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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第8章 忘却の最果てにて
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プレイボーイズ

毎度おなじみの誤字脱字報告ありがとうございます。

適宜修正させていただきました。



話がどんどんそれていく~♪

今来たこの道、帰りゃんせ~ぇ帰りゃんせ♪




 おらっ! お前ら! 眠気を催してる場合じゃねーぞ! そこのでかいの! 欠伸なんかしてんじゃない! 我、メシ食って眠そうにしているツノウサギどもに、直接丸まり蛇弾を食らわします! そら、これも召しあがれ! 


バイン!


それほど勢いをつけたつもりはなかったのですが、ツノウサギの胴体にヒットした途端、そいつは吹っ飛んでいきました。つか、ツノウサギってそこそこでかいね。しっぽ立ちした我と奴らの目線が同じくらいの高さですな。耳が立ってるときの身長では余裕で負けてますが。あと横幅も我より三倍ぐらいでかいな……。その割に、軽い……



”くっ! この蛇、さっきまでとは違うぞ!”

”触っても消えないのか! ”

”それじゃ、やっつければ食えるんじゃね? ”

”でも今は腹一杯だー!”

”おまけに眠いし”


やはりおネムのようですね。光魔法・癒し(ヒール)では眠気をとることはできません…… それは青魔法・目覚めの役割でしたが、現状青魔法は使えないし。でも、光魔法の癒し(ヒール)には超回復効果が有って、やればやるほど体が強くなるのだ! 




”あの、蛇様? 先ほどから何をなされているのでしょうか? ”


何って、あーた! こいつらが弱っちくて食い物も禄に食べられないと言うから、鍛えてやってるのです!


”そうだったのですか。私はてっきり蛇様が兄たちを食い物にしようとしてるのかと”

”ごらぁ、おにご!  お前もその蛇捕まえるの、手伝わんかい! ”

”あに様、もう食べるもの食べたので捕まえる必要はないのでは? ”

”おにごがおれらにもの申すか! なんもできないくせに黙ってな! ”

”私は何もできませんが、先ほど食べたものはそちらの蛇様の施しですよ? アレがなければ、私も兄たちも今日も飢えて過ごすところでした”



そういや、ラムちゃんはなんでこんなところで寝てたんだ? 腹が減りすぎて寝てたのか? 



”いえ、あれは気絶してたのです。蛇様に起こしてもらって、食べ物をいただけなければ遠からず餓死してました”


何で気絶してたん?


”そいつを使って他のツノウサギどもの気を引いているうちに、俺らが獲物を狩るって言う寸法だったのさ!”

”ところがそいつじゃ他のツノウサギどもは見向きもしやがらねぇ! ”

”だからこいつは役立たずなんだ! ”



えー、ちょっと理解ができないんだが…………ラムちゃんを使って他のツノウサギの気を引くってどういうことかね? 我は二番目に大きなツノウサギに聞いてみます。一番大きなツノウサギは我の一撃でのびております。



”ラムちゃんっておにごのことか。まあなんでもいい。そいつ、おれらの同胞でただ一匹だけの女なんだ。女を目にしたら俺ら、狩りどころじゃなくなっちまうからな”

”女がいたらまぐわうだろ”



なるほど。女がいたらまぐあうのか………… お前ら…… いや、お前らに限らないのか。ウサギだもんな、こいつら。U・S・Aのちょっとエッチな雑誌のシンボルマークは確かウサギだったよな。よし、君等のことをこれからはプレイボーイズと呼んであげよう。それで、お前ら、ラムちゃんとまぐあっていたのか。



”こんな貧相なおにごとまぐあうわけないだろ! ”

”はらからでまぐあったらだめだろ! 馬鹿だな…… って、さっきから喋ってるのはそこの丸々と太った蛇か! ”



今頃気がついたのか。そうジャ、我がお前らと話をしてるんジャ。



”話をする蛇とは面妖だな”

”食えば精が出るかも知らんな”

”精がついたら、茶毛のアスカ嬢とまぐあえるかもしれん”

”いやいや、背毛が萌黄色のミサト嬢だろ! ”

”お前らアホか! 水色髪で片目瞑りのレイちゃんだろ! ”



こいつら、食欲が収まったら次は睡眠欲かと思ったら性欲か! その三人がどんな娘かはしらんが、ラムちゃんだって捨てたもんじゃないぞ?



”そいつは痩せこけた雌ガキだからな! ”

”おとりにして他の群れのやつらを攪乱しようとしたけど、どの群れも引っかからなかったな! ”

”頭の角二本が気味悪がられてるのもあるな!”

”こんな感じで他の群れの男達を惑わせることができなかったので、はらから達から責められてそれで…… ”



んん。その作戦が仮に成功したとしよう。何を獲物にするのかはしらんが、お前らは狩りに成功できたのか?  



”あいつらがいなけりゃ余裕でできたっちゅーの! ”



ちなみに獲物はなんなの?


”今時期でしたらシケダですね”


シケダ? なにそれ?


”木に纏わり付いてうるさく鳴くムシです”


せ、せみのことかな? そんなもん食ってるのかお前ら。


”そんなもんとか言うな、蛇のくせに! ”

”お前だってマウスとかモールとか食ってるんだろうが! ”

”ひょっとしたらワーとかギーとかじゃねー? ”



ふむ。マウスはネズミ、モールはもぐらのことですな。ワートカギーとはなんじゃらほい?


“ワーは地中にいるうねうね動くムシで、ギーは森の中で腐った肉や果実をあさる黒くてテカテカしているムシです”



ミミズとゴキブリのことかい! そんなもん食うか! だいたい貴様らにやった魚、あれは我が捕まえたんだぞ(自分ではあまり食べないけど)。我の主食は果実ですな、今のところだけど。しかし、セミがこの辺にいるのか…… いたかな? そんな気配、全くなかったけど? 



”この辺のシケダは狩られた。狩られてないのは逃げちまったよ!”

”全く。全部おにごのせいだな”

”あいつらは狩ることができたのに、俺たちだけだぜ、失敗したの”



そりゃ君等の狩りスキルが低いだけなのでは? あと、その女を使って邪魔をする作戦がまずかったのでは? 我の疑問に答えてくれるプレイボーイはいませんでした。



お読みいただきありがとうございます。


今週はもしかしてもう一度投稿できるか……


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