今度は水分が多過ぎ…… ここで水を足すと全量が多くなるので、金魔法で水分だけ抜き取ります。いい感じに…… なったのかな? お湯に浸けて固めてみますか? 我、別のボールに水を吐きます、おぇーーーー! 寸胴鍋みたいなボールに満タン水を入れまして、ここで、


おいでませラプロス! 小鳥形態で!



我の口から呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン! 出てきたところ悪いんですが、このお水の中に入ってみて? ラプロスはすんなり寸胴の中に入りますよ。寸胴の中に入ってぐるぐると回っております! あ、水の中が泡立ってきた! 水温が上がってきています。あっという間にぐらぐら沸騰し出しました! もうええで。ラプロス、出てきなさい。よくやりました。ラプロスはお湯から出てきてまた我の口の中に戻ります。それでは麺の元を…… そうですな、ところてんのように押し出してみますか。我、マギハンドの一つをシリンダーに、もう一つをピストンにして、シリンダーの中に麺の元を入れまして、ピストンで押し出します。にゅるるるるるるるる……………………………………お湯の中に入った麺の元は、小麦粉の麺のように白くはならず、半透明になった…… 春雨っぽいですな。これはもうラーメンではない。というか、ラーメンというのは麺を引っ張って伸ばした物をいうのです。そのために麺に鹹水かんすいを入れて麺が伸びるように工夫したものがラーメン(拉麺)なのだ! 



”それはそれとして、おいしそうですね” 


ゆであがった春雨もどきを寸胴から出しまして、後はスープ作り…… これまた別の寸胴を出しまして、スクローファの脂身を細かく刻んで鍋に入れます…… 外側をちょいと加熱、ラプロスを出すまでもありません。火魔法・ファイア! 脂身が溶けたら玉ねぎを刻んで炒めます。水分飛ばしてチャツネになったら水を入れ、お塩を投入。あとは人参、大根、ゴボウの根菜を入れて煮ていきます…… ラムは起きませんし、アナは来ません。葉物野菜はどうしようか…… 



”あ、根菜類は入れなくて麺だけでいいですよ”


おっと、ここで注文が入りました。ネギとかショウガとかの薬味はいらないですか?



”そのまま素材の味をいただきます”



とのことなので、魔法の声のニコちゃんに先に味見をしてもらうことにしました。どんぶりに先ほど湯掻いた麺を入れ、今しがたできたスープを入れて完成です。割り箸付けて、さて、ご賞味ください!


シュオン! という音とともにたった今できた春雨スープが消えた……



”………”



我も食べてみますか…… マギハンドを普通の手状に戻してドンブリに麺を装ってスープを注いで、いざ、実食! フーフーしまして、ずるるるる!……… うん。まずくはない。まずくはないが…… 



”腕が落ちましたね? ”


やっぱそう思う? 調味料のゾヤゾーゼちょっとしか使ってないし。何より肉が使えない。酒も使えない。香辛料…… 胡椒だけ使っても……。いっその事、カレー麺にした方がよかったか? いや、もっとシンプルに昆布出汁の春雨スープの方がよかったか。



”これは供物にしないで正解ですね”


そうですね。 



とりあえずお疲れさまでした。

また次回( ´Д`)ノ~

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