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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第8章 忘却の最果てにて
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帰る途中

毎日暑おます(;^_^;)A

そして来週には台風が(; ・`д・´)

みんな、気を付けるんだ!増水したからと言って、川を見に行ったら、ダメだぞ!

押すなよ、とかじゃないからな!


 ラムちゃんをコウのタローの体に付けている揺り籠に入れます…… 落ちないよな? まあ我も一緒に籠の中に入るから大丈夫か。それじゃー、我の空の運転手よ、一旦神樹さまのところに戻るぞ! 今、昼過ぎて大分経ったので急いで帰らにゃ日の入りまでに着かない。行け、コウのタロー! 飛べ、コウのタロー!


「クェーーーー!!!!」



一声叫ぶとコウのタローは大きく羽ばたき宙へ浮く、浮く、浮く…… 風魔法の【上昇気流アップドラフト】なのかしらねぇ? 我、首だけ揺り籠から出し、景色を楽しみます。どんどん小さくなる林木や鳥居。しばらくするとコウのタローは上昇を止め、太陽を左手側(手はないんですけど><)にして進んでいきます。



”そんな急がせたって、今日中には戻れんぞ? ”


そうか? ここに来た時は、昼過ぎ頃出発して夕方には着いてたんじゃなかったっけ?



”目的地を探すのに手間がかかろうが! ホーンラビットたちが居た場所は適当に飛んで降りた場所だが、今度は違うだろうが。ある程度目星を付けて飛ばんといかんからな”


うーん、そういうもんかな? そんじゃ、その予定で。ただし、サカナもシケダももうないからな。



”ウサギ共に大盤振る舞いするからじゃ! もうちっと考えてメシをつくらんか! ”


なるほど、よし、今晩のおかずはトリの唐揚げだな! いや、シンプルに焼き鳥というのもありだな!



”そんなことしたらラムとやらが運べんだろうが! ”


残念! 我には生き物を飲み込んで貯めておく技能があるのだ! お前が食った大量のサカナ、アレは生きたまま、我の体内にあった奴だから、鮮度抜群だったろうが。



”むむ。そう言えば、アレは死んだ後の生臭さがまったくなかったな…… よし! それでは近くの川でもう一度サカナを捕まえてこい! ”


なーにをアホなこと言うとるか! 寄り道せずに早く帰るんじゃ、このう○こ鳥!



”アホ言う奴がアホなんだぞ! 早く帰りたいんならはよ出発すれば良かったのだ、このクソヘビ! ”


う○こは他人様の前ではしたことありませーん! 他人にう○こをぶっかけるお前がう○こ鳥じゃ! やーい、お前ん、うんこ屋敷!


うーん、我ながらなんという下等な煽り文句! 小学生でも言わんわ! しかしちょっと困りましたな。今日中には神樹さまのところにたどり着けないかな? う○こ鳥の言うとおり、出発した時間帯が遅かった。同じ距離を飛行するならもっと速度を上げないといけませんな…… 






 そんなわけで、我、行きにコウのタローが飛んでた高さよりもさらに高い場所、雲よりも高いところまでコウのタローを運びます、風魔法・上昇気流アップドラフトで! コウのタローよりも強力な上昇気流! 安定して飛ぼうとしていたら、さらに上へ参りまーす、と魔法をかけられ慌てふためくう○こ鳥。


”こらーーーー、急に魔法をかけてくるんじゃない! ”



しかしお前の魔法では今日中に神樹さまのところに辿り着かんのだろ? だったら我がお前の魔法にさらに上乗せして魔法を使っちゃるわ! そういうわけで、我の飛行機よ、南へ進路を取れ! そして進めーーーーー! 我の風魔法で入道雲を遙かに見下ろす高さまで上昇し、その後は斜め下に向かって風魔法・空気錘エア・ドリル! 前方の空気抵抗をなくし、さらにう○こ鳥の背後から風魔法・疾風ゲイル! これで行きの三倍速! 地上に降りたらジャー専用機としてう○こ鳥を赤く塗ったろう!



「クワァワァワァワァーーーーー!!!!!!!!」


おおぅ! コウのタローもよろコンドル! コウだけど!



”誰がコンドルかーーーーーーーー! そんなことより止めろ止めろーーーーーー!!!!”


止めません! 早く帰るにはこれが一番なの! それにしてもコンドル、いるのね? やっぱり頭は禿てるのかな? よし、う○こ鳥の頭の皮を剥いて血色に染めてあげましょう…… これでジャー専用機間違いなし!



”ジャー専用機ってなんジャーーーーーーーーーーー!!!! ”


我専用の乗り物ってことジャ! そらそら、もう一度高度を上げるぞ! 




風魔法・上昇気流アップドラフト! 




我の風魔法で再び高度を上げるジャー専用機w。そして再び雲を見下ろす高度になると

そら、突撃ジャー! いっけぇーーーー!






☀☀入道雲☀☀☀入道雲☀☀  


 大空を旅することしばし。日が傾いても日差しは相変わらずきついですな。夕日に積乱雲が照らされて少しオレンジ色になってますよ。この入道雲は雨を降らせる雲なんですかねぇ? 



 景色を楽しんでいる我とは対照的に、コウのタローはは我の風魔法に抗って翼を動かしていたものの途中からすっかり硬直して自ら動くことを止めてました。たまに様子を伺うが、なんだか目がどんよりとしています。最初のうちはギャースカ騒いでましたが、今はもうすっかり慣れてしまったようですなぁ。



”慣れる訳あるか! 自分で動く速さの三倍で動かされて見ろ! 誰だってワシのようになるわ! ”


えぇぇ? 三倍の速さでしかも他力で動けたら、我だったら大はしゃぎするけど?



”ワシはお前とは違うんです! ”


まぁそりゃそうだが、他力で自分の出す速さの何倍も早く動く経験なんか、この世界ではないだろうからなぁ。前世だと自動車とか電車、飛行機なんて走ったりする速さの何十倍何百倍?だし。いや待て、こっちでも人族なんかは馬に乗って経験することはできるな。馬以外でも足の速い動物とか魔物を使えばいいし。この世界では馬以外の移動手段をまだ見たことがないな…… 狼とかいないんですかね? ツノウサギ達の天敵が何か、聞いておくの忘れてた。ラムちゃんが起きたら聞いてみるか…………



”おい…… 考え事の最中だろうが、ちょっといいか? ”


なんや? どうした突然? 



”左前方に巨大な魔力の反応がある…… お前も風魔法が使えるんならわかるだろう? ”


なぬ? 巨大な魔力? それはドラゴンとか?



”ワシはドラゴンに会ったことはないからわからんが、少なくともワシの魔力より何十倍も大きいな…… まぁワシより大きな魔力持ちはざらにいるから何かは見当がつかんぞ?”


ふーん…… そいつは空にいるのか? そしたらちょっくら我も紫魔法・気配探知を使ってみましょう…… 




空中左前方にスイッチ・ON!1,2,OFF!  



2秒ほど気配を探知してみます。確かになんかいますな。けれどそれほどでかい魔力というわけでもなかったような…… 神樹さまのところに残していた静ちゃんよりもずっとずっとちっちゃいぞ? 



”…… そうか。お前はデタラメな魔力をもっとるからアレが脅威とは感じんのだろう。普通だったら息を潜めて身を隠すレベルだぞ! ”


へぇそう。



”ちなみにこのまま真っ直ぐ飛ぶともう少しで遭遇する……”


そんじゃあ低空飛行で飛び続けてみて? この辺なら森になってるから見つかりそうなら隠れちゃうか? 




 我の指示通りに森林直上まで降りて、そのまま南を目指します。が,日陰になるので方角が分かりにくい! ときどき高度を上げて太陽の位置を確認してまた戻る,ということを繰り返す。



”おい! あいつ、こっちに真っ直ぐ向かってきておるのではないか? ”


ふんふん、そんな感じですな。紫魔法・気配探知を使わなくても普通に感じるようになりました。と、言うか、目視できますな! 東側の空はもう青から紫色に変わって来ていまんで、{あいつ}を確認できました! 西側にいたら宵の明星かと思うくらいに輝いて見えます。さて、その正体はなんでしょうね? 大空魔龍…… は討伐されたんだったっけ…… 空を飛ぶ魔物だと、グリフォン? そんなものの話題は聞いたことがないが,そう言えばペガサスがいるという話はどこかで聞いたような? 後はファイヤーバードか。意外性があるものはなんでしょう? ああ、金色に輝いて見えます…… このパターンはキング○ドラのドラゴン系か? いや…… 違うな…… 我、目を凝らして{それ}を見つめます…… 翼…… 翼が見えます…… 鳥か? {それ}の周りが揺らめいて見えるのは…… 魔力のせいか? いや、ちがう! 空気が揺らいでいるのだ? なぜ? 決まっています、{それ}が熱を持っているからです! 



”あれは、ファイヤーバード! おい、どうする?! ”


うん、ファイヤーバードかなんかは知らんが、そういう魔物みたいだな。



”落ちついとる場合か! もう補足されたぞ! ”


ああ、逃げる必要はありません。{あれ}にこちらへの敵意はない。だってあれは……

 





我が,グラニーラムゼースミスで生み出した,火炎鳥(大バージョン)なのだから。



お読みいただきありがとうございます。

それではまた次回<(_ _)>

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