ヒーちゃん、落ち込む
クヴィーク! ちゅうちゅう!
修正;ビローン音(魔物を討伐したときの音)を忘れてました><
後、鼠嫌いなのにマウス系の小動物と聞いたら、自信満々に出ていかないですよね><
”マウス系の魔物かな?”というセリフを削除しました。
暗いトンネルを常歩で進む。ここはこの辺りのトンネルでも一番の長さで登ったり下ったりまっ直ぐだったり曲がったりして灯りがないと進めないところなのだそうだ。ボルちゃんは我があげた光魔法の魔力を込めた水晶玉をかざして進んでいく。我は中央にいるハンナちゃんの頭に跳びのって光魔法Lv.1の光を放ちます…… ん? なんか大量の気配を感じますな? 我、光を弱めてみると、この先のあちこちに赤く光るものがありますよ…… いつぞや、山の中で気配察知がどこまで可能か調べたときの感じに似てますな。
”ボルちゃんよ、あれ魔物? ホールマウスに似た反応なのだが?”
「そうだな……あれがシュッツ様の言っていた火魔法を使う小動物らしい。うかつに近づいたら、こちらにやってきて自爆魔法を使うとも言われてたな。さて、どうする?」
「火ィ使うんなら、オレに試させてくれないか?」
ヒーちゃんが自信たっぷりに言うので、ボルちゃんは先行していかせてみることにしたらしい……。 ヒーちゃんは馬から降りて走って前方を行く。
「スネークよ、忍び寄ってフォローしてくれないか?」
うむ、なんか自信満々に出てったからきっと素晴らしいオチが待っているに違いない! 少しずつ我のところに来てくれ。我、ハンナちゃんの頭からポインと降りると、そのままにゅるりと這い擦っていく。後ろからこっそり気配隠蔽を使ってヒーちゃんの様子を伺います。ヒーちゃん、両手にガントレットをはめてますな。あれは青魔法Lv.7祝福・強を使ったやつだな。新しい武器の使い勝手を試してみたいんだろうが……
クヴィーク!
ん? 今のなに? 鳴き声? と思ったら、ヒーちゃんに火の玉が飛んで来た!ヒーちゃん、火の玉に接近して赤熱化したガントレットで殴りつける! 火の玉は散り、そこに何かが落ちたようです。
「なんだこれ?」
ヒーちゃん、拾い上げると……
「ひーーーーー! ネズミの皮じゃねーか!」
慌てて投げ出すヒーちゃん…… ふむ、どうやら魔物の皮らしいな。
クヴィーク!
あ、また鳴き声が聞こえた! と思ったら火の玉が!
「ネズ公の魔法かよ!」
ヒーちゃん、嫌がって斜め後ろに下がります……と、その途中で、Bom! ん? そう言えば自爆魔法があるとか言ってたな…… 魔法か今の? 前世の記憶では、増え過ぎたレミングとかいう生き物が、崖から次々と飛び降り自殺をするとかしないとか……あれの類なのかな? 爆発したネズ公の後には何も残らなかったな。おい、ヒーちゃん! ネズ公には接近させず、爆発する前に超接近してその拳を叩きこむのジャ!
「スネークーーー! なんとかしてくれよ~!」
あー、我の言うこと伝わらんかーーー。 我、未来から来たネコ型ロボットじゃない!
「フランメ! その魔物はある程度の距離を跳んだら爆発するそうだ! 爆発する前に一撃で倒せ!」
後ろの方からボルちゃんが叫ぶ。
クヴィーク!
来るぞ! 我、土魔法Lv.24礫弾! まっ直ぐこっちに向かってくるんなら当てるのカンタン! テー! 我の礫弾が火の玉に命中! ぼたり! ビローン! また皮が落ちた。
クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク!
今度は複数来るぞ! ヒーちゃん、はよ迎撃や!
「もう破れかぶれじゃーーーー!」
ヒーちゃん、一番近づいた火の玉を右手で一撃! 左手で一撃! 余ったやつは我の礫弾でやっつけた。ビローン!
クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク! クヴィーク!
やばっ! たくさん来る!
「ナインテール! 我が投網よ、宙に広がり獲物を一網打尽せよ!」
火の玉がたくさんこっちに向かってきたが、後ろからカーちゃんの鞭による水魔法が炸裂! 火の玉は水の網に絡まった! しかし! 熱で水の網が湯気になっていくのがわかる。あまり時間は持たないな! すると、背後からBang! Bang! Bang! Bang! Bang! Bang! Bang! Bang! 銃声が!
「これくらいの距離なら百発百中だね!」
リーちゃん! 貴様、銃の名手か! いじめられメガネっ子と特技が一緒やな! 網にかかったネズ公はすべて銃で撃ち落とされ、その真下には死んで皮を残したネズ公の死骸があった…… ほら! ヒーちゃん、キリキリ拾わんかい! 何かの役に立つやろ!
「…… オ……」
オ?
「オレはネズミが大嫌いなんだよーーーーーー! 子供の頃、寝てたらネズミに耳をかじられたんだーーーーーー!」
ぷっ! 貴様こそが未来から来たネコ型ロボットだったのか! しかし、もうネズ公は動かへんのやで?
「回収はスネークに任す…… 」
しょうがないやっちゃな…… 我がやると、単にネズミを丸呑みするヘビにしか見えないジャないか! せっせこせっせこもはや身のない皮を丸呑みしていく、その間にもネズ公の自爆アタックは続いていたのだが、すべてカーちゃんの水の網にひっかかかり、進撃を止められたところをリーちゃんの拳銃でBang! 我、飲めども飲めども皮、無くならず…… じっとヒーちゃんを見る…… 体育座りをして落ち込んでいた。




