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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第8章 忘却の最果てにて
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光魔法の検証

深夜に徘徊するようになりました・・・





 我の幻影を追いかけるツノウサギの野郎ども。我が幻影操作に手間取ったものはツノウサギに追いつかれて、ご自慢のツノで一突き! ぶすり! とはならず、ふにゃにゃにゃにゃ~んと消え去ってしまいます。消えた分を補充して、そらそらウサギさんこちら、音の鳴る方へ。結構なホーンアタックを食らいましたが、我、平気なり~。


でもなるべく攻撃を食らわないように@

…… あ、また当てられたか! 即座にファントムツチノコ@!

あっちでは後ろからアタックさせそうになっている@! 

こっちは一度飛び跳ねて回避したところを狙われている@! 


@が有るところ、我の分割思考している所なり~。

こっちでは斜め後ろから突撃されそうだから右前に回避@! 

前回避@! 

上跳躍@! 

右@! 

右@! 

左@! 

一旦解除@! 

ウサギの後ろに発動@!




”この蛇変だぞ!? ”

”ああ! 逃げ回るのうまい上に、追いついたと思ったら急に消えやがる! ”

”変な音と光のせいで距離感が掴めねぇ! ”



なんか言うとりますな! 喋ってるからか、だんだん動きが鈍くなってきましたな。どらどら、光魔法で回復してみましょうか。


我、ファントム・ツチノコの光に紛れて、本体から光魔法の以前Lv.1と呼んでいた奴を使ってみる……




”光魔法・癒し(ヒール)”



ほんわりと光る本体さん、すなわち我の体。全体的に疲労回復したようですな。彼奴ら、我のファントムを追いかけるのに必死で、我の本体さんの光には気づかなかったようです。しばらくすると彼奴らの中で動きにまた違いが出てきたぞ?



”もぅ…… どれくらい追いかけたか…… オレ、もう動けねぇ……”

”オレもだ~”

”お前ら、そんなことでどーする! ” 

”お前はいいよな、さっき魚をかっぱらえたから”

”そっちのお前もはらわた食えてただろ! オレやらなんも食えなかったぞ! ”

”やっぱり早めにこの蛇とっ捕まえて食わないと! ”




あー、やはりこやつら肉食なのね>< 


我、とっ捕まったら食われちゃうのか! しかし、それにしても光魔法で疲れをとってやったのに動きに違いが出てきたのは…… あれか? 腹減ってる個体とそうでない個体の違いか? 



我、以前に光魔法を使って疲労回復させた奴らは…… ボルちゃん達にヴァッへ・ヴェヒターの村人コンビの時は…… メシ食った後、すんげー訓練してる最中には怪我を治す光魔法だったか。うーんと、そう言えば、ボルちゃん達の騎馬たちの訓練に光魔法癒しを多用したね。どっちにしてもたっぷりメシを食わせてから訓練して癒し(ヒール)をつかったっけ。栄養が足りない状態だと、癒しの魔法をかけてもきちんと回復するわけではなさそうです。メシを食わずに休憩だけしてその後働くようなものかもしれません。ちゃんとメシ食わないといい動きはできないということか。ふむ。光魔法の検証のため、実験をしてみますか。



 我、体内に貯蔵してる魚の干物を体内調理します。なんだ体内調理と聞かれたら、我の技能”貯める”で我の体の内に有る素材を、体の中で主に火魔法を使って調理することなのだ。口中調味と似たようなものですかな? 全然違うか。ついでにウサギ全般が好きそうなニンジンをも焼きましょう。全部で何匹いるんだ? ラムちゃんよ、君のハラカラ何人いるのさ?



”私のハラカラですか? 私を入れて十人です…… だっちゃ”



おや、まだ忘れてなかったね。語尾にだっちゃをつける奴。不自然にならないようにしなさいよ。それで、ラムちゃんの兄弟達は九匹か。ならば、半切れの焼き魚を九個、焼きニンジンをそれぞれに一個づつ与えてみよう。


一本でーもニンジン♪、二匹でもサーカナ♪ 


オエッと吐き出しまして、銀魔法銀糸を使ってニンジンと焼き魚を縛りまして、各ツノウサギどもの目の前にぶら下げます。追いかけていた幻が消え、いきなりウサギどもの目の前に食い物が現れた! さて、彼奴らはどうでる?



”あっ、なんか食い物だ!”

”これってお前がさっき食った奴だ! ”

”蛇なんかよりうまそうだぞ! ”

”いい匂いもする!”

”もうたまらん、食えーーーー! ”

”待てお前ら! これは罠だ! ”


最後にそんなことを言ったのは、一番大きなツノウサギ。うむ、確かに罠には違いない。なんの危険もない罠です^^。罠だと言ったツノウサギは確か我が焼いてた魚を最初に盗んで食った奴か。腹がある程度満たされているから知恵も回るのかもしらんね。だけど他の腹ぺこウサギどもはそんな話に耳を傾けることもなく、焼き魚にかぶりつきます、ガブリ!



”うめぇーーー! ”

”久しぶりの獲物だー! ”

”うまい! うますぎるーーーー! ”

”一緒にある赤根も絶品だな! ”



ほう。こいつらもニンジンのことを赤根というのか。その発言を聞いたデカツノウサギも辛抱たまらなく、ニンジンにガブリ!



”うめぇーーーーー! ”


やはりニンジンはウサギには高評価のようです。それではゴボウやらタマネギやらジャガイモやらはどうでしょう? 根物野菜です。ニンジンと同じく、焼いて出してみます。おぇおぇっと! 今度は一カ所に纏めて置いておきましょう。銀魔法・銀布に包んで、奴らが焼き魚とニンジンに夢中になってる隙に、奴らの目につかないところにおいて、そっと去る。焼き魚をがっついてむさぼっていた野郎どもだったけど、まだまだもの足りない様で、すぐに我の置き土産に気づきました。わらわら寄ってきて焼きゴボウと焼きジャガをむさぼっています。焼きタマネギはあまり人気がありませんね。実が(ホントは実じゃなくって根っことか茎とか葉っぱとかなんだが)ぐずぐずで食べにくかったのかもしれません。次やるときは水分を金魔法で抽出して置いた方がいいかもしれない。



 ひとしきり腹一杯になったウサ公ども。こやつらに再び光魔法・癒し(ヒール)を当てる…… なんだか目がとろんとしてますな…… 元気になったのだろうか? 食欲が満たされて眠くなったのだろうか?




お読みいただきありがとうございます。


また来週~('ω')ノ

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