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我はツチノコ  作者: あいうわをん
第5章 ツチノコの証明 神樹さま、我のあの背負子、どうしたんでしょうね・・・ええ、夏にグラニーラムゼースミスの谷底で落とした、あの背負子ですよ
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朝飯後の一仕事

また短め。


 朝食に朝っぱらからタウルスワイン煮とスーススクロファの角煮をメインディッシュにした朝食をエルフ6人は食べ終わった。一人は嬉しそうに食べていたが、二人ほど食欲のないものがいた。残り三人はいつも通りだった。


「いやー、朝からおごちそうさまでしたー! いつもながらおいしかったですねー!」


「フランメクライゼルさんとトレーネさんはまだ食欲が戻りませんか?」


「ああ…… 朝飯前の一仕事にしてはきついもんがあったな……」


「体力が戻ってないうえにまた力仕事でしたからね……」


「そうか、君らは最後の夜番だったな。すまん、何事もなかったと聞いて、それくらいはできるかと思ってしまった……」


「済みません隊長、それくらいはできるかと思ってしまってました……」


「馬には乗れそうか?」


常足なみあしなら……」


「スネークがいれば治癒魔法を使えるんだが…… ヴィン、スネークはいつごろ起きると思う?」


「うーん…… 回復の時間が前より早くなっていることは確かなのですが……前回と同じくらいなら、そろそろ起きてもおかしくない時間なのですが」


「そうか…… それでは1時間待って起きてこなかったら出発する。バウアーもそれまで寝ててもいいぞ」


「わっかりましたー、それでは本格的にベッドで寝てきますねー」


「私も……」


「オレも」


「あー、一時間ぐらいならこれくらいでいいかなぁ」


小さいエルフがコップの中に眠り薬を入れて、水魔法で水を出してますね。


「横になる前に、これを飲んでください。たぶん一時間ぐらいで目が覚めると思います」


「わかった」


「わかりましたわ」


「わっかりましたー!」


「新兵ちゃんはあんなに元気なのに朝から寝るんだな……」


「人のこと気にしてられませんわ…… 私たちも休みましょう……」

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦


 3人のエルフは石小屋の中に入る。残されたエルフ3人。


「さて、血抜きも終わったようだし、解体するか。ボーデンは解体の経験は?」


「解体、魚はやったことはないね」


「基本的には獣や魔物と同じです。コーイは魔物ではないので普通にお腹を開いて内臓を出します。それは私がやりますから、隊長とボーデンさんは頭を落としてひれを切った後、3枚におろしてください。あとは身と皮を分けてもらえれば」


こうして川魚、コーイの解体が始まったのであった。


「そう言えば、ヴィンよ。コーイは泥臭いから、一度清水で泥抜きした方がよくはなかったか?」


「本来はそうなんですが、我々にはスネークちゃんがついてますので今回は必要ないかと」


「師匠が何かしてくれるの?」


「スネークちゃんには、金魔法と言って何かある物からそれに含まれる別の物を取り出すことができるのです。泥臭いのもその金魔法で取り出せば消えるはずです」


「なるほど」


「…… ん? このコーイには魔石がありますよ? どういうことですか?」


「魔石があるってことは、このコーイは魔物っていうこと?」


「これがリーズィッヒ・コーイなのか……確か討伐対象だったな…… 大銀貨1枚銀貨5枚の大物だ」


「7匹いるということは…… 二匹で……大銀貨3枚…… それが3セット・・・・・・大銀貨9枚…… それにもう一匹分、大銀貨10枚と銀貨5枚…… すごい」


「こんなにすごい魔物をあっさり捕まえるなんて、トレーネさんはすごいですね」


「黄色掲示板の依頼だったからな。討伐部位は魔石と頭だったか…… それくらいはやれるだろう。ところでヴィンは何をしているのだ?」


「腑分けをしています。心臓と肝臓と腎臓、このコーイは卵巣ですね。それ以外は廃棄します。あとはスネーク保存箱に氷を入れて部位別に保存してお終いです血の入った壺もこの箱に入れて置きましょうかね。頭が討伐部位ならそれもこちらで冷やしておきましょう」


 いったん眠りについたエルフ三人が起きだした時、解体作業はきちんと終わり、起きていた三人は優雅にティータイムをしゃれこんでいた。



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