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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第8章 忘却の最果てにて
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フォレストサイド・ストーリー

二つに区切ろうかと思いましたが・・・

ちと長めです( ゜Д゜)


 結局そのツノウサギ集団が捕まえたシケダは20匹だったようだ。それだけのシケダを捕まえるのに要した人数、ウサギだから兎数は…… 気配探知によると85匹いますな。一人頭一匹のシケダにも満たないです。これでは全員が食べられない。狩ったものが食べる習わしになっているのでしょうか? それとも均等に配分しているのかな? 我、気配を消して様子を探ります。



 どうやら、捕まえたものが胸の筋肉をもらえるようです。そしてその他、脚などは狩りのできない年寄り・子供に分けるらしい。さらにお腹の大きな雌には脳みそを食わせるみたいだ。身ごもっているのか。脳みそが一番栄養があるのかな? それで残りのまずい腹部を狩れなかったもので配分する。うーん、その量だと食べる量が少なくね? うちのプレイボーイズ達はシケダ一匹丸まる食って、さらに野菜なんかも追加して腹に入れていたが。腹が満たされることあるのかしらん? と疑問に思ってたら


”あー、今回もだめだったか”

”毎回毎度、くさい腹食うのは勘弁だけどなぁ”

”でも狩れなかったから仕方ない”

”何か腹に入れられるだけでマシか……”

”次はがんばろうぜ……”



なんだか足取りが重そうですな。その重そうな足を使ってぞろぞろと移動していきます。何処へ行くのでしょうね? 





 着いた先は次のポイントのようです。ここでも先ほどと同じ戦術を用いてシケダを狩るようです。あ、狩った! 先ほどとは狩れた数が減ってますな。逃げていったシケダの数から察するに獲物自体の数が少なかったのか、はたまた成功率が落ちたのか…… 


そう言えば、先ほどのラビットジャンプに比べると今回のは高さが少し落ちてた感じですな。勢いも足りない感じでした。よくよく思い出してみたら、先ほど狩りをしたウサギとは体の大きさが違いますな。これは一度狩りをした奴は今度は一回休み、みたいなシステムにしてるのかな。それで全員にシケダの脚一本は一度の狩りで食べられるようにしてあるのか? ふむ、ホーンラビット種全体を生かすようなシステムのようだが…… ならば、なぜプレイボーイズ達を除け者にしてるのだろうか? 単に邪魔者扱いだったのかな。つらつら考えていたら、また次の場所へ移動するようです。




 結局、お昼近くになるころまでに彼奴らは5カ所の狩りポイントを巡った。そしてそろそろ最後にするかと言う話が出てきたが、まだまだ食い足りないと主張する者もいて、我、どうするのかなとことの推移を見守ってた。


”それでは次の場所を最後にしよう”



こう言ったのは、話し合いをしていたリーダー格のうちの一匹、茶色と薄茶のまだら模様のウサギだった。



”最後は狩れた者の総取りでよいですか? ”


そんなことを宣う白黒のゼブラ模様のウサギ。



”年寄り・子供には全員に行き渡ったのだ。あとは己の技量次第と言うことだな”


樹皮色毛皮のウサギも仕方なく同意したようです。



 さて、最後の場所とは何処でしょう。我もツノウサギ集団に付いていきます……あ、小さい子供とか年寄りのウサギはそこで解散するようですな。数が大分減って30匹ほどが残りました。つまり、ホーンラビットの現有戦力は30ということになります。そうなると、プレイボーイズは9匹いるから、もし戦うとするなら…… 3倍の敵とは戦ってはいけません>< 




 この集団の本日最終狩りの場所は何処かなと思ってたら、なんだか見覚えのある構造物が見えてきた。あれは……我の作った鳥居ですな。最後の場所はそこかよ! 確かにシケダは五月蠅く鳴いてますけども。八月蝉いと書いてうるさいと読ませてもいいくらいだ。コウのタローとかは五月蠅くないのかな?



”まあ風魔法で遮音しておるからな。そこまでやかましいとは感じんわ。それよりそろそろ出発するのか?”

”いやいや、まだまだだな。ツノウサギの集団を発見したので後を追ってたらここにきたのだ!”


我の技能【おもうはなすつたわる】が直で仕事をしてた。君たち、今何してるの?


”うん? ワシか? ワシは巣で休んでいるぞ? ”

ラムちゃんはどうした?


”二つツノがあるウサギか? お前の作った揺り籠で寝とるわ”

まだまだ目覚めませんか……


”それで、お前は何をしておるのだ? ”

我か、我はツノウサギの集団がシケダを狩るのを観察している最中なのだ!


”ほう、あやつら、もうそこまでできるようになったのか”

あやつらがど奴らか知りませんが、お前の知ってるツノウサギじゃねーぞ! 白くないツノウサギの集団だ。


”いや、多分あってる。この辺を通るときに時折見かけるツノウサギどもだな”

いやいやいや、そうだとしても、お前の見てたツノウサギと同じ個体じゃないっしょ! ツノウサギってお前が見てたときはシケダが狩れてなかったのか?


”そうだな、この辺りのシケダを狩るには少し跳躍力が足らない感じだったな。シケダが狩れる用になったなら、ワシも夜中に襲われなくても済むかもしれんな”

そんなわけあるかーい! お前真っ先に襲われるんじゃないか!


”まあ襲われたら返り討ちだけどな”

などと暢気に話しておりますな。



 コウのタローと念話で会話している間にもどんどん鳥居に近づくツノウサギ集団。いつ気づかれるかと思いきや、案外気づかれていないのか? と思ってたら、鳥居の方から高らかに笑う声が聞こえてきた。


”ワーッハッハ、ワーッハッハ、ワーッハハのハ!”


ム! 何奴なにやつ


”あっ、なんだこの石は?! ”

”昨日はこんなのなかったぜ? ”

”いつの間にできたんだ? ”


あれれ? 笑い声はスルーですかな?


”こらーーー、俺らを無視すんじゃねー! ”


笑っていたのは白ツノウサギのテンでした。なぜか鳥居の上に仁王立ちしていた。



”シケダの鳴き声がするから、ここら辺で皆、準備だ!”


やってきたツノウサギの集団、テンの声をまるきり放置しております。何この状況、面白いから見守ります^^。するとテンは、脇からさっと何かを取り出した。シケダの脚?


”なにっ? あれは! ”

”あやつ等に構うな!”

”しかし、あれは確かにシケダの脚…… ”


なにっ?!と皆がテンの方を見上げます。



”確かにシケダの脚のようだが……”

”どうせ死骸漁りをして拾った物だろう。放っておくとよい”

”いやしかし! シケダの脚は捨て去るにはあまりに惜しい味わいの部位!”


ざわついているツノウサギ集団。そこへ、また新たに鳥居の上に白いツノウサギ登場! こいつも手にはシケダの脚…… ともう片方の手にシケダの胸部を持ってた。ナインですな、あれは。



”俺達ゃ天才”


そのあとに次々に片手にシケダの脚を持ちながら白ツノウサギが現れます。ナインの変な台詞にうんうん頷いております。


”あったまいいぞ”


またしても皆でうんうん頷いている。



”なにかがおかしい…… シロンボー一味が、あいつらだけでシケダを狩れるはずはないのに?”


あいつら、シロンボー一味と呼ばれていたのか! これからはプレイボーイズじゃなくってシロンボーと呼んでやろう! さて、シロンボー一味が次々に鳥居から大地に降り立った。鳥居の側にテン達シロンボーが、それに相対するようにツノウサギ集団が向き合っております。あ! なんかタップダンスし始めた! タラッタラッタラッタウサギのダンス♪



”俺達は、この脚を”

”アスカ嬢に””ミサト嬢に””レイちゃんに””りっちゃんに””カヲルちゃんに”

”プレゼントして今日こそそのハートを射止める!”


ざわざわざわざわ言ってます。誰が誰にプレゼントするって? あと、最後のカヲルちゃんて誰や!?



”お前達は我らの集団から出て行くように言ったはずだが?”

”お前等なんかにおれらのハラカラは渡せない”

”お前等にはお前等のハラカラがいよう。奴の歓心を買えばよい”


むむっ、この縄張り争い+恋(一方的^^)の行方やいかに?



ツノウサギネタが気づけばもう半年たってた(;´Д`)


それではまた来週('ω')ノ


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