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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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謎の魔植物とは?

誤字脱字報告ありがとうございます。

ご指摘を受け修正させていただきました。

ちょっと最初っから読み直すかな…


 ネズミの皮の回収を終える。サンプルに一つハンナちゃんに渡します。


「中に何か入ってますね?」


うん。飲み込んでたら、なんか皮の中で動いてたから。ハンナちゃん、ナイフで皮を割いていきますと、中から石が出てきました。結石かな?


「これは……魔石でしょうね。火の魔石でしょうか?」


「火の玉になってこちらに向かってきてたからな」


「それにしては…… 何か違う感じがしますね」


「魔石の検証は後だな。よくわからんからスネークが持っておいてくれ。我らは出発するぞ。フランメ! 苦手なものがあるのは仕方ない。次で挽回してくれ」


「ああ、ネズでなけりゃなんだってやったる!」


「でも、コーイの時は死にそうな顔してましたよ!」


「死にそうな顔をしてたのはてめぇも同じだろうがよ!」


「フランメは馬に乗れそうか? 無理そうならスネークに魔法を使ってもらうが……」


「いや、大丈夫だ」


「それにしても、この火鼠(仮称)、数がものすごかったな」


「マウスは繁殖力がありますからねー。オニクが残らなかったのは残念!」


「さて、そろそろ坑道を出る。出たら崖の頂ちかくに到着だ。そこで額金通信ができるかどうか確認したい」

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


 皆が馬に乗るのを見届けてから、ボルちゃんは馬を走らす。結構な上り坂ですな。汗血馬ちゃん達は楽々と昇っていくが、残りの3頭にはきついか……我、ヒーヒー言ってるお馬さんに光魔法Lv.1をかける。元気になる。しばらくするとまたヒーヒー言い出す。またかける。3回目の光魔法をかけたところで出口が見えてきた。光の孔が大きくなってきて……青空が見える! 眼下に広がるのは、峡谷…… この辺が峠なのかな? 辺りの地形が一望、というにはほど遠いが、なるほど概略は把握できた。赤い岩盤の石林がいくつも立ち並び、その下にはマゼンタフロスが幾重にも分かれて流れている。岩盤と言ってもその表面には土壌があるらしく、緑に覆われた個所が散見される。しかし、見た感じ、樹木のようなものは見られないのだが…… 土壌に栄養分がないのだろうか? こんなところでよく里を作ろうという気になったな!


「スネークの言うことも一理あるが…… ここを選んだのは120年ほど前になるか…… 土壌は貧弱だが、空気中の魔素を取り込むのに、この地形が優れているという理由で選ばれたんだ。耳を澄ましてみろ…… 風の音が聞こえるだろう?」


……フュー…サササ……コーーー、スー―ーーー、ゴォオオォーーーーーーーーー、フューーー……コーーー……ササササササ、フューーーーー、サラサラサラサラ……フューーーーーー。


うん、なんか聞こえるね! 


「地形の影響もあり昼はここに風が入り、夜はここから風が出てくる。それに季節風が吹くと風の勢いが増すのだ。グラニーラムゼースミスのマルス・プミラ様は風の属性だからな。地形に合わせたマルス・プミラ様を配置したわけさ」


どこにおわすか知らんけど、あまり日の当たる場所にはいなさそうだけど?


「最大に考慮されたのは風の強さだな。光の当たり具合が2番目だ。土壌の栄養はエルフの民で何とかしている。水は……マゼンタフロスから風車で引き揚げているな」


なるほど。


「さてと、額金通信で連絡が取れるだろうか? ここはかなり通信ポイントとして優れているのだが……」


”あーあー、こちらアプフェル王国近衛軍所属ミア・ボルドウィン! グラニーラムゼースミス、応答せよ。繰り返す、こちらアプフェル王国近衛軍所属ミア・ボルドウィン! グラニーラムゼースミス、応答せよ”


”……………”


”応答ありませんね”


「例のやつにまだ通信を阻害されているようだな。それでは直接里に行く前に、南の砦に行くことを目標にする」


なーなー、そろそろ教えてくれてもいいんジャない? 謎植物って何よ?


「いや、我々も名前は知らない。幹があって根を張ってて葉が緑色をしているので植物であろうとは推測できるのだが」


「地面から急に根が飛び出してきて、すごい速さでそれが幹になってあっという間に木になるのです!」


「あの根っこ、幹にならずにこっちに向かってくる時があるからこえーよな!」


「怖いと言えばあの葉ですよ! 幹の枝についているときは柔らかそうなのに、稀にナイフのように固くなって跳んでくるんですよ! あれで里の兵士が何人も行動不能になってましたよね!」


ボルちゃん達はどうやって防いだの?


「ヴィンの水魔法…… 泉蛟で防御してもらった。あれがなかったら我々も行動不能になっていたに違いない」


「葉だけじゃないよ! あの幹、すごくしなるんだ! 剣で刈り取ろうとすると別のやつが背後から襲ってくるし!」


「刈り取れても、刈り取った後の地面に残っている奴が伸びてきて槍のように襲ってくるからな」


「あの根っこはちょっと堅かったけど意外といけましたね~」


しなやかで? 急成長して? 根っこがおいしい? もしかして、ツチノコVSの予感再び……



本日はこれにて。

お読みいただきありがとうございます。

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