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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第8章 忘却の最果てにて
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野に生きるということ

GWの影響で頭がぼけてます><




 我はマダラの君を残して全てのツノウサギに束縛バインドをかけた。これで話がしやすくなりますな。


さてさて、何から聞きますかな…… しばし考えまする…… が、(アナが)黙っている様子が、マダラにはどうも怒っているように見えたようです。何か口をパクパクしています……



”…… 何か? ”


何やら土下座のような感じで頭を下げるマダラ君。



”お、お許しをいただければ…… お名前をお伺いしたく! ”


そう言えば、ツノウサギには女の子にだけ名前があるんでしたね。他のウサギも同様なのかな?



”先ほどの者は、アスカといったな? 他にもミサト、レイなどが居ると聞いたが…… なぜ、男の名がない? ”

”そ、それは単に名付け親の魔力が足りないからです! ”


えーと、ツノウサギが次世代全員に名を遺すのには魔力が少ないということですね。リョーカイしまうま。しかし、魔力って使ったら減るけど寝たら回復するよな……



”名付けの儀の場合、魔力は回復しません”


ん? そうなのか? 我、結構いろんな魔物に名前を付けてたような…… アナを筆頭に、ゴブリンとかネズミとかツバメとか。最大MP値が一旦は減るけど、でもそのあとMP使い切ってやれば、体力と同じで超回復するんじゃねーの?



”そこまでは普通出来ません。魔力を使い切ってしまったら、いつ敵から襲われて死ぬかわからないため、使い切るということはしないのです。これは野に住む者の鉄則です”


あらそうなのねー。我は鉄則破りのことをしていたようです。そうなると、魔力を使い切っては倒れたのを見守っていた神樹さまやボルちゃん達にはすごくお世話になったことになりますな。ま、ボルちゃん達にはいろいろくれてやったから、その件については相殺ですね^^。対話を続けます。



”……我の名が知りたいのは何故か? ”


この質問にはなんと答えるのでしょうか。



”それは無論あなた様の存在を我らハラカラの子々孫々まで伝えることです。無角にもかかわらず我ら有角のラビットを救う存在がいるのだと! ”

”角のあるなしで其方らは自他を分けるのか? 其方らは、同じヒトツノの白きウサギ達をシロンボーと呼んでこの地から追い出そうとしていたようだが? ”

”…… 仲間の勧めも有りましたが、私自身があれらを許せなかったからです! ”

”…… ”

”これはなき先代に聞いた話なのですが、白い毛色のツノウサギは、この辺りでは生まれえません。もっと北の、それこそ常に凍っている大地でしか生きられないはずなのです。白い毛色ではこの大地では目立ってしまって、敵から狙われるは獲物から発見されるはで、邪魔になって仕方がない…… そう仲間も言っておりました”






しんしんと雪が降っています。徐々に地面が見えなくなってきましたね…… 雪が降ると、今ここに居るシロンボー達は毛色のせいで目立たなく…… なってるかな? 結構薄汚れていてそこら辺にいるツノウサギ達とあまり変わらない気がします。


”そうなのです! 奴らは、あなた様と同じ真白い毛色をしていながら、その純白を穢すかのように泥まみれ樹液まみれ! さらにその振る舞いは品格もなく、口を開けば自らの欲望を満たすことばかりを言う! 奴らは奴らの毛色に全くふさわしくない!”


えーと、これは所謂嫉妬という奴でしょうか?



”欲を満たすことを言い、実行しなければ、この野では生きてはいけないでしょう…… 白い毛皮が汚れるのは、彼らがそうしなければ敵に見つかったり獲物から逃げられたりするからなのではないですか? ツノウサギという種族がどの程度強いかは知りませんが、もしもたいしたことがないのなら、”戦いは数だよ(アニキ)”と言う言葉を贈りましょう…… ”


たしか、コウのタローが、ツノウサギは弱っちいみたいなことを言うとったな。マダラ君はいまいち納得がいかないようです。それでは、質問に答えてくれた御礼に名前を教えてあげましょう。我、ファントム・アナを動かします! 前足を積もった雪に突っ込みます…… ちゃんと穴が開きますね、アナだけに!(ぷくっ)それでは本番です。雪に文字を書きます……雪の上にそっと書いたレターです。



”あの、何をされているのでしょう? ”


あ、しまった。魔物は字が読めないんだった。我はこの世界でひとりぼっちだった。いやちがうな、一応お竹さんもお仲間か。


”これは我の名前を書いたものです…… 魔物に文字が読めないことを失念してました…… ”

”それではお名前を教えていただけるので! ”

”私の名前はアナ…… アナスタシアのアナといいます……”


嘘です。本当はアナーキンラビットのアナなのでした! だってエルフがそうだと言ったから! アナスタシアはどっから出てきた!! なんか偉そうな名前にした方がいいかな、そう思いまして^^。


”パッパラー♪ ”


あれ? なんか変な音が聞こえましたな? メッセージがあるのか?


……………… 


いつもだったら何か言ってくるのに何も言ってきませんな? なんだったの? 今の音? 魔法の声の人? 


……………… 


何も言ってきませんね。たいしたことではないのかもしれない。ならば気にしないでいきましょう。




”さて、我は名乗った。其方も名乗らせたいが、名乗るべき名がないのであったな”

”あっはい”

”ならば我が其方ら三匹に名付けましょう…… そなたはこれより{マダラ}と名乗るが良い”


ついでにリーダー格のあと二匹、白黒縞模様のツノウサギと樹皮柄のツノウサギにかけた赤魔法を解除します。おや、樹皮柄の子はまだ起き上がれませんな。



”今立ち上がった汝は、{ゼブラ}”


樹皮柄の子に光魔法・癒しをかけますとようやく立ち上がりました。



”其方は、{イツキ}”


あれ? 今回は何も音がしないの? ラムちゃんの時はお知らせがあったのだが? ツノウサギはすでに眷属にしてるからなのかな?



”Exactly!”



うをっ! 急に大きな声で念話すんなや! 念話に声の大きさがあるとは思わなんだ! それじゃあさっきの変な音は?



”レボリューションラビット・アナの個体名がアナスタシアに変化したことを報告しました”


報告されてないんだけど?



”あちらに”



なんだ続きがあったのか、アナの方に連絡したのね。まあ、アナスタシアになっても愛称はアナだからいいや。それで、魔物に名付けをしてみたけど、特に魔力が減った感じはしないのですが?



”名付け元が名付け先に比較して大量の魔力を保有しているため、その減少量は感じられないものと推察されます”


あぁ、我の魔力量は…… 読めませんでしたな。見られるんだけど。



もうそろそろで

ツノウサギ編が終わるか?


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