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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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スネーク、起きず


 小さなエルフは、緑茶に糖を入れ2杯目のティーを飲んでいた。目の前には1時間の砂時計。調理を担当するものとして、3分、10分、30分、1時間の砂時計は必要なものだ。そのうちの1時間の砂時計の砂がそろそろ落ちるころだ。やがて砂が落ち切ったとき、3人のエルフが小屋から出てきた。


「皆さん、おはようございます。フランメクライゼルさんとトレーネさん、ご気分はいかがですか?」


そう言ってポーション瓶を渡した。二人に渡したのはダブルポーションというやつだ。魔力の方はすでに満タンになっている二人だったが、1時間睡眠でどの程度回復したのだろうか。二人はポーションを取ってゆっくりと飲んでいった……


「ハーーー、ありがとな、衛生ちゃん。これ飲んでやっと半分と言ったところか」


確か7本飲んで全回復すると言ってましたね……衛生ちゃんと呼ばれたエルフは内心で計算している。朝食前に一仕事して、どのくらい体力が減ったかはわからないが、相当フラフラであったので体力枯渇の一歩前くらいだったのではと推測した。すると、1時間ぐらいで三分の一程度は回復するのか。すると3時間でフル回復? 衛生ちゃんは、あと2時間は休憩してもらうように進言するか、と考えたが、里の危機を思うとそれは止めておくことにしたようだ。この状態なら速歩はやあしで騎乗できるだろう。


「スネ君は起きましたか?」


「いや、まだです」


「フランメとトレーネ、それに皆にも言っておくが、あまりスネークの力を頼りすぎるな。いざ、というときその力が使えないと、スネークを恨むことにもなりかねない。これは私自身に言い聞かせていることだからな」

 

「そういう言うわけで、ハンナちゃん、おみずちょうだーーいー!」


「新兵ちゃんは衛生ちゃんに頼りすぎているな……」


「新兵なんだし、よろしいんでは?」


「飲み水の供給は私の役割ですから何の問題もないですよ」


「すみませーんーーー、先輩たちもお水飲みたかったんですねー」


「いや、オレらはさっきポーション貰ったから大丈夫だ」


「それではスネークは起きなかったが出発することにする。朝食後に話したように、ここはそのまま残す。風呂の水は腐ると匂いが残るので排水してくれ」


「馬たちの飼い葉や飲み水は?」


「みなさんが寝ているときにあげてますので大丈夫です」


「あとは君らの体調なのだが…… 馬には乗れるよな?」


「それは大丈夫!」


「同じくですわ!」


「それでは出発するぞ! 先頭は私が索敵をしながら行く。左にフランメ、右はトレーネ。中央にヴィン、後ろにボーデンとバウアーだ! ここからは敵地だ! 油断するなよ!」


おお!とときの声が響く。さて、この行軍の行方や如何に?


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