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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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ポーションで腹いっぱいになってんじゃねー!


 ハンナちゃんの起こした一悶着のせいで昼食の時間が少し遅れたが、その間隊員たちは魔力を宝玉に詰めてはポーションを飲み、ポーションを飲んでは魔力を込めるという作業をやっていた……ボルちゃんはお気に入りの剣”蒼天”に魔力を込めていたが、ポーション屋のババアの作ったエクストラハイより効果のあるポーションを5本飲んだそうだが……


「もう飲めない……」 


そらそーだ!350mlぐらいの量の水を5本も飲んだらお腹ちゃぽちゃぽになるで!


「スネークよ…… どうにかならんもんかな?」


周りを見れば皆同じように腹を抱えていた…… あのエマさんでさえ! そこに


「みなさーん、昼食の用意ができましたよー!」


お、できたんかい! 牛乳に浸しておいた鯉の切り身に小麦粉まぶしてバターで炒めたんや! あとはパースリーの乾燥粉末をサラサラかけてできあがりやな! フランクフォートのあほなおっさんにも会う機会があったら教えてやってや! 


「お水でお腹いっぱいですわねー……」


「おいしそうな匂いなのに、体が欲しがっているのに、胃が受け付けねぇ……」


「これはもう、無理をしても食べるしか……」


もう、一旦ちゃんと休憩したら? 魔力増強の訓練でしょうが、飯食えなくなるんだったら体壊すぞ! ハンナちゃん、料理は一旦閉まってや!


「しょうがないですねぇ。出来立てを食べて欲しいのですが」


とは言いながら、保存箱にしまうハンナちゃん。これに入れて置けば1時間ぐらいたっても1分しか中身は時間経過しないからそんなに冷めないだろう。ハンナちゃんは、貰ったポーション飲んでみたか?


「いや、まだですが…… ポーションでお腹いっぱいにするのはよくないと思います」


ハンナちゃんはどのくらいまでなら飲める?


「さぁ、試したことはありませんが3本は飲めないです、たぶん」


そこを頑張って飲んでみる! 何回か続けるうちに4本目が飲めるようになる!


「隊長と一緒だー! そこに何の意味が!?」


できないことをちょっとだけ無理して頑張ってみる…… それを続けていくうちにやがてできるようになるのです!


「それよりもポーションから水分を抜いたほうがよくないですか?」


なるほど。


「それじゃー、私がポーションを宙に浮かせますので、スネークちゃんは金魔法を使ってください!

水よ 水よ 我ら命の運び手の水よ 流れのままに 命を運びたまえ」


ハンナちゃんがポーション瓶を二つ取り出して瓶の蓋を取ったと思ったら呪文を唱えた。すると、瓶からポーションが浮き出して空中に水玉として浮かんだ。それじゃ、唸れ、我の金魔法!


金魔法Lv.1抽出!

“ン デデデデーン”

“なにをどうされますか?”

ポーションから水分を取り出して!

“テ・テ・テ・テーン“


宙に浮かんだ水玉が徐々にしぼんでいく……その速さで色がどんどん禍々しくなっていきますな!そしてテーブルの上にゆっくりと落ちていきます…… コトン! ポーション飴の完成やな! さあ、これをなめんしゃい!


「えーーー、私がですかーーーー?」


だってハンナちゃんの分のポーションやろ? あ、なめる前に魔力を全部使いきってね?


「もう、しょうがないですね! ラセンダちゃんを取り出して…… まずは火魔法の魔力を込めます……ブパーーーー! そろそろ限界です!」


なるほどハンナちゃんが魔力を込めたら螺旋蛇杖らせんだじょうに組み込まれたルビーとアクアマリンの宝玉のうち、ルビーの方が我が魔力を込めたのと同じくらい輝いていた。さて本題はここからや! 飴、なめて! まずかったらすぐ飲み込んで!


「そこはすぐ吐き出して!というべきでは?」


吐き出したら勿体ないやろーが! せっかくみんなで苦労して集めた”女王のスープ”なんや!


「わかりましたよー! なめりゃいいんでしょ!」


捨て台詞を残してハンナちゃん飴をパクリ! おげぇーーー!吐きそうになってるが、吐くならなめるな!なめるなら吐くな! 飲み込むんや! ハンナちゃん、飴をごっくん!


「み、水…… 」


水か! 我、テーブルに置いてあったコップに水を吐きます。魔法ではありませんのでカウントダウンは進みません! おぇっ! さあ、これを飲むんや! ハンナちゃん、水を飲んだと思ったら、テーブルの上に上体を乗せて倒れた! これは気絶しましたな!


「スネーク…… ヴィンはどうした…?」


たぶん、魔力過剰状態になって気絶したな!起きたら魔力容量が増えてると思うぞ!


「そうか。なら私もやる! トレーネ! すまないが、私のポーションを宙に浮かせてくれ!」


「僕もやる!」


「お、オレは遠慮しようかな……」


「やったら魔力の容量が増えるわよ…… きっと」


「あたしもふえるんですかねーーー?」


「バウちゃんも増えるわ…… たぶん」


「それでは3人交代だな。我らが回復したら次は君たちだ。回復にどのくらいかかるかわからないから、我々が気を失った後は、スネークよ、ここに小屋を建ててくれ」


こうして、ボルちゃんとリーちゃんが作った飴玉を飲み込んで順当(?)に気絶した。我はこの場所に昨日作った石小屋を作った。カーちゃんの要望により、風呂の隣にトイレも作った。気絶した人たちはエマさんが簡易ベッドに運び、毛布を掛けて寝かせました。


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