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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第8章 忘却の最果てにて
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あんまりそわそわしないで

ふたたびの真夜中にこそっと投稿・・・



 お試しに初めて使ったときから数十日を経て、我、お久しぶりに黄魔法を使ってみる。なんだか結構楽しいよ。幻影(ファントムと名付けました)を見せる魔法みたいなのですが、魔法のレベルが上がるにつれ、幻影の出せる個数が増えていき、出現と消滅の速さが早くなり…… Lv.100になるころにはファントムが思い通りに動いて見えるようになりました…… 


おい、魔法の声のニコちゃん大魔神さま…………


”その名前は言わない約束よ、おとっつぁん”

”だれがおとっつぁんか! 魔法のレベルが100になっとるがな! ”

”はい、それがなにか?”

”それがなにか? ではありません! 魔法のレベルは30までじゃなかったんかい!”

”そんな決まり事はありませんが、それがなにか?”

”えぇ? 土魔法はレベル30で打ち止めだったよね? ”

”そのようなことはございません”

”いや、でも確かに土魔法Lv.30の地形操作アースコントロールをもらったときに、これにてレベルアップを終了しますって言うお知らせが届いたぞ?”

”魔法は本来自由なのです。この世界の魔法が使える者共も魔法レベルというものはありません。これからはあなたは自由に魔法を行使するのです…………”


ははーーーん………… こいつ。さてはレベルのお知らせをするのが面倒になったな!


”Exactly!(その通りでございます!)”

”それなら別にいちいちレベルいくつになりましたーとか言わなくってもいいですよ。こっちとしてもめんどくさいし。それよりもさー、相談に乗って欲しいんですけど”

”相談とは?”

”我の近くにいるツノウサギの事ですよ。ホーンラビットってつの一つなんでしょ? なんでこの子つのふたつになっちゃったのさ? ”

”おやおや、この子は…… ”


ふむふむ、とか言ってますが、どこで見てるんですか? 声はするけど姿は見えず、ほんにあなたは〇のような。



”〇とはなんでしょう? ”



ここで失礼なことを考えてはいけないのだ>< 

天罰覿面てんばつてきめんくらってしまうのは堪忍や><



”〇とは火です、火の事ですー! ”

”火は見ることができますが? ”

”あれはプラズマです、そこにあるかのように見えるのは幻なのです! ”

”私は天罰を与えるような力はありませんよ? ”



なーんだ、ビビッて損したよー! でもなるたけ失礼なことは考えないようにしておこう。いつも世話になってるしな。それで、ツノウサギのこと、なんかわかりました?



”まず、ツノウサギというのはこの子の他にもいますが”


いますが?


”あなたの周りに今いるツノウサギはツノウサギの中でも変異種ですね”


なんや、変異種って??


”通常のツノウサギ、いわゆるホーンラビットは生まれてきた環境によって毛色が決まってくるのです。この辺りの気候だと土色草色枯れ葉色がほとんどでしょう”


ええ? 白うさぎはこの辺りでは見ないの? そしたらアナは?


”あなたがアナと呼んでいるウサギは別種なので”


まあそうですけど。それで、ラムちゃんはその変異種がさらに変異しちゃってるのか?


”そのようですね。変異種は環境に適応できずに死滅するのがほとんどですが、環境適応した変異種ならば適者生存できるでしょう”


環境に適応できなかったら死んじゃうの? なんでツノウサギすぐ死ぬん? 死なないようにするにはどうしたらいいの?


”そうですねー、ツノウサギは無魔法が使えるのでそれで何とかすればいいのでは?”


無魔法使えたって、毛色が白だから目立っちゃって奇襲とかできないでしょ? 弱者の生存戦略…… はっ! もしかして、たくさん子供を作ってどれか生き残る奴にかけているとか? それだと種としては可能性がある? 



 我、いろいろ考えているときも黄魔法の幻視ファントムを出し続けています。もはやレベルはどうでもよくなり申した。スムーズ、というか普通にアナの動きをしている我のファントム・アナ。神樹さまの赤い実をたくさん食べたせいか、IPが増えて、技能【分ける・考える】が強力になった気がしますな。


ファントム・アナさんのタップダンスを口を開けて見つめるフタツノウサギのラムちゃん。だいぶ黄魔法の使い方もわかってきたのだが、まだまだいろいろできそうですな。見せることができたのなら、聞かせることもできるのでは?


それでは、黄魔法の新天地、幻聴! なんかかっこいい英語名とかないかいな? 我は知らず、幻聴の英名…… もう音じゃないのに聞こえるんだから、サイレンスサウンドでいいか。



聞け、静寂の音、黄魔法・幻聴サイレンスサウンド


〈こんにちは、初めまして。私はアナです〉



ラムちゃんに向かってファントム・アナが語りかけます。ラムちゃんは……




そうです、そわそわしているのです>< 

辺りをキョロキョロしているのです>< 

よそ見をしているのでぃす><



”ほれ、フタツノウサギのラムちゃんや、なんか返事したらんかい! よければ語尾に{だっちゃ!}と言うといいぞ”

”そ、そう言われましても…… 初めましてだっちゃ! 私は、蛇様にラムと名付けられましただっちゃ!”



うーん、なんか態度が固いな……それと自分のことは{うち}というんじゃ! これで毛色が緑色になると完璧なんだが。




替え歌がいまいち思いつきません><

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