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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第8章 忘却の最果てにて
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なにかが超力招来!

いよいよラムちゃん覚醒です^^(四月一日です)

そわそわ

きょろきょろ


 コウのタローに焼いたイモムシ食わせたあと、ギャースカ騒ぐので赤い実を一つ食わせた。


”それで、すぐ出発するのか? ”



いやいや、まだこいつらの実力が上がったかどうか確認してないからな、お前はラムちゃんの様子を見ててくれ。起きたらすぐに連絡するように。


”連絡ってどうするんだ? ”



あー、どうしようか? この辺なら、このデカい鳥が飛びあがるだけでわかるか。ところでお前、シケダ食ったことあるのに、イモムシの方は食べたことないのか? 


”幼虫は大概木の幹に住んどるからのう。ワシはお前のように地に潜らないから地下の幼虫は知らんわい。まあ他の幼虫と似たような味というのはわかった。これからどんどん捕まえてくるがよい!”



なにをえらそーに! 幼虫なら他の虫でも焼いて食べられるんだな? 


”成虫でも食べられるぞ? まあシケダはまずいが他の虫なんかは普通に食うな”



シケダってそんな言うほどまずかったか? 腹部分は食べなかったけど、胸とか足の筋肉とか結構な旨味があったのだが。


”ほーぅ。それは聞いたことがないし、試したこともないな…… よし、ならばここに狩って来い。ワシが味見をしてやる!”



いや、我先に味見したからな。もう確認済みや。お前に食わすシケダはねぇ!  





 そんなわけで、コウのタローをラムちゃんのお守りに付けて、我らプレイボーイズは背の高い木々のところへ来たのだった……。朝日が樹冠を照らしている。キラキラした輝きに合わせてシケダもギーギー鳴いております。シケダってギーギーって鳴くのな。あっちでギーギー、こっちでギーギー。今日も暑くなりそうです。


”それ、お前たち。この木の上の方にシケダがたくさん止まってるから、とりあえず狩ってきてみて”

”あそこまでは俺ら、届かないんだが…… ”

”他のツノウサギもそうか? ”

”いや、奴らは俺らと違ってたくさん狩りしてるから俺らより強くなってる”

”ならここでたくさん狩りをして強くなれや!”



まあ最初は背中を押してやるがいいか。我、しっぽジャンプ! 枝から枝へ、しっぽジャンプ! あっという間に樹冠へ到達。そして赤魔法、麻痺パラライズ! ギギギギ鳴いていたうるさいシケダが即沈黙。ポロリ、またポロリと落ちていきます。ここは三匹しかいなかったか。そら、お前らで止めを刺さんかい! 我がそう促すと、ニー、サン、シーたちが即ツノで止めを刺しました。


”やったー! ”

”またレベルが上がるー! ”

”これで俺らもみんなと同じくらいに跳べる!”

”お、お前たち…… なんか大きくなってないか? ”

”うん、かーちゃん親方が言うにはレベリングすれば大きくなって強くなるって! ” 

”そんな急に大きくなったりするのか? ”

”””さぁ? ”””


まあツのウサギの生態なんか我にわかるわけもなく、我も一緒に首をひねって、さぁ?と発言しときました。んで、討伐したセミは我が一旦飲み込んでおきます。さて、次です。今度はテン達三匹がセミ退治する番です。別の背の高い木に我しっぽジャンプして枝から枝へ登っていきます…… あ、シケダが我に感づいた。ギギギギギ! オシッコ放出して飛んでいきました。一匹逃すとあとはあれよあれよと逃げていきます。くそー、失敗したな。我、せっかく登ったが、樹冠から降ります降ります! ポインシュタットッ、ザシュッ!見事な着地、10点・10点・10点・10点・10点! 金メダルなり~!


”親方~。いま空から臭い水が飛んできたんだが? ”


おっと、誰か引っ被ったか?


”いや、みんな避けたからな…… 親方~、シケダに逃げられたな? ”


あ、ばれてーら。


”シケダは一度気配を覚えられると,次から近づくのが難しくなりますからね? ”


ほうそうですか。それなら次は技能【ひそむ】の出番ですな。あー、いや、それよりも赤魔法・麻痺パラライズを使った方がいいか。



「くぇーーーーーーーーーー!」


いきなりコウのタローの鳴き声が聞こえた、なんなん? 突然叫んだりして? 飛んできたんか? ラムちゃんはどうした?


”見たぞー! お前、狩りに失敗したな。シケダに逃げられとるではないか。お前がうまいと言うから様子を見に来てみれば、がっかりというか笑えるというか! ”


笑いにきたんか、笑いたければ笑うがよい、我とて完璧ではないのだよ。


「くわーーーーーっくわっくわっ!くわーーーーーっくわっくわっ!くわーーーーーげぼげぼっ!!」


どうやら笑いすぎて気管がむせたらしい…… そこまで笑われるようなことか? げぼ筑後のタローの首筋からラムちゃんがひょこっと顔を出した。おお、起きたんか。目覚めはどうですかな?


”はい,おかあじゃ、目覚めはすっきりです! ”



そかそか、よかったな。まあとりあえず地上に降りなさい。コウのタロー、笑ってないで着地ランドオンしろよ。バサッバサッと羽ばたいてコウのタローが地上に降りたった。


”すげー!”

”親方はこの大鳥に命令することができるんだー!”

”かーちゃん、この鳥やっつけていいー?”


やっつけるのは駄目じゃ! 我の乗り物だからな!


”俺も乗りてー!”

”おにごー、お前降りろー!”

”おにごばっかりずるいぞ!”

””””””俺たちも乗せろー ! ””””””


乗せろ乗せろの大合唱にびびったのか、ラムちゃんがすぐに降りて…… 降りられないのか? オロオロしてるので、我がジャンプして首の皮を咥えて一緒に降ります。降りた先に風魔法・空気枕エア・クッション! 


パフゥー……


”なんだいまの? ”

”かーちゃんがまたなんかやったのか? ”


我をかーちゃんと呼ぶでない! 今のは風魔法じゃ! 



「クェーーーーー!!!!」


コウのタローが一喝しますと、ツノウサギ共わらわらと四方八方に散っていきます。こら待てや、お前らの特訓は始まったばかりだぞ?


”わっはっはー! 圧倒的ではないか,ワシの力は! ”



ただ体と声がでかいだけじゃねーかよ! おや、ラムちゃんは逃げなかったのか? えらいえらい。


”いえ、大鳥さまの大きな声が聞こえただけで、何があったかよくわからなかっただけです”


ふむふむ、コウのタローが大きすぎて見えてなかったんやな。まあそれはいいや、とりあえずラムちゃんは起き抜けの朝食をお食べなさい。我はオエッと赤い実を吐き出します。


”これは大鳥さまが欲しがっている貴重なものなのでは? ”


何、あいつが卑しいだけじゃ。今ならコウのタローの目に付かないからお食べなさい。


”はい、それではいただきます”


ラムちゃん、赤い実をしゃくしゃくしゃくしゃく食べます……


”おい! 見えてないけど聞こえておるからな! ”



さてさて、ラムちゃんはこれで二つ分の赤い実を食べたことになりますが。ラムちゃんから魔力を大幅に吸い取ったので相当最大魔力の底上げができたと思うのですが。

 

 ラムちゃんのMPとIPを底上げしたあとは実践ですな。それ、コウのタローよ、我らをシケダのいるところに案内せい!


”案内せいといわれてもな、シケダというのはどこにおるのか? ”


奴らは樹液を吸っていきているのだが,あまり幹が太いと口部分の針がぶ厚い樹皮に阻まれて維管束まで届かないし、逆に樹冠辺りの幹や枝だと吸い取る樹液の量が少ないので活動する分のエネルギーが得られない。だからちょうどよい太さの幹のあるところに彼奴らはいるのだ!


”いるのだ! と言われても,何処がちょうど良いのか,ワシにはわからんぞ? ”


そしたら我を乗せて林の直上にでなさい! 



 コウのタローは我とラムちゃんを乗せて舞い上がります。ふぁさっふぁさっふぁさっ!


ギギーーーーー!バサバサバサッ! チュッ!




こら、空気をかき乱すな! シケダの奴ら、異変に気がついて飛んでいってしまったではないか! 


”そんなこと言われてもな…… お前がなんとかしろ”


うーん、我、近づいたら気配を感づかれて逃げられたし……


”気配を察知する前にやってしまえばよいだろう? お前にはいろいろ魔法があるではないか? ”


うん、そうねぇ…… おっと、ちょっと先の背の高い木にシケダが鈴なりに集まってますな! 一網打尽にするには…… 礫弾ストーンショットだと全滅してしまいそうですな。火はちょっと遠いし、森林放火魔になってしまいます。ならば! あの距離でも届くし全滅はしないだろう!



紫魔法・サンダー


バチッ!バチバチバチッ! 


ほどよい大きさの稲妻が横方向に走ります! シケダの野郎ども、たくさん木から落ちてます…… ってあれ? 我らもなんだか落ちてますな!やばい!ちょっと大きめ野風魔法・空気枕エア・クッション!ぱふっ!地面に激突せずにすみました。おい、コウのタロー、ラムちゃん。しっかりせい! パチパチッ!




……あれ? ラムちゃんのツノ、今火花が起きたような……



それでは本日もお読みいただきありがとうございます。

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